ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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チンコにトルネを加える。


98話 解放の日

亜人国家転移から七年。

 

俺、三十七歳。

 

あかつき街始動から六年。

 

魔法社会が本格始動した。

 

 

 

この四年間、本当に色々あったな。

 

嫁達の人権が正式に認められ、国籍もあるので、それを利用して海外旅行しまくってただけだが。

 

今、ちょうど、国立あかつき魔法大学の三期生が社会に出たところだ。

 

まあ、大抵はあかつき街周辺の魔法研究施設に就職したらしいが……、一部、自衛隊に引き取られた奴もそれなりにいるらしい。

 

そして何よりも、技術面。

 

魔石発電所の運用開始があった。

 

魔石発電……。

 

ウランよりもずっと少量の魔石によって、電力を供給するプラントの登場だ。

 

魔石発電所は、滞空魔力を吸収して、魔法陣学に基づいた魔法陣から電力を放出するものだ。

 

それは、火力発電よりも効率が良く、太陽光発電よりずっと小さなスペースで、騒音もなく、天候にも左右されず、何より、原子力発電とは違い、事故があっても災害にはならない……。

 

クリーン、高効率、CO2ゼロ、国土の狭い日本に最適の省スペースの、まさに夢のような発電所だった。

 

恐ろしいところは、わざわざ街中に煩雑な送電線網を配備せずとも、個人の家レベルで配置できる柔軟性だ。

 

普通の発電所のように大きな魔石発電所は、何百万世帯に電力を届けるが、一世帯に対して電力を届けるくらいなら、家のすぐ側や、家の内側に、犬小屋サイズの魔石発電所をくっつければ良い。

 

車を動かすくらいなら、古いタイプの掃除機くらいのボックスに、こぶし大の魔石を放り込めば、百年だって動く。

 

これにより、伝送網の要らないユビキタスな電力の供給を可能とした。

 

これは、まだ魔石の運用法、効率が悪い日本の技術であり、亜人国家の技師が作ったならば、そもそも発電所などいらない、対空魔力駆動のテーブルタップを作るだろう。

 

ってか、実際、亜人国家はそうしてる。

 

まあ、つまりは、逆に言えば……、魔法を四年間、血反吐吐く勢いで学べば、現行のどんな発電所より高効率でクリーンで低コストな発電所を作れてしまうってことだな。

 

その他にも、「どれだけ長くても百パーセント損失ゼロの送電線」や「魔法攻撃以外では、物理的な力で破壊されない金属」などを使っての軌道エレベーター建設計画すらある。

 

亜人国家には、不壊金属やら常温超電導体やら、そんなものが平気であるのだ。

 

しかもそれを、「物質創造装置」や「ダンジョン」からいくらでもとれる。

 

無限の資材と最高の技術を持つ亜人国家。

 

人々は、交流方法を模索しつつも、確実に利益を得ている……。

 

 

 

一方で、それをよく思わない者達もいた。

 

中韓は当然、リーベンレン、チョッパリ、日本鬼子がやることは何でも気にくわない。

 

中東の石油産出国は、お得意様の日本に新エネルギーの開発をされると、石油が売れなくなって困る。

 

アメリカだって、子分である日本が強くなり過ぎるのは困る。

 

いや、アメリカはまだ良い。

 

アメリカは、亜人国家に借金をして、莫大なファンタズムマテリアルを買い込み、国家規模の大プロジェクトを開始して、いくつかの成功を収めている。

 

しかし、亜人国家との国交断絶状態にある、中韓、中東は、この素晴らしい亜人技術の波から置いてきぼりを食らっているのである。

 

この調子で、亜人国家との連携が密になれば、反亜人国家は干上がる……。

 

もはや、このままいけば、反亜人国家は、世界の流れから取り残されるのは確実だ。

 

そんなある日。

 

 

 

北の独裁国家から、亜人大陸近海に向けて、ミサイルが放たれた。

 

 

 

北の独裁国家の言い分はこうだ。

 

『不正な富の独占をする亜人国家には、我が国の無慈悲な鉄槌が下るだろう』

 

まあ、いつものだな。

 

これにより、亜人国家はマジギレした。

 

確かに、前の世界みたいな、逸れた亜人を捕まえて奴隷にするくらいなら、捕まるような弱い奴が悪いと、国としては半ギレで済むのだが、ミサイルは、不特定多数の亜人を殺すものだから、そんなものを飛ばして挑発する連中は最早殺すことを選択肢に入れて考えるしかない。

 

しかし、この世界で、ミサイルを撃たれたので魔法を撃ち返しましたなどと言ったら、国家間の緊張がね。第三次世界大戦はごめんだ。

 

だが、やり返さなければ調子に乗る。

 

何故、日本が、領海に漁船ガー、ミサイルガーでいじめられるのか?

 

それはやり返さないからだ。

 

舐められている。

 

いじめっ子と同じで、やり返さないと思っているから、カツアゲ、暴力、挑発をする。

 

亜人国家は、やられたらやり返す国であることを示さねばならない。

 

……因みに、前の世界では、国として、人間国家に攻められたら攻め返していたのだが、それを何故か、先に攻めてきた方である人間国家が「侵略だ!」などと逆ギレして暴れていたという話があるのだが、まあ、それは置いておく。

 

 

 

結論から言おう。

 

協議の結果、亜人大陸の滞空魔力を解放することになった。

 

滞空魔力?

 

語感で分かれよ。

 

と言いたいところだが、あえて説明すると、魔法のCO2であり、宙に浮かんだエネルギーのエントロピーである、と言える。

 

魔法的な物質や魔法、魔力のあるもの全てから漏れている魔力のことだ。

 

これを利用して永久機関を作ったりできるぞ。

 

ただ、弊害もあり、滞空魔力が増えると……。

 

ダンジョンができちゃうんだよね。

 

ダンジョンができると、そこからモンスターが湧くんだよね。

 

今までは、亜人大陸以外にモンスターが漏れ出さないように、亜人国家の領海領空に魔法的なバリアを張っていたのはお分かりだろうか?

 

今回は、それを解除した。

 

それを聞いた反亜人国家は、「は?何言ってんだこいつ?」みたいな反応を返したが……。

 

 

 

それが、まさかこんなことになるとは、思ってもいなかっただろうな。

 




うえきの法則すこ。

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