ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

483 / 1724
亜人は基本的に教育が凄いので、自分の種族が使っていた古語と文字に、共通語であるパンタジア語を話したり読み書きできます。


66話 歌という文化

「……と言うお話だったのさ」

 

「ふーん。あ、この紅茶美味しいわねー」

 

興味がなさそうなイルルが、フォートナム&メイソンのアールグレイを飲んでいる。

 

一方、俺は最近コーヒーにハマり、オリジナルブレンドの研究を始めた。

 

「んー、これは結構美味いな」

 

コーヒー研究メモを手持ちのポケット魔導書に書き込む。

 

これは、亜人の公用語であるパンタジア語で、「ナナシル・イェシナ」という。

 

縮めてナシナと呼ばれるこの小さな魔導書は、身分証明書兼クレジットカード兼スマホみたいなアイテムだ。

 

指紋認証ならぬ魔力紋認証で使う。

 

電話もできるしメールも送れる。株もできるし、ゲームもできる。写真も撮れて、メモも書ける。

 

見た目は完全に大きめのスマホ。表面の革の表紙に触れると、魔法式が起動して、15センチ四方くらいの立体画面が出る。

 

そのホーム画面から色々弄れる。

 

魔力による操作と、立体画面の直接タッチ両方で動かせる。

 

だが、ナシナ同士を繋ぐサーバーがないので、機能の大半は使えない。

 

通話はできるが……、通話魔法が使えるから、あまり意味はない。

 

まあ、ナシナの通話の方が音質とか良いけど。

 

だから、こっちの世界に戻ってきてからと言うものの、ナシナはまるで使っていなかった。

 

写真とかも普通にカメラで撮ってたし。

 

何せ、ナシナのデータをこちらの世界の電子データにする方法はないからな。

 

魔法は、0と1の情報の塊じゃない。魔法的な物品を科学にコンバートすることは難しい。いや、できなくもないが、わざわざそれを何十年もかけて研究する意味がない。

 

「そろそろ秋だなー」

 

「そうね、天皇陛下から勲章みたいなものがもらえるんでしょ?」

 

「ああ」

 

「そしたら、次はどうするの?」

 

「んー、エジプト」

 

「そう、楽しんできなさい。エジプトって、何が美味しいのかしら……?」

 

「水タバコ、チョコレート、ハイビスカスのお茶、あとは豆とか?」

 

「あ、水タバコは欲しいわ、買ってきて」

 

「了解」

 

そんな訳で、天皇陛下から褒章をもらって、エジプト行きのために色々と準備を。

 

予防接種とかしなきゃならないし、なんだかんだで一週間はかかりそうだ。

 

だから、その暇な期間は、またもや動画作り。

 

今回の題材はそう、音楽だ。

 

 

 

うちの嫁はみんないいことの子だから、音楽やら何やらの教養がある。

 

馬鹿そうに見えるルシアやレイラも、低く見積もっても東大の首席より賢いし、王室並の教養もある。

 

だから、歌が上手いし、楽器もできる。

 

と言う訳で歌わせてみた。

 

楽器やコーラスはメイド部隊にやらせる。

 

それぞれの嫁に、それぞれの種族の古語で歌わせる。

 

銀狼族のルシア。

 

題名は「ガオ・ルギア」、和訳して獣の王ってところか。

 

銀狼族などの狼人族系統が使っていたというガオ語で歌ってもらう。

 

使われる楽器は弦楽器と管楽器を中心にドラムなど。

 

『獣の王よ、地を駆けろ!草の山を薙ぎ倒せ!獣の王よ、雄叫びを上げろ!勇士を統べて悪を倒せ!』

 

曲調はユダヤ音楽に酷似している。

 

うんまあ、分かりやすく言えば、曲の内容と曲調はほぼ、一昔前のロボットアニメみたいな感じだ。

 

テレジア、魔人族の音楽はバリバリにロックだ。ギターみたいな弦楽器と、8ビートから16ビートほどのハイテンポなドラムに乗せて、セックスやら酒やら麻薬やらの反社会的な内容についてノリノリで歌うものだ。

 

仕方ないんだよなあ、魔人ってそういうもんだし。テレジアはあれでお上品な方だぞ?一途で貞淑だし。……魔人族基準では。

 

歌詞はこんな感じ。

 

『今夜はどう?妻のことは一晩忘れて、私の上で踊ってみない?月のない夜よ、誰も見てないわ、逞しいのが欲しいのよ!』

 

最低である。

 

蛸人族のオリヴィエ。魚人系の歌は、楽器を使わない賛美歌のようなものが多い。そりゃそうだ、海の中で楽器なんて使わないからな。岸で一休みしている魚人族が、海を讃えるために歌ったのが始まりとされている。

 

龍人族のグロリア。龍人の音楽は、龍琴という弦楽器を弾いて音を出す。それに太鼓と角笛などを合わせる。

 

例えられないような……、強いて言えばアジア系の音楽だ。始まりは、戦士を鼓舞するために歌うようになった、ということらしいので、内容は武闘派。

 

九尾族、カエデ。もう何にも言うことがない。歌詞は違うが、曲調や内容は殆ど日本の古典民謡と同じだ。ほぼ雅楽。

 

音楽の発祥も、元からあった詩に音楽をつけたもの、といった感じだ。

 

鳥人族のレイラ。鳥人族の歌は、基本的にラブソングだ。そして、楽器は使わない。というより、両腕が羽の鳥人にどうやって楽器を使えと?

 

鳥人族がラブソングを好むのは、元々、鳥のモンスターだった頃の、求愛の為に鳴くという性質の名残だからだと言われている。

 

俺も実際、レイラに告白されるときは歌われた。

 

歌詞はこんな感じ。

 

『愛しています、愛しています。ずっとそばに居て。あなたが居ないと私は虚ろ。燃える愛であなたを包む』

 

こんなんだから、割と鳥人族はロマンチストが多い。

 

粘水族のベータ。粘水族は例によって、スライムの身体なので楽器は使えない。歌は……、死ぬほど暗い内容と曲調だ。

 

まあ、粘水族は基本的に不死だから、どうしても別離などを歌った暗い内容になってしまうのは仕方がないのかもな。

 

不死者も基本的に暗くて不気味な歌を歌う。

 

角馬族、エリーゼ。草食系獣人は基本的に、祖霊を奉るファンファーレだ。

 

ラッパやバイオリンのような楽器をたくさん使い、祖霊に感謝を捧げる内容だな。

 

花人族のアウレーリア。植物人はまあ、何というか、サンバのような陽気な音楽だな。

 

自然に感謝するために歌うんだとさ。マラカスやタンバリンみたいなの、高い音の出るギター、太鼓などを使って、ダンスと共に歌うんだよ。

 

ダンスが割とエロい感じだ。

 

森人族のアニエス。森人族の音楽はミュージカルだ。

 

基本的に、森人族は演劇から始まった。何かを真似る、演じることが文化の始まりだったんだな。節分のような、良くないものに扮した森人に、鏃に布を巻いた矢を射かけて追い出す行事である「ヘストロ・クェバゼ」は、現在でも行われている。

 

つまり、劇が基本の森人は、音楽も劇に準じたミュージカル的なものになる。

 

歌の内容は、自然への感謝だな。

 

主演の森人が自然の化身に扮して、他の森人から讃えられ、森人の讃えに対して、自然の化身に扮した森人が感謝を返す……、と言った内容だ。

 

鉱人族エスメラルダ。鉱人族は沢山の太鼓を使った、アフリカ圏のような民族音楽を奏でる。

 

内容は大地への讃歌。

 

ドワーフは、あまり音楽に造詣が深い訳ではないので、凄い音楽ではない。

 

蜘人族のイルル。虫人の音楽はもう完全にバリバリのジャズだ。

 

低めの声で、愛する人々や、何のことはない日常、夢と希望、そう言った明るいことについて楽しげに歌う。

 

全体的にムーディな曲調で、色々な歌を歌う。

 

 

 

まあ、音楽についてはこんなものか。

 

色々な種族に色々な文化があるってことだ。

 

褒章ももらって、予防接種もした。

 

さあ、エジプトに行こう。

 




久しぶりに好きだったマイクラ動画をチラッと見返した影響で、クラフトゲーム的な能力を持った主人公君がファンタジー的な異世界で亜人と建国する話を書いてます。

やっぱりベッタベタのテンプレなろうチートssは……、最高やな!

だがプロットは考えてないので、今考えよう。

そうだなあ……、主人公、三十四歳独身、社会人生活に疲れ切って、数年前に北海道の田舎町に楽隠居。脱サラ農家という修羅道でも成功するくらいの有能マン。猟師兼農家として、ゲーム実況や狩猟動画をユウチューブにアップして、月十万円くらいの広告収入と、農家としての収入で、割と豊かに暮らしている。地元猟師さんとエゾシカやヒグマを狩っているので、生き物を殺す覚悟はあるし、グロ耐性や、山の厳しい環境にも耐える身体とメンタルがある。大学は経済学部で、元は大企業の商社マンだった。コミュ力は高いが、相手に合わせるのは疲れる。見た目は作者が好きそうな黒髪ロングのハンサムな大男。

名前は晴嵐。

以降、この作品の主要人物の名前には戦闘機のコードネームをつけよう。ジークとかジャックとか。

プロットは……、どうしようか。

高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に書く主義なんで変わるかもしれないけど、一応考えよう。

主人公君、プレイ中のマイクラみたいなゲームに『異世界転生MOD』をぶち込む。

当然のように異世界転生。謎の森の中にドン。

「あ!ここ進研ゼミでやったところだ!」みたいなノリで能力発覚。その辺の草から野菜の種が出てきて、木を殴れば果物と木材がポコっと出てくる。

それを見て、とりあえずの目標に、昔入れた記憶のある『異次元超越MOD』を使って元の世界に帰ることに。

しかしそのためには、核融合炉や縮退炉を作って、物質生成装置や量子コンピュータ、賢者の石にアカシックレコード接続器、人工脳演算回路、次元連結システムなどを作らなきゃならない。道は果てしなく遠い。

とりあえず、できることからやっていこうと考えて、農作と中立の食用モンスター狩り。そして鉄を求めて地下へ。

地下でたまたま、狼型のモンスターのスポーンするモンスター発生装置を発見。大怪我しながらもモンスターを倒して装置を入手。怪我もほっとけば治る。鉄ゲット、鋼装備と革装備を作る。

モンスターの皮紙と植物からとったインク、モンスターの魔石から、読むと能力が得られるスキルブックを作成。火属性魔法と剣術を修得。

なろう系ケモミミ何かと主人公をヨイショしてくる奴隷獣人美少女が逃げてくる。例によって獣人の中でも稀少な貴人。森の主人公君のログハウス前で力尽きる。

主人公君、百パーセント面倒事だと見抜き、獣人美少女が起きる前に遠くに捨ててくる。最低限の施しとして、水の入った水筒とサンドイッチが入った袋を隣に置いて、獣人美少女が逃げてきた方向と違う方向に逃げる。ログハウスや畑は破棄。

美少女からは逃げられない!なろう主人公だもんげ!獣人美少女に匂いで居場所がバレる。こっそりとついてきちゃった獣人美少女。厄ネタの匂いがするズェ……。

厄ネタなんで帰ってもらう。しかし、行き場がないのでどうか養ってほしい、何でもするとか言い始める獣人美少女。本格的にめんどくさいのでお断りするが、勝手についてくる。

まあNPCおらんと作業効率ガタ落ちやし……、と自分を納得させて、獣人美少女をこき使う。しかし、日本の労基を守った仕事とは、この世界の使い潰し前提の亜人奴隷の扱いよりもはるかに良かった。獣人美少女はちょろいのでベタ惚れしてくる。

聞けばこの辺りは、入ったら危険な未開の森らしい。この大陸はそもそも亜人の国だったらしいが、北にある人間の大きな大陸からの侵略でズタズタ。亜人は捕まって奴隷にされる。可哀想だね。

まあ知らんけど、異次元超越のための機材を作るために開拓しなきゃ(使命感)。森を開拓しているうちに、亜人がぞろぞろ逃げてくる。クソめんどくさい、関わりたくない。だけど聞いた限りだと、侵略してくる人間の国家に捕まれば一生タダ働きで使い潰されるやろなあ……。

しゃーない、切り替えてけ。亜人を集めて武装させて兵隊を作る。

そして侵略を繰り返して……、みたいな?

あんまり考えてないです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。