ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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たべるんごのうた界隈すこすこのすこ。


97話 亜人国家へ 後編

グロリアをドラゴニアに帰郷させる。

 

ドラゴニアは軍事国家だ。

 

故に、地球の兵器に興味を持ち、各国から購入して、リバースエンジニアリングを始めている。

 

「ふーむ、火薬で鉄の礫を飛ばすのか……」

 

AK47をバラした龍人族が呟いた。

 

「市民の鎮圧には使えるかもしれん」

 

「我々が使うとするならば、口径を大きく……、いや、それなら魔導砲でいいな」

 

「いや、そうではなく、弾頭に魔法陣を刻むのはどうだろう?」

 

「「「それだ!!!」」」

 

龍人族の技術者達が、魔法で金属をうねうねと動かして新兵器を開発する。

 

亜人国家には、魔導砲という純粋魔力を加熱、加速、回転させて放出する大砲はあっても、実弾の銃というものはなかった。

 

何故か、専門家に聞いてみよう。

 

「あー?弾丸が嵩張るからじゃないですかね?」

 

「応用力がないんですよ。魔法の杖なら火を噴く、水を出す、衝撃波といくつかのことができるのに、銃は弾を撃つことしかできないでしょ?」

 

「威力が低いんだよなあ。同じ火力を出すなら魔法でいいだろ」

 

とのことだ。

 

よく、魔法より現代兵器の方が……、とか、現代兵器でも魔法使いに勝つ方法が、核ミサイルには勝てない……、だの抜かす奴がいるが、極まった魔法使いはそもそも軸が違う。

 

物理世界の軸にいないんだよ。

 

物理世界よりも上位の魔法世界の住人であるからして、四千度の核熱も秒速三百メートルの爆風もそもそも通用しないんだ。

 

俺達のような極まった魔法使いは、太陽の表面を歩き、真空の宇宙を光の速さで移動して、星を砕く。

 

まさに、格が違う訳だ。

 

俺からすればライフル(笑)とかミサイル(笑)って訳だな。

 

俺を害するとしたら、魔法的な要素を含む強力な攻撃のみだ。

 

例えば、高位のドラゴンブレスとかな。

 

ドラゴンブレスは別名、事象崩壊光線とも言われる。触れたものを概念的に崩壊させる原初の魔法、それがドラゴンブレスだ。低級なドラゴンや、ワイバーン、ワームなんかは出せないんだがな。

 

それくらいやらなきゃ俺は殺せない。

 

 

 

「おーい!今日はもう終わりにしようぜ!」

 

「おー、そうだな」

 

「酒持ってきた!日本のだぞ!」

 

「おー!」

 

おっと、突発的な宴会だ。

 

亜人国家あるあるだ。

 

「おっ、俺も飲むぞ!」

 

「妾もー」

 

あ、うちのグロリアとカエデが参戦した。

 

カエデ……、ウルフェンロアに帰郷していたはずでは?!

 

まあ、とにかく。

 

「俺は要らん」

 

「「「「まあまあまあまあ」」」」

 

クソ、社会人じゃないのに強制飲み会だと?

 

腐ってやがる。

 

俺は嫌だからな。

 

同調圧力には屈しないぞ。

 

「じゃあ妾が口移しで飲ませるのじゃ!」

 

「むー!」

 

無理矢理に口内に酒を流し込まれる。

 

カエデのキスは拒めないから、仕方なく酒を飲む。

 

「ほらほら!飲め飲め!」

 

「んぐー!」

 

グロリアに焼酎を押し付けられる。

 

……まあ、構わないけどさあ。

 

「おーい!ずるいじゃないか!僕達も混ぜてよ!」

 

と、日本から買い取った乗用車をバラして遊んでいたエスメラルダ達ドワーフ衆も酒の匂いに釣られて集まってくる。

 

あーもうめちゃくちゃだよ。

 

 

 

ネクロニアに移動、イルルとベータ、テレジアを帰郷させる。

 

ネクロニア在住のドワーフを集めて、イルルが何かやってるようだが……?

 

「何やってんの?」

 

「リビングドール作ってる」

 

ははあ、リビングドールか。

 

その名の通り、魔法生命技術の結晶である、生きた人形のことだ。

 

幼い女の子の強い味方、代表的なおもちゃ、ペットだな。

 

「なんか知らないけど、この世界、男の人でもリビングドール欲しがってるみたいじゃない?売れるかなーって」

 

「お前、そりゃあ……」

 

まあ、ね?

 

「ほらこの、ローゼスメイデンって漫画あるでしょ?大きめのリビングドール売れば喜ぶ人多いんじゃない?」

 

「まあ……、バカ売れすると思うぞ」

 

生きた人形。

 

日本のHENTAIオタクが買わない訳がない。

 

そうじゃなくっても、蒼い子みたいなノリで老人のケアをする存在など……、その辺も期待できる。

 

リビングドールは生きた人形であり、生き物ではないところもポイントだ。

 

リビングドールなら、他のペットになりそうなモンスターと違い、検疫などの問題がない。

 

魔化木材や魔化ポリマーのボディに病原菌など宿らないからだ。

 

……むしろ人権とかその辺の問題が?

 

いや、でも人類はAI売買してるからな。その辺に文句は言わせねえ。

 

「魔造生命の売買についてはこっちのルールでやらせてもらうと言い張れ」

 

と俺が助言する。

 

イルルと一緒にリビングドール工場の見学……。

 

 

 

工場見学、そう言えば中学校の頃に半導体工場に行った以来一度も行ってなかったな。

 

いい経験になった、ありがとう、とイルルに伝える。

 

そして、イルルのリビングドール工場の経営には……。

 

「私達、魔人族が一枚噛んでるのよねえ」

 

とテレジアが言った。

 

「流石は魔人族、他人から搾取させたら右に出るものはいないな」

 

「褒め過ぎよぉ〜」

 

嫌味だがな!

 

「因みに、なんでリビングドール事業に手出しを?」

 

「だって、リビングドールよ?」

 

は?

 

「人間が堕落しそうで楽しみなの!リビングドールを働かせて自分は楽したり、モテない男がリビングドールとセックスしたり!人間が人間と同じ知能の、服従する知的生命体を手に入れたら、百パーセント堕落するじゃない!楽しみ〜!」

 

あ、はい。

 

魔人族特有のアレだな。

 

 

 

最後にベータは!

 

「浄水スライム……、売る……」

 

水の汚れを食べて、真水を排泄する浄水スライムを売りに出した。

 

もちろん、経営陣は魔人族だ。

 

 

 

うーん……。

 

「お前ら、働きたかったのか?」

 

「「「「うん」」」」

 

俺は隠居したつもりだが、嫁は働く気だったようだな。

 

となると、まあ、俺もまだ現役でいた方がいいか。

 

まあ、買いに買った企業の株の配当だけで生きていけるから、特に困ることはないんだがな。

 




どうでも良いけどおっぱいもみたい。

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