ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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なんJ民格ゲーマーの転生者がBBのアズラエルになってHSDDでタイガーコブラレオパルドする話です。

(淫夢要素は)ないです。


ハイスクールJ×P
なんJ・フェニックス


兵藤一誠は困惑していた。

 

紆余曲折あり、人間から悪魔に転生した高校二年生である彼には、目の前のこの男の言葉が信じられなかったのだ。

 

それもそのはず、兵藤一誠は、自他共に認めるスケベ男。

 

自らの敬愛する上級生にして、この学園のアイドル、その上自分の主人でもある悪魔、グレモリー家の令嬢、リアス・グレモリーに対して……、

 

 

 

「申し訳ないがイメクラ嬢みたいな女はNG」

 

「は……、はぁぁぁぁぁぁ?!!!!」

 

 

 

……このような物言いをする男がいるとは。

 

「あ、あ、あ、貴方はねぇ!!!だ、誰がイメクラ嬢よ!!!」

 

「お前やぞ」

 

そもそも、婚約者がいたことも驚きだったが、こんな野蛮そうな男が、この気品ある主人の婚約者であることにはもっと驚いた。

 

筋骨隆々、青くて長い髪、鋭い瞳に、意味ありげな刺青……。正直言って、怖い。

 

「お前乳と顔くらいしか良いとこないやんけ。性格クソやし。他にもっと良い女おるやん!チェンジで」

 

「はあぁぁぁ?!!!喧嘩売ってるのかしら?!!!」

 

加えて、この男が連れてきた眷属達も異様な姿だった。確かに、全員が美しい女性で、ハーレムを目指す兵藤一誠にとっては羨むものだったが……。

 

 

 

「ふっふっふっ、彼が楽しそうで何よりよ。……ではここで一句。『人生は 私好みの 流れ弾』……、んー、ダンディね……」

 

燕尾服にモノクル、赤マントの女が、キセルを咥えながらいきなり俳句(?)を詠む。

 

「チッ、ただ婚約を破棄するだけだろう?こいつが態々出向かずとも書面で……」

 

愚痴を言う女は、真っ赤なバンダナにまるでライターのような剣を携えている。

 

「まあまあ、そうイライラしないの、カーラマイン?一応の義理立てって大切よ?」

 

それを嗜めるのは、青いチャイナ服に白いシニョン、おまけに棘のついた黒金の腕輪をつけた女だ。

 

……キャラが、濃過ぎる。主人もそうだが、その下僕の女達も……。

 

 

 

 

 

「ほーん、紅茶?……あれやな、午後ティーよりかは美味いんちゃう?ま、紅茶とか飲まんから味なんて分からへんけど」

 

「痛み入りますわ」

 

リアスの女王、姫島朱乃は、いつものような温和な笑みを浮かべ、しかし溢れんばかりの苛立ちを隠しながら、紅茶を淹れている。

 

当たり前だ、自らの親友であり主人である、リアスの婚約者がこんな男なのだ。苛立たない方がおかしいというものだ。

 

「ええやん、これなら結婚してもなんとかやってけそうやんけ」

 

「良い加減にしてちょうだい!!」

 

「は?」

 

「ライザー!以前にも言ったはずよ!私は貴方と結婚なんてしないわ!」

 

「こっちの台詞なんだよなぁ……。俺もイメクラ嬢と結婚とか(したく)ないです」

 

「誰がイメクラ嬢よ!!!」

 

「お前やぞ」

 

「きぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

まるで格ゲーマーのような煽りをガンガンいれるライザー。

 

……ライザー・フェニックス。

 

この、リアスの通う学園の旧校舎の一室、オカルト研究部と表面上は取り繕っているが、実質はリアスの悪魔としての拠点。

 

その拠点、言わば本拠地に、突如魔法陣によって現れたこの悪魔こそ、フェニックス家の跡継ぎであるライザー・フェニックスに他ならない。

 

「いやー、俺も結婚とか(したく)ないんやけど、パッパが結婚せんと縁切るって言うし」

 

「理由ゥー!!そんな理由でここに来たの?!!!」

 

「当たり前だよなぁ?実家でダラダラできないならもう死ぬしかない(確信)。ええやん、お前ん家金持ちやろ?養って、どうぞ」

 

「お断りよぉーーー!!!!」

 

……残念ながら、このライザー、ゴミクズである。いや、悪魔であるが故に、その生き方はある意味正しいのかもしれないが。

 

しかし、兵藤一誠には不思議でならなかった。金欲しさに嫌々結婚するなどとのたまう、正真正銘のカスが何故、自らの主人の婚約者なのか……。

 

すると、それを察したのか、兵藤一誠と同じ、リアスの下僕である木場祐斗が耳打ちをした。

 

その内容は、要約すると、先の大戦で多くの純血の悪魔達が死んだ分、純血の悪魔を増やすことは魔界の最重要事項。故に、純血であるリアスとライザーが結婚することは親世代の悪魔の望みだと言うこと。

 

だがしかし、元はこの時代の一般人であった兵藤一誠にとって、親の命令で結婚相手を決めることなどあってはならないことだと思った。

 

それに、何よりも、敬愛するリアスがあんな男のものになるなど、考えたくもなかった。

 

「あのさぁ……。俺も(遊ぶので)忙しいんだよなぁ。ちょーっと結婚してちょーっとガキ作ればそれで良いじゃんアルゼバイジャン。パパパッとヤって(意味深)終わりっ!!」

 

「……テメェ!!さっきから聞いりゃ!!」

 

いわゆる、堪忍袋の緒が切れた、と言うものだ。むしろ、今までよく我慢したと言えるかもしれない。

 

怒りに燃える一誠は、あの憎きライザーの横っ面を殴りつけてやる為に大きく踏み込んだ。

 

悪魔に転生してからまだあまり経ってはいないが、その踏み込みは確かに早いものだ。少なくとも、並みの人間の域は超えているだろう。

 

 

 

しかし、もちろん……。

 

「ディバウアー!!!」

 

ライザー・フェニックスには届かない。

 

 

 

ライザーを庇うように前に立ったのは鮮烈な紫。

 

身の丈以上の大鎌を持ち、紫のコートを着た女だ。

 

「はぁ、旦那様に近づかないでよ、この変態」

 

「ミラネキ、迫真の大鎌。殺したら怒られるの俺なんだよなぁ。手加減してくれよー、頼むよー」

 

「もちろんよ、旦那様!」

 

「くっ、邪魔するなよ!」

 

一誠は歯噛みした。こんな美しい女性を傷つけることは出来ないからだ。無類の女好きである一誠にとって、女性は守るべきもの。手を挙げることなどできようはずがない。

 

だが、それを抜きにしても……、

 

「聞こえなかった?近づかないで」

 

「ぐっ、はっ?!!」

 

ミラは強かった。

 

それこそ、一誠が全力で戦っても、まるで敵わないほどに……。

 

「(まるで動きが見えなかった……?!それに、パンチも重い!!)」

 

「……あのさ、見れば分かるでしょ?旦那様には……、ライザー様には敵わないって。……ああ言っているけどさ、ライザー様は優しいし、リアスさんを悪くはしないわよ」

 

「う、うるせぇ!どうせ部長と結婚したって、他の子とイチャイチャするつもりなんだろ!!!」

 

「……あんた、さっき自分が言ったことも思い出せないの?自分だってハーレムがどうとか言ってたじゃない」

 

「……ぐっ」

 

冷ややかな目を一誠に向けるミラ。

 

まあ、ハーレムを目指すものが、ハーレムに文句を言うのは筋違いかもしれない。

 

「だ、だけど、こんな男と一緒にいたら……」

 

「あら?私は幸せよ?確かに旦那様は、普段はぐうたらで遊んでばっかりだけど……、強くてカッコよくて器もデカイんだから。……大体、旦那様だって本意じゃないのよ。グレモリー家とフェニックス家が騒がなかったら、結婚なんて……」

 

悔しそうな表情のミラ。

 

……実のところ、この縁談を取り決めたのはグレモリー、フェニックス双方の家だ。本人達にその気は全くない。

 

しかし、このライザーは自分の立場を守るため、嫌々ここに来たのだ。

 

確かに、実家から勘当されればぐうたら出来ないというのもあるが、それ以上に、フェニックスの名を失えばライザーは自分の眷属達を路頭に迷わせてしまう。

 

ライザーは、自らの眷属に苦労をかけること、それを何よりも嫌うのだ。

 

もっとも、それを口に出すことはないが……、

 

「(……本当、カッコいいんだから)」

 

眷属達はそれを良く理解している。女とは、そういうものだ。

 

「だ、だったら!結婚なんて断れば!!」

 

「無理よ、旦那様にも立場ってもんがあるのよ」

 

「そんなものの為に!!」

 

「でも、悪魔の社会で生きていく上で必要なことよ。……むしろ、貴族に生まれておいて、その責務を果たさずに、自分の好きな人と結婚するとか言ってる方がおかしいわよ」

 

「……なんですって?」

 

さりげなく、リアスを煽るミラ。

 

一触即発の雰囲気。

 

 

 

「そこまでです」

 

そこに、一言。

 

静かで、それでいて有無を言わせぬ威圧感のある一声。

 

現魔王の妻にして、リアスの義姉。

 

そして、魔界で知らぬ者はいない、最強と謳われる女王。

 

グレイフィア・ルキフグスの言葉であった。

 

 

 

「……誰や姉ちゃん」

 

「ライザー様、グレイフィア様です!現魔王様のお妃様ですよ!何で知らないんですか?!」

 

ライザーの隣についている女、ユーベルーナが耳打ちした。

 

「ほーん、お偉いさんやんけ!……何でここにおるん?」

 

「リアス様の兄君は現魔王のルシファー様なんですよ!!」

 

「マ?」

 

「マジです!!」

 

「草草アンド草。一般通過メイドかと思っとった」

 

「もー!!」

 

「……良いですか、ライザー様?」

 

先程の朱乃のように、苛立ちを隠しつつもライザーに声をかけるグレイフィア。

 

「何?」

 

「ライザー様敬語!!」

 

 

 

……軽いやり取りの後、グレイフィアが告げたこと。

 

それは、「レーティングゲーム」の提案……。

 

レーティングゲームとは、爵位を持つ悪魔が、自らの下僕を戦わせるゲームのことである。

 

「分かったわ、そのゲーム……、受けて立つわ!!」

 

「ッ、リアス、分かってるの?!ライザー・フェニックスは……!!」

 

朱乃の言葉も無理はない。

 

ここにいるライザーは、公式のレーティングゲームの経験があるのだ。

 

精々、はぐれ悪魔の退治くらいの戦闘経験しかないリアス達は圧倒的に不利、それは自明の理だった。

 

「レーティングゲーム?なんやそれ?」

 

「ライザー様!アレですよ、あの、私達が戦うやつです!」

 

「あー、アレ?俺座ってるだけのやつね、はいはい、分かった」

 

「もー!!」

 

 

 

……ライザーは、「おっ、いかんいかん、これから中日ドラグーンズの試合やから。ほな、また……」と言い残してオカルト部部室を去って行った。

 

まるで、嵐のような男だ、と、一誠は思った。

 

だが、立場の為にリアスを欲するような男に、リアスを渡せない。そう決意した。

 

しかし、どうすれば?

 

あの眷属の一人の女も、自分よりも何枚も上手、雲の上と言っていい強さだ。

 

このレーティングゲームとやらで勝利を収めなければ、大切なリアスは悲しい思いをしてしまう……。

 

「……特訓よ」

 

……そんな時、一言。そのリアスから声がかけられる。

 

「まだレーティングゲームまで時間はあるわ!確かに、ライザーも、その眷属も強いわ……。なら!私達だってライザー達に負けないくらい強くなれば良いのよ!!」

 

「部長……!!」

 

そう言い放つリアスの、闘志に燃える瞳は、彼女の眷属達を勇気付けた。

 

勝てないなら、勝てるようになれば良い。

 

単純明解な答えだ。

 

「……はい!特訓、しましょう!俺、あのライザーってやつに絶対勝ってみせますから!!」

 

 

 

……しかし、彼らは知らない。

 

ライザー・フェニックスの力を。

 

 

 

努力「程度」では覆せない、圧倒的な暴力を……。

 

 

 

 

 

……どんなに足掻けど、太陽には届かないと言うことを……。

 

 




HSDDもあんまり知らないです。

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