ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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アサシンクリード 、釣りがだるい。


126話 大魔導師 その1

ルオはルオだお。

 

百万年前くらいに、ティルナノグで生まれたお。その頃はまだ、ティルナノグという名前じゃなかったんだけど。

 

四十万歳くらいの頃に大きな文明が生まれて、それから十万年かけて、戦争とかが散発的に起きて、五十万歳くらいの頃には、亜人の国家は六つになっていたお。

 

それまでは、小規模な国ができては滅び……、そんな感じだったお。

 

ルオも、ナイン達、他の森人族と共に、時に戦乱に巻き込まれたりしつつも、頑張って生きてきたお。

 

ルオは、一人の魔導師として、魔導への道を志す者として、多くの人に魔法を学んで欲しかったんだお。

 

だから、ナイン、デッキー、キナイ、キルリオン……、数多くの友人と共に、魔法と、それに関連する技術を広めてきたお。

 

残念ながら、人間達には、あまりたくさんのことは教えられなかったお。人間は、小さな力を得ただけで思い上がってしまったり、力を独占するために知識の拡散を防いだりしてしまうお。

 

でも、亜人達は、魔法についてよく学んでくれたお!中には、ルオにも使いこなせない様な、多様な魔法を使う亜人も沢山いたお!世界は広いお!

 

……最近は、魔王が現れて、亜人や人間を沢山殺したお。

 

万人に開かれるべし学問の門。それは、生きていなければくぐれないものだお。

 

戦争だから、たくさんの魔法使いが前線に駆り出されていったお。

 

ルオの大好きな魔法という文化を破壊しようとする者は許せないお。戦争なんて下らないもので、魔法使いが死んでいくなんて、容認できないお。

 

魔王はとんでもなく強かったお。でも、レイジ君を始めとするたくさんの戦友達と共に戦って、魔王を、ひいては魔帝王を倒すことができたお。

 

とは言え……、現実は、絵物語の様にはいかないおね。

 

悪い魔王を倒してめでたしめでたしとは、いかなかったんだお。

 

魔王を倒してから起きたこと。

 

亜人国家は、長い戦いの末、六つの国家に分かれて、それぞれが対等な同盟国となり、安定したお。

 

でも、人間の国はそうじゃなかったお……。

 

何十とある国々は、魔王の侵略という、大きな危機があったからこそまとまっていた、薄氷のような同盟だったお。

 

魔王がいなくなれば、行きつく先は決まっていた訳だおね……。

 

そう、人類同士の争いだお。

 

そして人類は、最終手段に出たお。

 

超大規模破壊儀式型術式、『ムーンフォール・アポカリプス』……、通称『月落とし』だお。

 

亜人国家も、その時は、魔王災害の復興活動と、青い月へのテラフォーミングが始まっていたから、そちらにかかりきりで、人間の国のことはノーマークだったお。

 

その隙に、赤い月に月落としを使われて……、阻止、できなかったお……。

 

この魔王災害で亡くなった人々の魂を生贄に捧げて発動する、最悪の術式。

 

ルオは、亜人達の入植が始まっていた青い月を守るだけで精一杯だったお。全く、大魔導師の名が泣くおね……。

 

そして、まあ……。

 

本当に、非常に心苦しいんだけど、レイジ君の世界へと大陸ごと転移させてもらったお。

 

人間は滅亡したけど、亜人は生きている。

 

亜人は生きているけど、星は死んだんだお。

 

星が割れて、崩壊まで後一日と言うところを、亜人の六王が結界を張って滅亡を防いでいてくれたお。

 

その隙に、大規模転移術式で、亜人国家に貯蔵されている魔力の七割を使って、大陸ごと転移したお。

 

魔王災害の時の戦友であるレイジ君に迷惑はかけたくなかったお……。

 

でも、他に方法はなかったんだお。

 

 

 

そんなレイジ君と最近、再会したんだお。

 

レイジ君は、不甲斐ないルオのことを許してくれたお。

 

せめても詫びがしたいと言ったら、地球での魔法の啓蒙活動を手伝ってほしいと言われたお!

 

お安いご用だお!

 

 

 

ルオは、暇そうにしているエルフの魔導師を集めて、『アメリカ国』に行くことにしたお。

 

アメリカ国は、先進的な考えをする国らしく、魔法技術を貪欲に学ぼうとしているらしいお。

 

その上、亜人にも敵対的ではない国家らしいお?

 

日本国には、レイジ君のお嫁さん達とか、『朽ち花のミスリー』に、『砂瀑のキサラ』や『籠絡のノイン』なんかがいるみたいだお。

 

カナダ国には、『死霊帝スカル』に『大淫婦ネロス』と、そして、『吸血姫カトリーヌ』なんかが向かったそうだお。

 

ドイツ国には、『払暁のゾラ』『木枯のバイン』『海嘯のゼーベック』などの、名のある獣人の魔導師が。

 

イタリア国には、『灰縄のヴィルザ』『爪研ぎリンドヴィン』『蝕みのダァヌサイト』辺りの魚人が。

 

フランス国には、『七つ牙グランス』『星辰のアンドロス』『震霆のリューガ』などの希少種族が。

 

イギリス国には、『火吹き山グルルガン』『残雪のアインズベル』『剣牙のジゼルガイン』などの龍族が。

 

G7と呼ばれる、いわゆる先進国には、最低一つの魔法大学を実験的に設置して、その結果によって、大学を増やしたり、魔法の教育を一般化したりするかもしれないらしいお。

 

つまり、ルオの大好きな魔法を広められるかどうかは、ルオ達、魔法大学の講師の腕にかかっているんだお……!

 

前の世界の人類は駄目だったけれど、この世界の人類には、しっかり魔導への道を教えてあげたいお!

 




帰還勇者、しばらくダレますねこれは。

魔法大学の設立が終われば、海外魔法大学の一期生の活躍を書きます。

そして、日本では、試験的に魔法大卒の生徒が魔法私塾を開く話。

その次に、野党が中心となり、反亜人国家の人々にも魔法を学ぶ権利を!という運動が始まり、それに、反亜人国家の資本やら何やらが入って、世界中でBLMみたいな騒ぎが起きて、それを見て呆れる主人公の話。

magic for everyone(魔法はみんなのためにある)『MFE』運動が始まり、各地で暴動が起きる。その裏には、各国の発展を阻害したい反亜人国家の策略があった。

中華マネーに支配されたテレビ局や、野党がそれに乗っかって、大変な騒ぎになる。

現在は、各国の現在の与党は、魔法技術の導入を決定したという功績で、とんでもないレベルの支持率を得ているし、親亜人国家は、魔法技術により、経済的にもバブル一歩手前の超好景気。

しかし、それが気に食わない反亜人国家系の移民や、どうしようもないクズ、野党関係者、その他、本気で世界の平等を夢見ちゃってるアホなどが徒党を組んで暴れ回る。

平和な日本でも、さながら60〜70年代の学生活動のような暴動が起きる。

魔法大学卒業生も、何人かが暴動側に参加して、魔法を使っての放火などをやらかす。

その時初めて、人間達は魔法の持つ危険性に気がついて、魔法関係の法整備を急速に行うようになっていく。

まあ、危険性については散々色んな人が警告してたんですけど、もたらされる利益が大き過ぎて、みんなちゃんと聞いてなかったんですね。原子力発電と一緒だよ。

そして、急いで魔法関係の法律を整備したりしようとするんですけど、どこも全然進まない。魔法は完全に未知のもので、何ができるのかよく分からないから。魔法を使っての犯罪、「魔法犯罪」の取締りについても遅々として進まず、結論として、とにかくまず魔法使いを増やさなくてはならないことを知るんですよ。

そしたら、魔法教育はいずれ義務化すると宣言してMFE活動者を大人しくさせると同時に、軍部、警察関係などで魔法犯罪への対策法などを亜人国家から習うと同時に、魔法もある程度、一般警官や軍人にも修得させて、治安維持をはかるんですね。

んで、民間レベルでも魔法教育を始めて、魔法私塾が続々と始まり、一番人気の習い事となって子供から大人まで魔法に親しむようになるんですよ。



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