ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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俺がトリステイン貴族なら、限界まで搾取して金を確保してゲルマニアに亡命して隠居しますね。


13話 無能姫の任務

あなたは、水の精霊の言う侵入者の排除ということで、久しぶりに人を斬れることになってウキウキな気分だった。

 

しかし。

 

「あら?ダーリン?」

 

「ご主人様……?」

 

侵入者はキュルケとタバサだった。

 

あなたは、ふむ、と頷くと、少し考える。

 

タバサ、何故ここへ?

 

「前に説明した、実家の命令」

 

成る程。

 

確か、タバサは、実家のガリアの姫君に良いように使われているらしい。

 

その件でだろう。

 

キュルケはそれの付き添いといったところか。

 

心情的にはタバサの味方をして水の精霊とやらを殺した方が良いのだが?

 

「よ、良くないわよ!そんなこと、絶対に駄目よ!」

 

と、モンモランシー。

 

「水の精霊が湖の水量を増やすのをやめるなら、殺す必要はない」

 

と、タバサが申し出てきた。

 

面倒だから殺してしまった方が楽では?と思ったが、どうやら、殺しても死体は残らないと思われるらしい。

 

つまり、殺したことの証明ができないのだ。

 

それならば、殺したかどうかも分からない相手を態々殺す必要もない、とはタバサの談だ。

 

一理ある、と考えたあなたは、水の精霊をもう一度呼び出させる。

 

『な、なんだ、恐ろしきものよ』

 

ラグドリアン湖の秘宝とか言ったな、見つけたら貰うぞ。あなたは宣言する。

 

『ひっ、わ、分かった、秘宝、アンドバリの指輪は渡そう』

 

それと、湖の水量も戻せと脅しつける。

 

『も、戻す。秘宝が二度と戻ってこないと分かった今、水量を増やす理由はない』

 

他に価値あるものがあれば寄越せと伝える。

 

『な、ない、何もない!』

 

そうか、それは残念だ。

 

あなたは少し落胆すると、水の精霊から興味を失った。

 

「そ、その、あ、あなた」

 

なんだろうか、モンモランシーとやら。

 

「あなたは沢山のマジックアイテムを持っているんでしょう?な、なら、何か、代わりに渡したりとか、するべき、なんじゃ」

 

……つまりは、トレードか。

 

確かに、冒険者同士で持ち物のトレードはよくやった。

 

今回、水の精霊から秘宝を貰うのであれば、代わりに何かを渡すのはおかしくない、かもしれない。

 

しかしそれは冒険者の理屈だ。

 

冒険者ではないこの水の精霊に何かを渡す必要があるとは思えないが。

 

「うっ、で、でも、秘宝は本当に凄いのよ!タダで貰うのは厚かましいんじゃ、ない、かしら?」

 

ふむ……。

 

『……秘宝は、長い間、我と共にあった、大切なものだ。せめて、大事にしてもらいたい』

 

あなたにとって、たとえ生き武器であっても、道具は道具だ。

 

そして、アーティファクト集めは趣味だ。

 

しかし、道具を愛用する気持ちくらいは理解している。

 

……あなたは、いくつかストックしてある、★エーテルダガーを手渡した。

 

一応、アーティファクトを渡しておいて、トレードという形にしておくことにしたのだ。

 

『こ、れは……!素晴らしき秘宝だ!』

 

トレードだ。あなたは宣言した。

 

『これほどの秘宝を渡されるのであれば、我の秘宝を渡しても構わないだろう』

 

トレードは成立した。

 

 

 

「うわああああああん!!!うわああああああああん!!!」

 

惚れ薬の解毒薬を飲ませたところ、ルイズは突然泣き崩れた。

 

「わ、私、もう、生きていけない!!こいつに、あんな酷いことされて!!生き恥よ!!」

 

何のことだろうか?

 

あなたは何もしていない。

 

「ふざけないで!私に、あんなことをしておいて、よくも!!!」

 

あんなこととはどんなことだろうか?

 

あなたは普通の対応しかしていない。

 

「犯したでしょう!街中で!無理矢理に、何度も!!」

 

お前も楽しんでいただろう?どうだった?とあなたは聞き返す。

 

「ーーーッ!!!」

 

今にも憤死しそうな様子のルイズ。

 

あなたは、それを見て笑った。

 

「もう、もう嫌よ、これじゃ私、お嫁にも行けないわ!!」

 

貰ってやっても良いぞと、あなたは気を利かせた。

 

「誰があんたなんかにッ!!」

 

と、ルイズと歓談していると、あなたの感知網に人が引っかかる。

 

窓が開き、人が侵入してきた。

 

この匂いは、無能姫か。

 

よう、無能。

 

あなたは気さくに話しかけてあげた。

 

「えっ、あっ、わ、私は無能じゃ」

 

無能だろう、この国の傾きっぷりを見ればそれがよく分かるとあなたは伝えた。

 

「う……、そ、そんなこと……」

 

「え、あ、姫様?な、何故ここに?」

 

「あ、はい、その、実は、ルイズにお話が」

 

「?何でしょうか?」

 

その時、あなたの勘が叫ぶ。

 

面倒ごとだ、介入しろ!と……。

 

 

 

結果、やはり面倒ごとであった。

 

無能姫は、滅亡寸前の王家に行って手紙を回収してこいとのことだった。

 

流石のあなたも、ここまで頭の悪い女とは関わり合いになりたくないレベルだ。

 

子供でも分かるくらいに難しい任務に、子供のルイズを送り込む気でいるとは。

 

おめでたい頭を通り越して壊滅的だと言っていいだろう。

 

こんなのがトップでよく国が保っているなとあなたは逆に感心した。

 

「分かりました、姫さまのためならば!」

 

あなたは、金貨三千枚を要求した。

 

「さ、三千……?!そ、それはちょっと」

 

なら別の奴に頼めばいいとあなたは拒否した。

 

「何言ってんのよ!姫様の命令なのよ?!タダでもやるのが正しい貴族でぐぇ」

 

あなたはルイズに腹パンして黙らせると、一国の姫君の密命ならばそれくらいは出してもらわなくては困ると告げる。

 

「で、ですが」

 

出さない場合はこの密命について、街中で喋ってしまうかもしれないとあなたは言った。

 

「そ、そんな!脅すのですか?!」

 

あなたは、さあ?ととぼける。脅しだと思うのか、と。

 

「うっ、わ、分かりました……」

 

それとついでに、国宝か何か、アーティファクトを寄越せと伝える。

 

「で、ではこの、水のルビーを」

 

『★水のルビー』

 

……それは、虚無を覚醒させる?

 

面白そうだ、もらっておこう。

 

「そ、その、宝も渡しましたし、金貨も……、なんとか用意します。ですから、お願いです、先程の任務を……」

 

あなたの感知に先程から何かが引っかかっている。

 

あなたは、ドアに向かって銃を撃った。

 

「ぎゃ」

 

そこには、頭が吹き飛んだ、恐らくはギーシュとやらが。

 

「あ、あんた……!!!」

 

「ひぃっ?!!」

 

なんだ、とあなたはため息を吐くと、蘇生の呪文を唱えた。

 

 

 

「そ、その任務、是非この僕、ギーシュ・ド・グラモンにも仰せつかって下さい!!」

 

どうやら、一瞬で死んだからか、自分が死んで生き返ったことを知覚していなかったようだ。

 

実におめでたいやつだとあなたは笑う。

 

「貴方はあのグラモン元帥の……?」

 

「息子でございます!」

 

……どうやら、このアホもついてくるらしい。

 

話をまとめると、内情ガタガタの滅びかけ、アルビオン王国から、手紙を回収すること、らしい。

 

あなたが思うに、その手紙は恋文などのスキャンダラスな内容なのだろうと察した。

 

そこであなたに天啓が舞い降りる。

 

手紙の現物を手にして王家を脅せば、もっと大量の金貨とアーティファクトを得られるのでは?と。

 

あなたはこっそりほくそ笑むと、明日から仕事に取り掛かると約束した。

 




原作小説持ってないんで、アニメ版を基にしてやっていきます。

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