ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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ハーレールーヤー。


96話 亜人国家へ 中編

ここはエルフの里。

 

ティルナノグの森の中に位置する都市国家だ。

 

隣にいるのはアニエス、森人族の族長の一人娘にして、俺の嫁だ。

 

目の前にいるのは森人族、いわゆるエルフ達。

 

亜人の中でも特に芸術を尊び、歌と踊り、芝居に生きる高等遊民にして、生まれながらにして精霊の愛し子である。

 

そんなこいつらが何をやっているか。

 

「変身!!!」

 

「キャー!助けて覆面ライダー!」

 

「ゲーッゲッゲ!ライダーめ!性懲りも無く我々、ジョッガーの邪魔をするか!!」

 

「「「「ライダー頑張れー!!!」」」」

 

………………。

 

「……本当になにをやってるんだ?」

 

 

 

「おや!おやおや!これはこれは!勇者様!」

 

「おお!勇者様に、アニエス様!ええと、確か先週ぶりでしたかな?」

 

「また遊びにいらっしゃったのですか?」

 

クソ、この長命種特有のタイムスケジュールのガバどうにかならんか?

 

エルフの里とか十年ぶりなんだが?

 

だが、エルフにとっての十年は一週間くらいの認識だからなあ……。

 

それにエルフは、食事もあまり要らないし、排泄もあまりしない。睡眠の必要も薄い。

 

代謝もかなり低く、汗や老廃物も殆ど出ない。

 

だから、腹が減ったら狩りをちょっとして、ちょっと昼寝して、たまに水浴びをすればそれで生きていけるのだ。

 

そして、余った時間はこのように、歌劇や哲学論争、小説や……、最近では漫画や絵本の作成をする。

 

「で、何やってんの?」

 

「最近、西映グループに頼み込んで、覆面ライダーショーの公演の権利を得ましてな。もう森人族の少年達に大流行りでして」

 

はー……?

 

「この覆面ライダー、一見子供向けに見えるも、その実は、大人達への深いメッセージが込められており……」

 

「あー、はいはい、そう言うのはいいから。あっちは?」

 

「あちらは、年配のエルフに向けた『ハムレット』の公演ですな」

 

ほー……。

 

「このオペラと言うものは奥が深い……。我々森人族にもインスピレーションがもらえますな。いずれ、オペラの本場であるイターリアと言う国に行くために、イターリア語を学ぶ座談会を行なっています」

 

まあ、いいんじゃないかな……。

 

 

 

その後は、レイラと鳥人族の里に帰郷すると……。

 

「えっ、こんな風景だったか?」

 

なんか、建物が多い?

 

「カラオケ建てたんだって」

 

ああ、はい……。

 

まあ、暇なんで一曲歌っていく。

 

いや……、森人族の里も鳥人族の里も、ほぼ森だから……。

 

ツリーハウスとかだから。

 

確かに、どデカい木々と一体化した家屋は綺麗だし面白いが、亜人基準でも田舎なんだよ。

 

特に見所はないんだ。

 

 

 

だが、アウレーリアの花人族の里と、森人族の里、虫人族の国の境界辺りには、世界樹が生えてるよ。

 

太さは直径10kmで、高さが成層圏くらいまである世界樹ってのがあるんだけど。

 

まあ、ただのでかい木だしなあ……。

 

世界樹の葉は蘇生や若返りの力を持つし、果実はこの世のものとは思えないくらいに美味い上にエリクサーの原材料になるけど、別にそんな凄いもんでもないんだよな……。

 

そりゃ、亜人がまだまだ原始人的な文明しかなかった遠い過去には信仰されてたけど、今は蘇生魔法が一般化して重要度が低くなり、単なる観光資源になってる感じかな。

 

あ、因みに、世界樹の中身はダンジョンになってるぞ。

 

ぶっちゃけアトラクションみたいなもんだが。

 

あ、それと、麓の湖も凄く綺麗だぞ。世界樹の成分が漏れ出してるから、再生治療薬としても使えるし。

 

ダンジョンのボスは上と下にいて、上にはフレズベルグ、下にはニーズヘッグがいるんだよね。

 

まあ、結構オイシイダンジョンであることは確かかな?

 

フレズベルグやニーズヘッグの魔石なら、大体、アメリカの総消費エネルギー百年分くらいは稼げるし。

 

人も結構来てる。

 

え?冒険者?

 

アホなこと言うなよ、人間じゃあるまいし……。

 

ダンジョンに入れるのは軍人か、特別に許可を得た人だけだよ。

 

まあ、許可は比較的簡単に取れるけど、死んだら高くつくぞ?

 

蘇生保険とか効いたとしても、死体回収者派遣とかで千万単位の負債を抱える羽目になるだろうな。

 

 

 

そんで……、エリーゼとアウレーリア、オリヴィエが、地球世界の生物を取り寄せて、動物園やら水族館やらを作り始めたみたいだ。

 

亜人の富裕層は庭でドラゴンやグリフォンなんかを飼ってるから、地球の動物なんてまるで脅威にならない。

 

いや、正確には違うんだが。

 

もちろん、一般的な亜人なら、羆やライオン、虎なんかに勝てない。流石に人間よりは全然強いだろうが。

 

仮に人間の三倍強くても猛獣には勝てないだろ?

 

だけど、亜人の富裕層。つまり、金を大量に稼げるくらいに強かったり賢かったりする奴らは大抵、人間の何千何万倍の強さを持っている。

 

つまり、ドラゴンにじゃれつかれても死なないくらい強いんだよ。

 

だから、富裕層はまた別なんだな。

 

そんな感じで、クローン技術で増やした動物をペットとして飼うご家庭が増えているそうだ。

 

ペットを飼うというのは、基本的に、かなりの富裕層のみの道楽だったのだが、動物を飼うくらいなら一般家庭でも可能だということで、流行り始めているらしい。

 

グレートデーンやらセントバーナードみたいなデカい犬が大人気だとさ。

 

そういや、ルシアの実家でウルフドッグを見たな。

 

狼が狼を飼ってどうすんだと突っ込んだが、良いのかあれは。

 

なお、森人族や花人族はペットを飼ったりしない。

 

百パーセント、ペット側が老いて死ぬからだ。

 

犬の寿命なんざたったの十年二十年。森人族にとっては一週間くらいのものだ。

 

寿命を伸ばすように処理したところで、メンタルが追いつかない。

 

普通の犬が百年も千年も生きたら、頭がおかしくなるだろ?

 

肉体の寿命ではなく精神の寿命の話だ。

 

さて、まあそんな感じで、動物を飼うプロジェクトが進行しているとだけ。




求、ポストアポカリプスss!
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