さて、テロ事件で日本の国威にダメージが入り、いつものように野党の人達が国会でクイズ大会を始めている晩春の日本だが。
俺には全く関係ないので、この世界の冒険者の様子でも見ておこう。
ダンジョン。
かつて、亜人大陸が地球に転移してきたばかりの頃の話。
その頃は、亜人国家側が、地球環境への配慮により、亜人国家から溢れる魔力の粒子……、『魔素』を、亜人大陸内部に押し留めていた。
だが、ある日。
某北の国からミサイルが飛ばされて、亜人国家は激怒。
報復として、押し留めていた魔素を解放したのだ……。
するとどうなったか?
まず、地球の魔素の濃度が爆発的に高まり、高い魔力を持った生物が続々と生まれていく。
今はまだ大きな問題は出ていないが、これからどんどん、地球上の生物がモンスターに進化していくだろう。
そしてついには、魔素が結晶化し、亜空間を形成。
……『ダンジョン』が、地球上に生まれ始めたのである。
ダンジョンはその名の通り、モンスターの潜む迷宮。
アカシックレコードに記載された魔法的生命体であるモンスターの姿を作り出し、魔法的な物質が出土する。
しかも、アカシックレコード……、あー、世界の記録のことなんだが、これも、亜人国家側の魔素が大量に流れ込んできたせいで、亜人国家基準になってしまっている。
本来、この世界の魔素でこの世界のダンジョンができたならば、この世界のアカシックレコードに記載されたモンスターが出現するのが当然なんだが……。
亜人国家の魔素が大量に流入して世界を塗りつぶしてしまったので、アカシックレコードも混ざり合い、亜人国家世界側のモンスターが湧くようになってしまった。
今はまだ、ダンジョンによる被害は数百万人程度だが、ダンジョン内で生き物が死ぬと魔素に変換されてどんどん成長していくので、亜人国家のシンクタンクによるとあと百年ほどで反亜人国家はダンジョンから湧き出るモンスターに対処できなくなり、全て滅亡するとのことだ。
まあ、特に問題はない。
実際、今、亜人国家と親交を持ち、魔法技術を取り入れるのがデファクトスタンダードとなってきている。
最初は反亜人国家を表明していたような国も、早い段階から亜人国家と親交を深めていた国がとんでもないレベルの好景気になっているのを見て、全力で土下座してくるようになったってケースも少なくない。
現在、亜人国家との敵対を公言する国は、もう引っ込みがつかなくなってしまったか、心底アホ過ぎて現状を理解していないかのどちらかだ。
そんな近いうちに死ぬ連中のことはどうでもいいか。
冒険者だ。
ダンジョン発生により、亜人国家に金を払わなくても魔法的物品が手に入る!という訳で、はしゃいだアホ達に通された法案により、日本人も武器を持ってダンジョン攻略してOKですよと。
そんな話になったのは数年前のこと。
当初は、自殺志願者か?と思えるレベルのカスで溢れていた冒険者だが、今はどうなっているだろうか?
うちのメイドホムンクルスの一人を、東京都秋葉原にある最も人気なダンジョン……の管理局に派遣した。
見学くらいならOKらしい。
役所のようなものだから、関係者以外立ち入り禁止という訳ではないそうだ。
なので、見学をさせてもらう。
日本にあるダンジョンの総数は、現在、およそ五百ほど。
単純計算では、一つの県につき十のダンジョンがある感じだ。
えー、で、だ。
ダンジョンにより、中の様子が違うとか、出現モンスターが違うとか、そういうのは当然ある。
ある、が……。
この秋葉原ダンジョンは、特に注目されている素材が得られると評判だ。
故に、冒険者もかなり多い。
最高到達階層も五十を超える大金星。
亜人国家のダンジョンをバリバリ攻略しているような魔法大卒冒険者に至っては、百階層を突破していた。
今や、秋葉原は、オタク君達が集まる電気街ではなく、冒険者の街へと変わってしまっていた。
だがそれも仕方のないこと。
そもそも、ここにいる冒険者というのは基本的に、「元オタク君」だからな。
いやだって仕方ないよな?
秋葉原にいるオタク君達が、ダンジョンとか冒険者とか聞いて、食いつかない訳がないだろう?
ダンジョン攻略よりよっぽど楽な肉体労働は嫌だというのに、ダンジョンにはノリノリで潜るアホが、まさかこんなに多いとは俺も予想外。
俺は自分のことをそれなりに賢いとは思っていたが、地球人は本当に信じられないようなことばかりするな……。
予測不能だよ。
まあそんな訳で、オタク君達は冒険者になっている。
すなわち、自分好みのリビングドールを家で侍らせて、ダンジョンで戦って金を稼ぐ、と。
オタク君とは言うが、別に馬鹿にしてはいないぞ?
世の中にはオタク君よりも価値がない、「何にも興味がない奴」とか本気で救えない奴も少なくないからな。
ここにいるオタク君達は、少なくとも、好きなものに熱中できる存在だ。
熱中とは、金と時間をかけるということ。
つまり、冒険者としてカッコよく戦って、愛しいリビングドールに褒められたい!と、それだけを考えて生きているオタク君達は、冒険者としてかなりストイックに鍛えている訳なんだよ。
昔、ダンジョンができたばかりのことの話、覚えているだろうか?
今は、ダンジョンに入場できる資格を取れば、武具も買えるし魔力覚醒処置も有料だが受けられる。
なのだが、馬鹿な食い詰め者などは、武具代も魔力覚醒処置の代金もケチり、大怪我して帰っていったな。
だが、オタク君達は、そう言うことをしないのだ。
金と時間をかけて、過剰なまでに武具を揃えて、過剰なまでに身体を鍛えて、戦闘用の魔法を覚えてから、ダンジョンに来る。
武具や魔力覚醒処置、魔法講習や教本……。
それらの代金は、オタク君達が普段から買っているカメラやらクルマやらと比べれば安い安い。
一ヶ月分ガチャを我慢すれば、魔力覚醒処置なんて余裕で受けられる。武具だって良いのが買えてしまう。
オタク君達が、その集中力で本気で訓練すれば、そりゃあまあ、それなりに強くなるのは当然なんだよなあ……。
そんな元オタク君、現冒険者達が集まる、秋葉原。
その駅前にあるギルドは……。
常に数千人もの人が存在する、超巨大施設となっていた……。
マッスル系スパダリ主人公が行く暗鬱特撮魔法少女もの?!!!!
まどマギやらシンフォギアやらFateやらみたいな、やたらめったら暗くて重いバックボーンを抱えた女の子達がゾロゾロと出てくる話で、地球壊滅規模の陰謀やら何やらが蠢く中、マッチョ主人公が筋肉一点突破でありとあらゆる困難や鬱ストーリーを破壊していく話。
普通の人では見えない触れない殺せない怪物を「え?勘で殴った」の一言で叩きのめし、暗鬱バックボーン持ちヒロインのトラウマやらを腕力で解決!そしてヤンデレへ……。
書きてえ……!