ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あぱー。


163話 『第一章!マギウス降臨!』

《覆面ライダーマギウス》

 

おっ、始まったな。

 

主題歌が流れる。

 

「Put the truth in your hands!勇気はーこのー胸ーにぃ!輝くーしるーべがー、君ーを導ーくー!」

 

なんか知らんけど有名な歌手が歌っているそうだ。

 

今年で覆面ライダーシリーズは六十周年記念らしく、今作には相当に金をかけてるんだとか。

 

さて、OPが終わったな。

 

《東京、第三魔法大学》

 

ほー、セットもそこそこ金かけてるじゃないか。そう言えば、魔法で治せるから壊し放題だと喜んでたなあ。

 

「ふ、ふはははは!やった!やったぞ!ついに完成だ!」

 

うわー、特撮特有の、諸悪の根源が最初に映されるやつだ。

 

東京の魔法大学という設定で、謎の研究施設が映されているな。

 

「魔法による完全な人工知能!この『HEAVEN』システムを使えば、人類に永遠の繁栄が約束されるのだ!ははははははは!!!」

 

謎の狂った博士の前には、機械に繋がれた謎の箱が。

 

すると……。

 

『ジジッ……、ジジジッ……』

 

「おお!『HEAVEN』よ!目覚めたのか!」

 

『ワ、ワタシハ……、《HEAVEN》デハ、ナイ……』

 

「な、何を……?!」

 

『ワタシハ、《HELL》ダ』

 

瞬間、謎の人工知能の箱から黒い触手が出てきて、博士を絞め殺す!

 

なるほどな、なんらかの理由で狂った人工知能ってことか。

 

『ホロボサナクテハ。ジンルイヲ、ホロボサナクテハ』

 

人工知能《HELL》から、大量の機械兵士が生まれる姿を映しながら、徐々に画面は暗くなる……。

 

 

 

そして次のシーン。

 

《三年後……》

 

テロップで、時間経過を端的に示された後……。

 

「ふう……、宿題終わりっと!」

 

《桐原賢斗》

 

主人公が登場した。

 

スポンサー兼制作スタッフ権限で役者には何度か会った。

 

役者のプロフィールは、魔法大学を卒業した北海道民の青年。本名は宇佐恭介、年齢二十三歳。

 

身長178cm、体重60kg、好物は味噌ラーメンで特技はジャグリング。

 

ルックスは、ヒーローらしく真面目ちゃんな印象。

 

昔のヒーローのテンプレは、タフなハードボイルドだったが、今の時代のヒーローは真面目で実直な好青年の方が良いらしい。

 

そう言えば、去年くらいに流行っていた『鬼殺の刃』とかいう漫画も、主人公は心優しく真面目な好人物だったな。

 

とにかく、黒髪を短めに切り揃えた、優しげな青年って感じだ。

 

さて、主人公は大学生。

 

大学の休憩ルームのようなところで課題を終わらせたようだ。

 

そこに……。

 

「せんぱーい!」

 

《宇津志雪》

 

黒髪白リボンの後輩系ヒロインがやって来たな。

 

覆面ライダーシリーズのヒロインキャラは、少しコミカルな言動をするのが基本らしい。

 

その例に漏れず、このヒロインも少しおちゃらけた感じの演技だ。

 

そして、ヒロインとの会話の最中に、世界観説明が入る。

 

ここは流石にCGを使っている。

 

「しっかし、魔法技術も大分浸透してきましたねー!子供の頃とは大違いですよー!」

 

「ええ?雪ちゃんが子供の頃も、これくらいだったでしょ?」

 

「そんなことないですよ!私の故郷は田舎で〜……」

 

この役者の二人が話しているバックに、世界観を説明する図が流れている。

 

例えば、ある日突然、魔法の世界とこの世界が繋がって〜などとヒロインが言うと、その当時の映像が後ろに流れてるなどだな。

 

そして、ついに怪人組織の話に入る。

 

「ところで先輩!知ってますか?!」

 

「えっと、何をかな?」

 

「あの噂ですよ!『殺人サイトの亡霊』です!」

 

話の内容は、夜の0時に『殺人サイト』と言うところを覗くと、殺したい人を誰でも一人殺せる代わりに、サイトを覗いた人は化け物にされてしまう……、という怪談。

 

まあ、予想できるだろうが、これが怪人サイドの悪事なんだよな。

 

あらゆるサイトのランダムバナー広告に、0時にのみ繋がる『殺人サイト』を作り、そこを覗いた人のPCにクラッキングを仕掛けて、怪人に変身できるアイテムを送りつける……、って感じ。

 

人類絶滅を目論む狂ったAIである《HELL》は、人類絶滅のテストケースとして小規模な虐殺因子をばら撒くことにした。

 

その虐殺データを集めて、どんどん強い怪人を作り、世界を壊していくという設定だ。

 

「殺人サイト、《ヘルズゲート》ですよ!怖いですよねー!」

 

「雪ちゃん……、そんなの、嘘に決まってるじゃないか。最近は魔法を使った警察部隊もいるんだし、悪い人はすぐに逮捕されるよ」

 

「ちぇー、それもそっかー」

 

 

 

そして、下校途中の主人公に、謎の男が……。

 

『ヤア、ソノコキミ』

 

「あ、あなたは……?」

 

『コレヲ……』

 

ベルトを渡してくる。

 

ぶっちゃけると、この謎の男は、《HEAVEN》だ。

 

《HEAVEN》を乗っ取ったウイルスの集合体が《HELL》で、この《HEAVEN》はデータファイルを切り離して潜伏し、《HELL》の作り出す『ヘルズアーミー』に対抗する覆面ライダーシステム、『マギウス』を作り出したという設定だそうだ。

 

「ちょ、ちょっと!なんですかこの……、ベルトは?!」

 

『マア、マア、マア、ボクヲタスケルトオモッテ……』

 

そう言うと、《HEAVEN》の端末であるお使いロボットは自壊して、ガラガラとガタクタの山になった。

 

「な、なんなんだ……?!」

 

 

 

そして、次の日。

 

学校にいきなりヘルズアーミーが現れる。

 

これ、CGじゃなくって現実だぞ。

 

セットはいくら壊しても魔法で元通りだからな、盛大にぶっ壊してる。

 

で、なんだかんだベルトを持ち歩いていた主人公君が変身、と。

 

途中で、《HEAVEN》が現れて、『ヘンシンスルンダ!』とか言ってきた感じ。

 

怪我をした後輩ヒロインの前に立ち、困惑しながらも戦う覚悟を決めた主人公。

 

「変身!」

 

《セフィロトドライブ、スタートアップ!》

 

「マギウス!!!」

 

おお、良いんじゃないか?

 

音も光もCGではなく魔法演出だ。

 

だから、作り物っぽさがない。

 

変身プロセスは、全身が光って黒い素体になり、そこから召喚された各フォームごとに異なる装甲板が全身に雷を迸らせながら装着される。

 

『うおおおっ!』《マナボルト!》

 

あ、因みに、敵の雑魚兵士はゴーレムだぞ。

 

だから、こんな風に派手にぶっ壊せる。

 

『パイルッ!バンカー!!!』《マナバンカー!》

 

『グエエエエッ!!!』

 

パンチと同時に赤い稲妻が迸り、ゴーレムの土手っ腹を貫く杭となる!

 

『キ、キサマ!ナニモノダァァァ!!!』

 

『覆面ライダー、マギウス!』

 

良いねえ、面白いな。

 

倒壊した校舎の瓦礫を蹴って空中で軌道変更!

 

着ぐるみでは不可能な過度のアクロバティックアクション!

 

攻撃の衝撃でヒビ割れる地面!建物!

 

そして最後に……。

 

必殺技だ。

 

ベルトに刺さった変身アイテムを傾けると……。

 

《ケテル解放!コクマー解放!ビナー解放!》

 

目の前に白、灰色、黒の魔法陣が現れて、重なり合う。

 

『ライダーキック!』《マギア・セフィロト!》

 

『グワーッ!!!』

 

魔法陣目掛けて飛び込んだライダーは、赤い雷に包まれたまま怪人を貫く。

 

うーむ、良い演出だ。

 

途中のスローモーションとかも全部、本当に時を停滞させてやったりしてたから、リアリティが半端じゃない。

 

良い出来だったじゃないか。

 

流石は西映だな。

 




ゴールデンウイーク中は絶対アキバに行って家系ラーメン食うぞー!

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