ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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疲れがヤバイ。


91話 魔法教授嶺二マ!

あかつき街は、来るべき「魔法社会」の先駆けとなる実験都市である。

 

もしも、あかつき街が大きな利益を上げるようであれば、日本のあらゆる学校に義務教育の一環として「魔法」が導入されるかもしれない。

 

最早そんなレベルの大事になっている。

 

ポセイドン王に、教材、教本、教師に至るまで格安で用意してもらった上で、「碌に魔法使いを輩出できませんでした」などとは、先進国日本の面子にかけて言えないだろう。

 

学生達の熱意はもちろん、社会人研究者達の熱意も恐ろしい程にある。

 

まさに鬼気迫ると言った雰囲気だろうか。

 

魔法が世界に拡散するのはもう止められない。ならば、いち早く魔法技術を習得して、他国へのアドバンテージにしたいのだろう。

 

ただでさえ、かつての日本は、コンピュータの開発でアメリカに負けてるからな。

 

それに、車だって、飛行機だって、今なら日本の技術力は世界のトップクラスなのかもしれないが、開発したのはいつも外国だ。

 

日本は、外から来た技術を高めるのが上手い民族なんだろう。

 

だから、今回の魔法も……、って考えだろうな。

 

まあ、国に所属してると面倒なんだなー、としか。

 

 

 

現在、四月中旬。

 

土井中村改め、あかつき街はフル稼働。

 

元土井中村の住民達も、住民が増えたことにより活動量が増えている。

 

飲食店関係の人々は、特に忙しそうだ。

 

だが、魔力覚醒による若返り効果でバリバリ働いているので特に問題はない。

 

それに、今このあかつき街に集まっているのは、人間の上澄みだ。

 

厳しい試験を切り抜け、かつ、魔法の才能が一定以上にある者のみがここにいる。

 

少なくとも、センター試験で満点近くを取れるような、人間の上澄み……。

 

試験で良い点を取れる奴がまともかどうかは分からない?

 

そんな訳あるか。

 

センター試験だぞ?確かに、俺や、嫁達、亜人の王達からすれば児戯に等しいかもしれないが、人間からすれば、真面目に勉強をしていないと満点近くは無理だ。

 

センターで満点近くを取れる程、真面目に勉学に励んできた奴がまともじゃないなどと誰が言える?

 

少なくとも、そのレベルで「努力できる真面目な人間」の証明になるんだよ。

 

むしろ、「テストの点数ばかりに気を取られて人の本質を〜」などと説教してくるアホの方が信用ならないね。

 

俺からすれば、テスト勉強も真面目にできない奴の本質とは?って感じだ。

 

さて……、そんな訳で、特に問題なく、あかつき街は回っている。

 

今のあかつき街の雰囲気は、「ちぐはぐ」って感じだ。

 

田舎の商店街などがある、ちょい過疎村をベースに、最新設備の研究棟が建ち並び、そこに魔法技術と亜人がちらほら。

 

田舎と、科学と、魔法が入り混じったカオスな街だ。

 

田舎と科学と魔法が交わる時、物語が始まるのだ!

 

 

 

さて、早速だが、暇なんで特別講義を開いてやる。

 

そう、前も言ったと思うが、俺はこのあかつき大学の特別非常勤講師なんだ。

 

だから、何か講義をやろうと思ってな。

 

どれ、人数は……、うおっ?!多い!

 

教室いっぱいだ!

 

「うーっす」

 

「「「「おはようございます!!!」」」」

 

元気も良いな。

 

これなら、何か教えても良いかなって気持ちにもなる。

 

しかし、場所は一番広い大講義堂なのに満員なのか。

 

やっぱり、外部からの人間の受け入れはやめときゃ良かったな。

 

あっ、ユウチューバーのパンプーキンさんだ。

 

久し振りー、と手を振ってみると、手を振り返してくれた。

 

最近、結婚して子供も産まれたらしい。

 

おめでとうございます。

 

さて、と。

 

「勇者の鎧嶺二だ。今日は、お前ら貧乏学生共に嬉しい魔法を教えてやる」

 

ちょっと笑う生徒達。

 

「教材はこの魔導書だ」

 

魔導書を一冊、全員に配る。

 

もちろん魔法で配っているので、時間は消費しない。

 

それとこれも配っておく。

 

「え?」「何これ?」「……ジャム?」

 

学校給食とかでよく見る、半分に割って使うタイプのイチゴジャム&マーガリンだ。

 

「さて……、これから魔法を教えるが、何の魔法だと思う?そこのお前」

 

「あ、えっと……、ジャムを甘くする魔法?」

 

「違うな、そこのお前」

 

「ジャムの汚れを落とす魔法?」

 

「違うんだよな。答えは、ジャムを塗るものを作り出す魔法だ。すなわち?」

 

「パンを作り出す魔法ってことですか?!」

 

「正解だ」

 

俺は、パン創造魔法陣が刻まれた魔導書に手をかざして、唱える。

 

「小麦の白と水の青、渦巻き混ざって生み出したるは、神の肉たるパンである!『クリエイトコッペパン』!」

 

コッペパンが一つできる。

 

俺はそれにイチゴジャム&マーガリンをつけて齧り付く。

 

「もぐ……、このように……、もぐもぐ、コッペパンを作る魔法だ。ごくん。限界まで難易度を下げてるから、魔力操作の訓練だと思ってやってみろ。あ、パンは残すなよ、捨てるなら持って帰って捨てろ」

 

「おお……!面白い!」「よし、『クリエイトコッペパン』!」「『クリエイトコッペパン』!!!」

 

生徒達は問題なくコッペパンを創造し、食べ始める。

 

全員が食べ終わったことを確認すると……。

 

「よし、ではこれから、創造魔法の基礎を、この魔導書を例にして解説する。興味がない奴はお土産持って帰って良いからな」

 

しかし、全員が真剣な眼差しで授業を聞き入る。

 

「よし、じゃあ……」

 

………………

 

…………

 

……

 

「っと、こんなところか。これで講義は終わりだ。魔導書はタダでくれてやる。ゴミは講義堂前にゴミ箱を用意したからそこに捨てていけ。それじゃあ、今日はここまで!」

 

「「「「ありがとうございました!!!」」」」

 

 

 

以降、俺は創造魔法をたまに教えるマンとして活動している。俺が一番得意な魔法が創造魔法だからな。

 

もちろん、俺は世界中にある魔導具店の経営者でもあるが、それは亜人をたくさん雇ってほぼ丸投げしているから、仕事はしていない。

 

ユウチューバーとしてゲーム実況したり、亜人の国を撮影したりするのが仕事だ。

 

今の俺は経営者兼大学教授だ!

 




まだ二十代なのに寝ても疲れが取れん。
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