ルオはルオだお。
アメリカ国のボストンという地域に土地を借りて、学校を作ったお。
ルオ達には、『労働ビザ』というものが発行されて、アメリカ国にいることを許可されたお。
これは快挙だおね。あっちの世界では、亜人は人間の国にいていいと正式に許可されることなんてなかったお。
人間の国に入って逮捕されないなんて凄いことだお!
人員の選定や、事務員の面接、各種インフラの整備なんかをやっているから、学校を開くまでに、年を跨いで来年までかかったお。
大統領さんが、国家の威信がかかった一大プロジェクトと言っているらしくて、かなりのお金が集まっているみたいだおね。
ルオも手伝おうかと思ったけれど、法律とか言うのがよく分からなくて断念したお……。なんでほんの数百年前まで合法だったことが、百年過ぎただけで違法になるのか、全く分からないお……。法律は難しいお……。
まあ、そんな感じで、ボストンの郊外に、『ボストンマジックカレッジ』と言う名前の大学を建てて、隣町のミルトンというところに、魔法の研究機関がたくさん移転してきたお。
……経済には詳しくないけれど、儲かるからって一ヶ所に一斉に投資したらインフレするんじゃないかお……?
まあ、それは政治家先生の仕事だおね。
ルオ達の仕事は、生徒に魔法を教えることだお。
入試の方式についてだけど、入試は、倍率も鑑みて、筆記と面接、それと精神鑑定になったお。
魔法は使い方を誤れば危険であるからして、反社会的な思考をする人には教えられないということになり、受験者には精神鑑定が義務付けられたそうだお。
その後に、STAという方式の試験を受けてもらうお。これは、アメリカ国の色々な大学の入試に使われる試験らしいお。
ルオは、一週間くらい勉強したら、全科目を満点取れたので、そこまで難しい試験じゃないと思うお。
魔法に必要な論理的思考能力を測るために、数学や物理の科目はよく見るお。
そして、精神鑑定、筆記試験共に合格したら、最後にルオとナインの面接を受けてもらうお。
まあ、面接では、あからさまにおかしい人以外は受け入れるおね。
最低限の人間性を見るだけだお。
さて……、早速、面接だお。
面接はルオ、ナイン、デッキー、キナイ、キルリオンなどなど、森人衆がそれぞれ一人ずつ見ていくお。
時短のために、ルオ達のいる部屋の時の流れを遅くして、一日で一人百人くらい見るお。
森人衆は六十人くらいいるから、一日もあれば、全生徒の面接ができるおね。
「次の人、どうぞだおー!」
「はい、失礼します」
「おっお、まあ、座ってくださいだお」
「ええ、ありがとうございます」
「えっと……、お名前は?」
「レナード・スタンフィールドです」
「レナード君だおね。ええと、バンカーヒルアガデミー卒、サガポナック出身、と」
すると、レナード君は驚いた顔を見せたお。
「どうしたんだお?」
「いえ、その……。失礼ながら、質問を一つ。もう既に百人くらいの面接をしていると思うのですが、面接を受けにきた人全てのプロフィールを覚えているのでしょうか?」
「当たり前だお?面接を受けにきた子のプロフィールは全て記憶しているお」
「なるほど、魔法ですか?」
「え?魔法なんて使ってないお?普通に覚えただけだお」
「は、はあ……」
さてと。
「ルオは、ルオ・ニューソンだお。魔導師をやっている者だお」
「よろしくお願いします」
「よろしくだお」
うーん、何を聞こうかな?
「えっと……、高校生の頃はどんなことを学んできたのか教えてもらえるかお?」
「はい、そうですね……、必修科目の数学、自然科学、歴史などは当然として、世界史と法律の単位を取得しました」
「なるほど、世界史と法律かお。興味があったのかお?」
「はい、世界の歴史の針が進むにつれて洗練されていく法律に美学を感じました」
「おっお、素晴らしいお!でも、法律なら魔法大学じゃなくてもできるおね?なんで魔法大学に志望したんだお?」
「それは、世界の歴史が分岐点を過ぎたからです」
「お?」
「亜人国家の出現により、世界は変わりました。魔法、それに関する技術、亜人の出現。そんな劇的に変わった世界に対して、法律はまだ追いついていません。私は、この大学で魔法を学び、それを元に新しい法律の作成を手助けしたいと思っています」
うーん。
「確かに、それは人間の国家にとって必要なことだお。その後はどう考えてるんだお?国に協力して法を作った後だお」
「その後は、警察官になりたいと思います。魔法の技術を悪用する人は……、こんなことは言いたくはないのですが、必ず現れます。そんな時に、対応する法律が、対応する警察の部署がなければ、世の中は混乱してしまいますね。私は、アメリカで初めての、そう……、魔法犯罪課を創設し、そこの課長になってみせます」
「おっおっお!レナード君は夢が大きくて良いおね!」
そんな風にして、面接が終わったお。
ルオ達は、面接の結果を書類にしたためて、大学の職員さんに提出するお。
おっお、どうなるか楽しみだお!
やべえ、どうしよう。
このままいくと、20話くらい主人公が登場しない。
物語の段階的に、主人公が積極的に動かなくても、坂を転がり落ちる石のように、世界はどんどん変わっていく段階にあるんですわな。
誰かに止められない限り、しばらくは主人公が登場しないんですが、それでもいいのかな……。なろうものとしてどうなの……?って思ってます。
具体的にどんな話になるのか?と言うと、世界各地に魔法大学が設立され、ホグワーツ的なものができて、たくさんの人が集まるんですわ。
それを、亜人の教師達の視点から見て、その次に、人間の生徒の目から見る感じ。そこの描写、真面目に書くと長くなりそうなんだよなー。
それと、クリーチャー嫁ゾンビアポカリプス以外にも、汚いペルソナ×汚いff14みたいな話も書きたい。
汚いペルソナffはどんな感じかと言うと、例の異世界と地球を行ったり来たりする話です。
地球では汚いペルソナみたいな、癖のある学友と仲良くなりつつ、怪異に立ち向かう話。異世界では、ジープに乗りながら三人の男友達と世界を旅する話。その二つを並行しながらやる話になると思います。
外人のコスプレイヤーです!と言いながら、異世界の仲間達を地球に呼んで飯食って酒を飲む!地球で得たヒロインちゃんを異世界に連れて行ってバイトさせる!
高校二年生になったら、クラス丸ごと異世界召喚!されるが、友達だけ連れて日本に帰還!「ええ、はい、集団失踪ですかっ?!イヤー怖いなー!僕達、その日は学校をサボって遊びに行ってたからワカンナイですー!」みたいなことを言って、クラスメイトを異世界に放置して日本に帰って来たり。