ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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なろうに転載しよっかなー。


99話 二極化する世界

中国、徳洲市……。

 

「ライフルを!早く!」

 

「クソが!このポンコツライフルめ!もうぶっ壊れやがった!」

 

「うわあああ、助け」『ギイイガアアアッ!!!』

 

 

 

北朝鮮、平壌。

 

「アイゴー!」

 

「クソ、街に入れるな!殺せ!」

 

「死ねっ!死にやが、がああああっ!痛え、腕があああっ!!!」

 

 

 

イラン、メフリーズ。

 

「おお、神よ……!!」

 

「撃て!撃ちまくれ!」

 

「あひっ、はひぃ!あ、脚が!俺の脚どこ行った?!」

 

 

 

それだけじゃない。

 

日本で、ドイツで、アメリカで、フランスで、ブラジル、オーストラリアで。

 

世界中でダンジョン騒ぎが起きていた。

 

亜人国家と国交のある国は、あらかじめ、腕利きの亜人をダンジョン出現予定地に配置して、ダンジョンのモンスターを間引きしたが故に、大きな問題にはならなかった。

 

しかし、反亜人国家には、亜人の庇護がないままにダンジョンが発生して、モンスターの間引きに少なくない血を流す羽目になった……。

 

もちろん、亜人国家には戦争を辞さないと言うレベルの抗議が来たが、北朝鮮のミサイル発射と、それを陰から後押ししていた中韓、中東テログループの存在を世界に公開され、世論では、ミサイル発射に対する反撃として過剰ながらも、正当性も一部あるのではないかと言う意見があった。

 

反亜人国家が、テロ組織などと国家ぐるみで繋がって、亜人国家にミサイルを撃ち込んだことが証拠付きで世界にバラされて、反亜人国家の国際的な立場は悪化していた。

 

その証拠が何より怖かった。

 

資金の流れ、内密な電話、極秘のメール。

 

その全てが世界に晒されたのだ。

 

北朝鮮なんかは、国民の五人に一人が秘密警察だと言われている。

 

そのようなガチガチの防諜体制にも関わらず、あらゆる後ろ暗い情報をいとも簡単にすっぱ抜いた亜人国家に、各国は恐怖した。

 

正直な話、後ろ暗いことが全くない、真っ白な国家なんてものはこの世界にありはしない。

 

故に、各国は、不明の手段によってあらゆる秘密を集められる亜人国家を恐れた。

 

中国などは、徹底的な後ろ暗い情報の公開を食らって、国内が大混乱、粛清の嵐だと言う。

 

何とか、麻薬の売買を裏でやっていた軍閥組織があったとか。

 

中国では、麻薬の売買は問答無用で死刑だ。

 

何人もの政府高官が亡命したり、捕まって物理的に首を切られたりと大忙しなんだとさ。

 

これを受けて、各国は、亜人国家との付き合い方を考え直すべきとの意見が出てきたのだが……、亜人国家の魔法技術でバブル景気を迎えている親亜人国家の国々が、亜人国家と手を切れと言われて、「はいわかりました」とは言えないんだな、これが。

 

ぶっちゃけ、今の日本などの親亜人国家はゴリッゴリのバブル期だ。

 

リアルで、タクシードライバーに万札を渡すあの頃と同じノリだ。

 

特に、魔法大卒ならば、どんな企業も諸手を挙げて歓迎する。

 

魔法大の生徒を勧誘するために、インターンと言う名の歓迎会を開く企業もある程だ。

 

とにかく、金の巡りが良くなり、「年金がもらえないかも……」などと貧困に喘いでいた若者達が嘘みたいに金持ちになった。

 

働けば働くほど儲かる、魔法バブル時代の到来だ。

 

日本では、ゼロ金利政策の解除、株価上昇などと吉報が続く。

 

アメリカやドイツ、ロシアなんかも同じだ。

 

そんな、各国の経済における福音たる魔法技術……、親亜人国家が手放せる訳がなかった。

 

各国は挙って亜人の魔法学教師を大金で雇い入れ、一部セレブや軍部、研究者に魔法を習得させ、魔法物質を買い漁る。

 

世の中は、バブルを迎える親亜人国家と、ダンジョンで血を流す反亜人国家に二極化していた……。

 

 

 

そんな日本での話である。

 

日本人は、『ダンジョン』と聞いてどうなるか?

 

簡単だ。

 

こうなる。

 

「民間人をダンジョンに入れろー!」

 

「俺達もダンジョンを攻略させろー!」

 

「ダンジョンでレベルを上げるんだ!」

 

そう、アホの暴走。

 

民間人をダンジョンに入れて戦わせろと言う要求だ。

 

既に、ダンジョンに入り込んで拘束されたアホも出てきている。

 

しかし、国内に百個近くあるダンジョンを二十四時間監視することなどできないし……、何より、人手が足りない。

 

国としても……、実際には絶対に言わないだろうが、「是非、自衛隊員の代わりに戦って死んでくれ」と言う気持ちだろう。

 

兵士の訓練もタダじゃない。

 

よく、左翼連中が、徴兵ガー、などと喚くことがあるが、一人の兵士を育成するのに、どれだけのコストがかかるのか分かってないんだよな、ありゃ。

 

ともあれ、国は、民間に投げると言う選択肢を得た……。

 

『ダンジョン管理委員会発足のお知らせ 鎧嶺二様、今回のダンジョン発生におかれましては〜』

 

「が、何故俺にこの案件が来たんだ」

 

はい、めんどくせえ!




どうだろうか、なろうでどこまでいけるのだろうか?

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