テラフォーマーズとかどう?
因みにだが、アメリカはマネーパワーでダンジョンを攻略するも、物理無効モンスターに遭遇し攻略階層は十五階層で止まっているらしい。
それに対しては、魔法大に留学させていた人間を呼んで使っているらしいが……、幼い頃から魔法を習っていたファーストエイジには遠く及ばない。
アメリカの魔法使いは魔導師ではないからな。
魔法使いと魔導師の違い?
それはまあ、厳密な定義はないんだが……。
魔法使いは、既存の術式を使うだけの者。
魔導師は、自分で作った術式で物理法則を超える者を指す、とされている。
人の術式を使うだけじゃ、ただ魔法を『使っている』だけ。
プログラミングに例えれば、exe.ファイルをクリックするだけのようなもの。そんな程度のやつは、プログラマーとは呼ばないだろ?
その定義で行くと、俺も、嫁も魔導師なのだが。
魔導師って肩書きは、大体、亜人国家では『大卒』の肩書きみたいなもの。
つまりはまあ、亜人の半分くらいは魔導師なのだ。
さて……、それで、だ。
今日、八月二十日。
自衛隊によるダンジョン探索も終わり、野党の手によって半ば無理矢理通されたダンジョン法から、一般人のダンジョン探索の許可が出た。
え?野党のどこにそんな力があったかって?
いやー、アレだよね、世論と、アマクダリ・セクトたるザイバツ・ギルドの連中の突き上げの仕業だよね。
何せ、ダンジョンからは若返りの薬の材料すらある訳で。
若返りの薬の自国生産ができたら……、そうでなくても、今世間を騒がせている亜人国家の製品の原料たる物質が手に入れば……、とか考えてるんだろうね。
国民も国民で、魔法バブルでイケイケムードだから。
かつての大きな戦争も、国が戦いたくてやった訳じゃなくて、国民様がやりたがったから始まったようなもんだしな。
本当に賢い軍の上層部とかは、米帝様となんて戦いたくなかっただろうにな。
まあ、それが民主主義だ。仕方がない。
そんなこんなで、野党パワー×世論パワー×ザイバツパワーで1200万パワー!って感じで通ってしまったダンジョン法。
もちろん、一部のまともな政治家や官僚の類は頭抱えて胃薬飲んでるよ。
そう、そんな感じで通ったダンジョン法だが……、当然だが、誰もがダンジョンに入っていい訳ではない。
『迷宮探索者資格』、という資格が新たに作られた。
語感で分かるな。
そのまんまだ。
この資格がなきゃ、ダンジョンには入れない。
資格ってんだから当然、試験がある。
内容は、筆記と実技だ。
筆記は、まあ、難易度的には運転免許の筆記試験くらいの難易度だ。
筆記試験の内容は大体法務的な話だな。
まあ、主に覚えとかなきゃならないのは、『ダンジョン管理委員会を通さずにダンジョンからの産出品を売買するのは違法』という事だな。
そりゃそうだ、魔法物質は危険だからな。それに、勝手にオークションとかやると、値段がバブルって大変なことになるだろうし。
まあこれも抜け道があって、ダンジョン攻略者……、探索者だな、探索者が直接、素材買取を希望する企業と値段交渉ができるんだよ。
探索者には、手に入れた素材を誰にいくらで売るか指定できる訳だな。
これを利用して、ザイバツ・ギルドのカチグミサラリマンが、マケグミを探索者としてダンジョンに送り込んだりするつもりのようだ。
流石はザイバツ・ギルド。噂に違わぬ悪の組織っぷりだ。
まあ、おふざけなしで、ザイバツは日本を支えてきたし、綺麗事ばかりでは世の中は回らないのも確かな話だ。
ザイバツは、清濁併せ呑むものだ。
実技は、そうだな、学校でやるような体力テストで、年代ごとの平均値が出せれば合格だ。
つまり、握力とかシャトルランだな。
体力テストに受からない奴は、まあ、アレだよな。
体力テストで平均点も取れないレベルの貧弱野郎が何でダンジョンで切った張ったしようと思ったの?って話になるよな。
一応、平均よりちょっと低くても採用するみたいだし、割合的に言えば、六割くらいかな。偏差値で言えば47から上は採用、みたいな。
肉体偏差値Fラン一歩手前野郎でも合格とは太っ腹な話だ。
受験可能な年齢は十六歳から。
ザイバツ・ギルドのカチグミサラリマンからすれば、弱者の若者なんていくらでも死んでこいって話なんだろうな。世知辛し。
さてさて、そんな感じで実施される迷宮探索者資格試験は、今日から八月二十七日の一週間に分けて行われることになった。
あまりにも受験希望者が多かったからな。
頭空っぽのコーコーセーやら、無職マンやらも多い。
しばらくはダンジョンバブルだろうし、人が多いのはおかしくないか……。
俺は、遠見の魔法で試験会場を観察する。
基本的にはみんな、身体が利きそうな青年が多い。
しかし、何をどう思ったのか、明らかなデブやヒョロガリもいる。なんか勘違いしてる女も。
さて、どうなるのやら……。
なろうで書きたいけど、このstは割と中国とかに厳しいから、ポリコレの人達にポリコレ棒で殴られるかもしれなくてこわい。