ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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さーて、怒られたらどうしよう!


80話 日本の外交 前編

「跡部総理!」「亜人大陸について、国土交通省はインフラの輸出を……」「いや、それよりもファンタズムマテリアルの輸入を!」「外貨がないだろうが!」「そもそも国家として認められない!」

 

ああ、なんてことだ。

 

これが日本の政治家だと?

 

確かに、いきなり太平洋に大陸ができたことは埒外のことだ。

 

けど、こういう緊急事態の時こそ、皆で一丸になって、問題解決をしなければならないんじゃないのか?

 

主に騒いでいるのは共産党や民権党、そしてれいわ見廻組などの怪しいやつらだ。

 

こいつらが大暴れして、閣議を妨害している。

 

民権党の悪名高い倫舫議員が叫ぶ。

 

「中国や韓国に対して国交をしないと宣言した野蛮な国家と国交はあり得ない!あり得ない!」

 

ああ、クソ!

 

何があり得ないだ、この売国奴め!

 

分かっていないのか?

 

相手の建物やインフラは確かに中世ヨーロッパのような古めかしいものなのだろう。

 

しかし、魔法という全く未知の技術を持ち、革新的な新素材を生産でき、その上軌道エレベーターを月に繋げて、月に街を作っているような高度な技術を持つ知的生命体だぞ?!

 

それに対して、何故こうも上から目線でものが言えるんだ?!

 

松本史郎の馬鹿は、気に食わない閣議だと、閣議の進行書を力尽くで奪うわ、民権党は女性議員を盾にして「触ればセクハラ!」とか言って、とにかく閣議を妨害してくる。

 

大西ひろかずとか言うアホは、総理に向かって謎のクイズを出して答えられないと馬鹿にするゴミクズ野郎だ。

 

何でだ、何で日本が大変な時に、皆で協力することができないんだッ!!

 

「座ってください!静粛にしてください!」

 

跡部総理が必死に呼びかけるが、民権党や共産党はまるで躾のなっていない子供のように大騒ぎしている。

 

クソ、畜生!

 

私の読みでは、ここが時代の分け目だ。

 

ここで、亜人国家と友好的な関係を結べるかどうかで、日本がどうなるか決まると言っても過言じゃないだろう。

 

日本のスパイは、アメリカが鎧嶺二氏から受け取ったり、魔導具店から買い取ったファンタズムマテリアルの研究に膨大な予算を注ぎ込んで、既にある程度の研究成果を上げているという情報を掴んでいる。

 

エジプトは、四年前と比べるとGDPが二倍に跳ね上がっているんだぞ?魔法技術でな!

 

幸い、中韓は、魔法や亜人について敵対的な態度を取っているので、仮想敵国である中韓の魔法による経済、軍事的な進歩はないだろうが……。

 

とにかく、今は、魔法技術の獲得が、日本の行く末を決めると言っても過言じゃない!

 

私は手を挙げて、発言した。

 

「外務大臣の河内次郎です」

 

「河内外務大臣、発言をどうぞ」

 

「跡部総理。私が、亜人国家に直接出向きます」

 

騒めきがピタリと治る。

 

「そ、れは」

 

「跡部総理、事は外交です。私が直接、亜人国家に行き、情報を集めた上で、友好条約を結びます」

 

再び騒めく議事堂。

 

ここで、友好条約を結ぶと大言壮語を吐いておいて、失敗すれば、政治家生命に関わるだろうな。

 

「河内外務大臣……!危険です!」

 

跡部総理が警告して下さるが、私の意思は固い。

 

「……!私は河内外務大臣に賛成します!」

 

売国政党の民権党、倫舫が言った。

 

私が失敗して失脚すれば良いと思っているのだろう。

 

暴れる民権党議員達が挙って賛成して、閣議がまともに進み、私は外相として亜人国家へ行くことが決定された……。

 

 

 

そして、七月。

 

私は、亜人国家へ足を踏み入れる……。

 

 

 

飛行機は、亜人国家の見えない壁にぶつかるので、船での移動になる。

 

一応、各種予防接種と、外交官の使節団に医師がいる。

 

それでも、未知のウイルスなどに感染すれば……。

 

だが、薬品の持ち込みは許可された。

 

私もかつて、中東に仕事で出向した時に、伝染病にかかり地獄を見た記憶がある。

 

生きて帰らねば!

 

 

 

見えない壁が一瞬消えて、その隙に私達、使節団を乗せた船が、亜人大陸に入る。

 

亜人大陸の領海に入ると、木製のガレオン船が二隻待ち構えていた。

 

そして、ガレオン船の甲板から、何かが飛来してくる。

 

攻撃かと焦ったが、甲板に飛んできたのは、一人の亜人だった。

 

「な、何事ですか?!」

 

私が、前に出て話をする。

 

幸い、亜人は日本語を話せるように学んでおいてくれたらしい。

 

「何事か、だァ……?オメエらふざけてんのか?!」

 

虎のような特徴のある巨漢の亜人に怒鳴られる。

 

かなりの迫力だ。

 

私は、震えながら言葉を返す。

 

「い、至らないところがあれば謝罪しますが……、一体何が?」

 

「この船だよ!何でちゃんと戦艦で来ないんだ?!海を舐めてんのかテメエら!」

 

せ、戦艦?!

 

「こんな薄っぺらな装甲の船じゃすぐに沈むぞ!」

 

まさか、あり得ない。

 

外交官に戦艦に乗って来いだと?!

 

そんな威圧的なことができるか!

 

「ベスティエには魔導師は多くねえ、こんな泥舟を守りきることは難しいぜ……。クソが、魔導師を呼ばなきゃならねえや!」

 

そう言って、虎のような男は、小さなスマートフォンのような物を取り出す。

 

まさか、電話?!

 

やはり、高い技術力が……!

 

すると、男の目の前に、立体映像が現れ、男がそれをタッチすると……。

 

『はい、もしもし?どうした、バグネル』

 

「オウ、マクドネル少将閣下よぉ、日本の使節団の船が脆すぎるんだ。防護レベル0相当だぜ」

 

『成る程、狐人族の魔導師を転移させる。階級はお前の一つ下の中佐だ』

 

「頼んだ」

 

立体映像の実用化、スマートフォンの存在……?!

 

それに、階級ということは、近代的な軍隊も持つのか!

 

「はい、来たよ!」

 

「んお、ゾラか」

 

そして、黒い渦から現れる、狐の特徴を持つ女。

 

「バグネルじゃん、おはよー」

 

「おう、おはよう。ゾラ、この船を守れ、良いな?」

 

「はいはいー」

 

軽いやりとりの後、私達日本の使節団の船に何らかの魔法をかけて、船の甲板の上に、どこからか出した安楽椅子に座って寝ている狐の女性。

 

「あ、あの……?」

 

「んあ?着いた?」

 

「い、いえ、その」

 

「ベスティエに着いたら起こしてー、それまで私はお昼寝してるからー」

 

あ……。

 

寝てしまったようだ。

 

無理やり起こすのも悪いな。

 

にしても……、明らかに木造のガレオン船が、最新式の艦艇であるこの船の隣をぴったりと着いてくる……。

 

恐らく、見た目は古式なガレオン船でも、中身は別物なのだろう。

 

「むにゃ……!!感知に引っかかった!この生命反応は……、シーサーペント!『アラーム』!!!」

 

突然飛び起きた狐の女性が叫ぶと、大音量のブザーのような音が鳴る。

 

「な、何事ですか?!」

 

私は問いかけたが……。

 

「シーサーペントって言ったじゃないの!ほら、揺れるわよ!」

 

「何を……、うわあああ!!!」

 

船が傾く。

 

すると、三十メートルはあるかと言うほどの大きな海蛇のような化け物が、今まさに、我々の船に襲いかからんとしていた。

 

「あ、あああ……!!!」

 

私達、日本の使節団が腰を抜かしていると、狐の女性が、いつのまにか持っていた、宝石の埋め込まれた長杖を振り回して魔法を使った。

 

「『ディバイドマジック』『マジックアロー』」

 

光の矢が十本程飛んでいき、海蛇の怪物の顔に突き刺さる。

 

『ギィアアアアア?!!!』

 

隙を作った狐の女性は、更に呪文らしきものを唱える。

 

「『来たれ旋風、風拳!大気よ固まれ風の豪腕!呼び出したるは巨人の嚔と風龍の羽ばたきなり!』」

 

五秒ほどの呪文の後に、叫ぶ……!

 

「『ストームブラスト』ォ!!!」

 

恐らくは風……、空気の塊が、巨大な海蛇の怪物を吹き飛ばした!

 

そして、ガレオン船の横側からレーザービームが発射され、海蛇の怪物の首を切り裂いた!

 

「う、あ……」

 

「はひー、危ないなぁ、やっぱり弱そうな船は狙ってくるかー」

 

「あ、あれは?」

 

「モンスターだけど?ああ、そっか、この世界にはいないんだっけ?安心しなよ、モンスターはこの亜人大陸の周りから出られないように閉じ込められてるから」

 

な、なんてことだ……!

 

 

 

そもそも、「住む世界が違う」んだ……!

 

文字通りの意味で!ここだけまるで別の世界だ!

 

つまり、「我々の常識が全く通用しない」んだ!

 

参った、こんな人々とどうやって外交すれば良いんだ?!!




ここら辺から段々と話が詰まるんだよなあ!!!

外交と文化の説明について面白く書けにい!!!

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