ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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生きるのが辛過ぎる。


142話 蛸人の弟子

覆面ライダーって知ってるか?

 

石澤修太郎先生の漫画を原作とする、特撮ヒーローだ。

 

悪の組織に改造された青年が、悪の組織に反旗を翻して戦う。

 

シリーズによって色々と違いはあるが、共通して言えるのは、覆面ライダーは強大な悪に立ち向かう正義の味方であるということ。

 

俺はそれに憧れた。

 

まあ、もちろん、現代社会に漫画で描かれるような悪の組織なんて……、俺が知る限りでは存在しない。

 

であれば、正義の味方もいないのか?と言えば、そうではない。

 

俺が憧れたのは、強さだけじゃなくて、その在り方だ。

 

覆面ライダーは、例え、超人的なパワーがなかったとして、正義の味方じゃないのか?と言えば違うはず。

 

人に親切にして、困っている人を助ける。

 

強い力で悪い奴らを薙ぎ倒すだけがヒーローじゃない。

 

だから俺は、自衛官を目指した。

 

空手に柔道、剣道を修め、勉強もそこそこやって……。

 

将来は、防衛大学を目指すつもりだった。

 

けど、いきなり、魔法高校魔法大学なんてもんができて。

 

親戚の自衛隊員の人が、「防衛大学に行くよりも魔法大学で魔法を覚えて、軍属の魔法使いである『特務官』になってもらった方が助かる」なんて話をしたもんだから、俺は進路を変えたんだ。

 

何でも、今は、軍属の魔法使いがたくさん必要なんだそうだ。

 

特務官の主な仕事は、当面は、自衛隊員に魔法を教える教官役だそうだけど、これからもっと役割が増えていく見込みらしい。

 

例えば、国防に役立つ魔法の研究や、魔法を使って魔法による犯罪に対抗するとか、色々とやることはある。

 

暫定的に、特務官は、下士官相当の権限を与えられるそうだ。

 

勤続年数と功績によっては、士官並の権限が得られるとも。

 

だから俺は、魔法使いを目指すことにした。

 

 

 

俺の名は藤原美津留。

 

今年度の魔法大学の首席だ。

 

うん……、首席になれてしまった。

 

どうやら俺は、勉強ができるらしい。

 

何も特別なことはやってないんだが……。

 

勉強なんて、教科書を読めば学校のテストなら満点を取れるし、入試用の参考書を何冊か本屋で立ち読みすれば、センター試験くらいならどうにかなると思うぞ?

 

まあ、それは良いや。

 

とにかく俺は、この魔法大学で……、覆面ライダーになる!!!

 

よくわからないけど、変身の魔法とかあるだろうし、それで!

 

 

 

「変身……?それは、日本の特撮ドラマのような?」

 

タコ足の学長がこてんと首を傾げる。

 

俺はそれに。

 

「はい!俺、覆面ライダーに憧れているんです!」

 

と返した。

 

高校の頃は、今だに覆面ライダーとか見てるのか?と結構馬鹿にされたものだが、俺は、他人に馬鹿にされたからと言って、自分の気持ちを曲げるようなことはしたくない。

 

「私は、それについてあまり詳しくない。貴方の言う覆面ライダーとはどんなものか?それを知らなければ助言ができない」

 

なるほど。

 

「えっとですね、初代覆面ライダーは、悪の組織に捕まって、有機的な改造手術を受けて、バッタの力を持つ超人に変身できるようになるんですよ」

 

「なるほど、それは可能。肉体を改造して、他種生命の因子を埋め込むのは、パンタジア暦124400年頃に流行った形式の魔法。しかし、日本の現行法的には不可能かもしれない」

 

う……。

 

まあ、そりゃそうだよな。

 

改造人間になる!とか、流石に法律が許さないだろう。

 

あ、そうだ。

 

じゃあ……。

 

「TriG方式はどうですか?TriGと言う、人間の手で作り出された超科学の強化スーツを身に纏って戦う、みたいな」

 

と、俺が提案した。

 

TriGってのは、警察が作った強化外骨格型の覆面ライダーのことだ。

 

「強化外骨格……、駆動鎧は、パンタジア暦136000年頃に流行した戦闘兵器。作成には、魔法陣学、魔法工学、魔法物性学など、魔法工学的な知識が必要」

 

「できるんですか?!教えてください!」

 

「了解した。貴方は、魔法基礎の授業を半月で終わらせたから、才能はあると思う。……まあ、私の旦那様は、あれくらい一時間もあれば覚えてたけど。旦那様は天才。私の愛弟子」

 

「は、はあ」

 

 

 

そんな訳で俺は、覆面ライダースーツの製作に取り掛かった。

 

実は俺、コスプレが趣味で、覆面ライダースーツの製作は何度かやったことがある。

 

結構本格的にやっていて、バイザーの中に電飾を仕込んで光るようにしたり、剣を振ると効果音が鳴るようにしたりとかするぞ。

 

俺、結構凝り性なんだ。

 

因みに、オリジナルのヒーローのコスプレもやっている。

 

さて……、覆面ライダースーツは著作権的にマズイから、俺のオリジナルデザインのヒーロースーツでやっていこうか。

 

まず、一番最初に必要なのは、丈夫さだな。

 

物理的に脆いようじゃ、ヒーロースーツたり得ない。

 

そして次にパワー!

 

素手で岩を砕くパワーが必要だ。

 

覆面ライダーのカタログスペックは暗記しているが、大体、パンチ力は一桁トン、キック力は十トンくらいだ。

 

更にスピード。

 

覆面ライダーは、二十メートルくらいジャンプできて、100mを五秒くらいで駆け抜ける。

 

それと……、自己修復機能も欲しいな。覆面ライダースーツには基本的に、時間が経てば回復する機能があるから。

 

更に、拡張性。これも必要だ。

 

新フォームはロマン!強化フォームも用意しなくては!

 

他にも、『バイク』『武器』『必殺技』が必要だな!それと、フォームごとの『特殊能力』も!

 

とりあえず、今年中にスーツの基本フォームだけ作ってしまおう!頑張るぞ!

 

 

 

「……できた!」

 

苦節八ヶ月!

 

俺の理想とするスーツができたぞ!

 

フレームは外骨格を俺の骨格と接続する『変成術』と『干渉術』のハイブリッド魔法を使用。

 

アクチュエータには、ワイバーンの筋肉を使った人工筋肉を採用。

 

バイザーは網膜と接続して、30km先まで見れる。その他にも、不可視の光線なども色付けして強調表示できるようにした。

 

音感も強化たりして、皮膚感触も鋭敏に。

 

しかし、一定以上の痛覚はカットするように調整。ここは苦労したなあ。

 

それと、『必殺技』の実装。

 

まず、このスーツの特殊能力として、『瞬間的な超高速移動』と言うものを実装した。

 

それを使って、超高速の一撃を叩き込む技、『ジャッジメントキック』を必殺技と定義してみた。

 

そして、変身アイテム。

 

変身アイテムはもちろんベルト!

 

ベルトには、撃鉄のようなものがついていて、そこに変身アイテムである弾丸をセットして、撃鉄を下すことにより、変身とフォームチェンジを行うこととした。

 

最後に、このスーツの名前は……。

 

「メサイア……、超人メサイアだ!」

 




書けねェッ……。

おもしろ文章が書けねえ!

書いちゃいけないことは理解し始めたけど、面白いことは書けねえぞ。

ってか昨日から足首いてーんだけどこれなに?

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