ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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すまんこ!

挿入しました!


132話 イタリアに魚人が

「灰縄のヴィルザ、爪研ぎリンドヴィン、蝕みのダァヌサイト、以下総勢八十名。イタリア国に到着しました〜。ええ、分かりました〜」

 

おばちゃんは、灰縄のヴィルザって言うのよ〜。

 

私、今日からね、イタリア国に赴任することになったの。

 

私はおばちゃんだから、難しいことはよく分からないけど〜、子供達にお勉強を教えれば良いそうよ〜。

 

「人魚族のみんなでピクニックしましょう!うふふふ……」

 

「お頭、仕事ですから……」

 

「あら、リンちゃん!寂しいことを言わないで?」

 

リンちゃんは、鱓人族の子よ〜。

 

とっても良い子なの!

 

「いや、お頭……。本当にヤバいんだわ……。アンタが出るのはポセイドン王も反対してたんだぜ?マジでヤバいから自重してくれな?」

 

「まあまあ、ダヌちゃんは心配性なのね〜。大丈夫よ、私も『昔』みたいに暴れたりはしないわ〜」

 

ダヌちゃんは鮫人族の子よ〜。私のお友達の曾孫なの〜。

 

さあ、早速、イタリア国に到着よ〜。

 

「お頭、行き先は?」

 

「んもう!大丈夫よ!私に任せて!」

 

「「不安だ……」」

 

 

 

まずはね、ローマって街に降りたのよ。

 

そしたらね、えーとね、南に行くのね。

 

そう、電車に乗って。

 

えーと……、これ、かしら?

 

「行くわよー!」

 

 

 

「ふえぇ……、ここどこ……?」

 

「「ああ、やっぱり……」」

 

だ、だって、電車に乗れば良いって、ポセイドン君も言ってたもん……。

 

レイジ君も、ポセイドン君の言うことを聞けば大丈夫って言ってたもん!

 

「地図はどこにやりましたか?」

 

「……なくしちゃった」

 

「はぁ……。書類は?」

 

「こ、これ……」

 

「全く……。レイジさんに連絡しますから、大人しくしててください」

 

「そうだぜ、全く……。お頭は殺し合い以外はろくにできねぇんだから、大人しくしてろよ」

 

「う、うぅ……。ごめんね、ごめんね……」

 

「もう良いから、何もしないでください」

 

「うん……」

 

 

 

「もしもし、レイジさん?」

 

『はい。あー、リンドウィンか?どうした?』

 

「お頭がね……」

 

『あー……。うん。分かった。現在地は?』

 

「フィレンツェってところ」

 

『ハッハー、ナポリの大学に行けっつったのになんで真逆の方向にいるんですかねぇ?オーケー、理解した。今からナビゲートする。まず……』

 

「レイジ君、ごめんね……」

 

『ヴィルザさんには一切期待してないんで大丈夫ですよ』

 

「そうなの?」

 

『ええ、ですから、リンドヴィンから離れないで、何もしないでください。マジで』

 

「ええ!分かったわ!」

 

 

 

それでね、リンちゃんに連れられて、ナポリに来たの〜。

 

ここでね、偉い人に会うんだって〜。

 

「首相のジュリアーノです。おや、みなさんは全員女性ですか!しかも人魚!」

 

「ええ、そうよ〜」

 

「可愛らしい、小さなお嬢さんだ。貴女達の誰かの娘さんですか?」

 

や〜ん!私、若く見える?!嬉し〜!

 

「あ、いや、お頭です」

 

リンちゃんが言った。

 

「……はい?」

 

「私は、傭兵団『海底の灰縄』の団長の、ヴィルザ=ガズリィ・ペインフローよ!よろしくね、ジュリ君!」

 

「………………は?」

 

え?

 

「ええと、お幾つですか?」

 

「私は六十四万歳くらいかしら?」

 

「は、ははは……、ええと、人魚は歳を取らないので?」

 

「ううん、莫大な魔力があると、老化しないのよ〜?」

 

「老化しない……、ですか。永遠に若い姿のまま……。なるほど、チャイニーズが喜びそうな話ですね」

 

「でも、人間はそんなに生きられないわよ?たったの五百年くらいが限界かしら〜?まあ、手術や投薬でいくらでも伸ばせるんだろうけど」

 

「ははは……、不老不死ですか。プロメテウスのように、三万年も鷲に啄まれるのは嫌ですね」

 

「何それ?よく分からないけど、この世界の人達って、不老不死が嫌いなの?楽しいのに……」

 

「永遠に働くなんてごめんですからね……」

 

「え?嫌な仕事をなんでやってるの?」

 

「それは……、生活のためでしょう。まあ、私は、首相として誇りを持って働いているので、嫌ではありませんが……。大抵の人は、その日の糧を得るために嫌々働いているでしょうね」

 

「そうなの?人間って大変なのね……。私達、働かなくてもお金はもらえるから……」

 

「ふむ……。ええと、それで……、傭兵団とは?」

 

「傭兵団なのよ!」

 

「はぁ……?何故傭兵団がここに?」

 

「暇だったから、ポセイドン君にお願いしてお仕事をもらったの!」

 

「ええと……、傭兵団に教師が務まるのでしょうか?」

 

「できるわ!」

 

「お頭は退がっててくださいね。ええと、部隊の教導は当然やっていましたし、万の時を生きれば、暇を持て余して教員をやることも多いんですよ」

 

あら、リンちゃん?

 

「みなさん、資格はお持ちでいらっしゃると?」

 

「ええ、もちろんです。お頭も、見た目はこうだし、抜けてはいますけれど、『初代灰縄』のとても高名な魔導師ですよ。本来、異名持ちの魔導師を教師として雇うとなると、そちらで言うと……、まあ、年に一億ユーロは払わなきゃならないですね」

 

「なんと……!そこまでですか!」

 

「はい、自分含めて三人の異名持ちの魔導師が来た訳ですから、決して、イタリア国を軽んじている訳ではありません」

 

「そうとは知らず、失礼しました。いや、実にありがたい!」

 

 

 

そしてね、大学で新しい学部を作ってもらったのよ〜!

 

ナポリの、ナポリ国際大学ってところ!

 

生徒の子供達も、たくさん頑張ってて偉いわ〜!

 

「あの、ヴィルザ先生?」

 

「あら?なあに、オズ君?」

 

「魔法を教えていただきたいのですが……」

 

「あらあら!良いわよ〜!魔法はね、ここをこうしてちょいちょい!ってやるとね〜」

 

「はいはい、お頭は退がってて。全く……、初心者に『灰縄式封印術(アルヴァロン)』を教えてどうするんですか?基礎もまだできてないんですよ?!さ、オズワルド。アタシが教えるからこっちに来いよ」

 

「ああ〜!ダヌちゃんがオズ君を取ったぁ〜!やーなの〜!返して〜!」

 




いやー、今気づいた。

クソガバごめんよ。

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