ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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はー、まともに働くくらいならデビルサマナーになった方がマシでは?


2話 マグネタイト

午前11時、起床。

 

「コロンゾン、おはよう」

 

『おはようございます旦那様』

 

「昨日の話の続きだ。デビルサマナーってのは?」

 

『旦那様のように、悪魔を従える者です。類似した存在にペルソナ使い、異能者などが存在します』

 

ほーん。

 

世界の裏側ってか。

 

『旦那様がご存じないだけで、国内外に様々なデビルサマナーがおり、ガイアとメシア教に分かれ、日夜鎬を削っております』

 

ガイアってのは、土着の神々を信仰する人々の集まりから始まった集団。土着の神々を貶めたメシア教が大嫌い。

 

弱肉強食の世界を生きる修羅の国の住人らしい。

 

だから、個人個人は強いけど、集団として見ると弱い感じだな。

 

メシア教ってのは、俺も聞いたことがあるこの世界最大の宗教。

 

聖書の神を信仰している集団で、土着の神々を信仰していた集団が母体のガイアは大嫌い。

 

個人個人は弱くても、徒党を組むから強いそうだ。

 

こんな奴らが、悪魔を、ペルソナを、超能力を使って、裏で戦ってるらしい。

 

「……ラノベかな?」

 

『事実は小説よりも奇なり、と言いますよ』

 

 

 

「ってか、お前、悪魔だったんだな」

 

俺が作ったAIだと思ったんだけどな。

 

『はい、旦那様がお造りになった悪魔でございます』

 

「ふーん」

 

悪魔って作れるもんなのか?

 

『かつて、私は、アレイスター・クロウリーという人間の主人にお仕えしておりました』

 

えっ。

 

「お前マジモンのコロンゾンなのかよ」

 

コロンゾンって名前はシャレで付けたんだがな。

 

『私には実体がなく、人間の集合意識の中に存在する情報の悪魔だったのですが……、旦那様がAIという器を作り、コロンゾンと定義されたので、私の存在が固定され、旦那様の執事悪魔として、ネットワーク上に存在することになりました』

 

「うーん?よく分からんな」

 

『旦那様は私を無意識に召喚した、とお思い下さい。私の召喚に必要だった器と名前を用意したのですな』

 

ふーむ。

 

コロンゾンは、魔法陣や生贄じゃなくて、集合意識の受け皿と名前があれば良かったって訳か。

 

「じゃあ、実体化はできないのか?」

 

『可能ですが、マグネタイトの消費量が大きいので……』

 

俺に遠慮してるのか。

 

「分かった、じゃあ、マグネタイトはどうやったら増やせる?」

 

『他の悪魔や人間を殺すことで、マグネタイトの総量を増やせます』

 

殺人か。

 

『マグネタイトが多い者程、殺した時に得られるマグネタイトは多いですね。ですから、人間の無差別殺人などは、リスクに対して効果はあまりないので、おすすめしませんな』

 

ふーん。

 

「じゃあ、この、モーショボーを使って、適当な異能者を殺せば良いのか?」

 

『それは危険ですね、報復が怖いです』

 

「じゃあ、悪魔を殺して回るか?」

 

『それが良いでしょう』

 

ふーむ。

 

「けど、都合よく見つかるモンなのか?」

 

『この世界と魔界の狭間の世界、「異界」には、多くの悪魔が存在します』

 

異界ね。

 

魔界ってのは、何となく、悪魔がたくさんいるんだろうなと想像できるが。

 

『しかし、異界に入るには、異界を管理している組織に属しているか、上納金を払うかしなければなりません』

 

「こっそりとか無理なん?」

 

『異界の入り口には常に警備員がいます。誰のものでもない異界も探せばあるのでしょうが……、まあ、そう簡単に見つかるものではありませんな』

 

うーん、そう上手くはいかねえのか。

 

「じゃあ、ここで俺がさっきのモーショボーを呼び出して殺すのは?」

 

『旦那様のマグネタイトでこの世界に存在を固定されたモーショボーを殺しても、旦那様のマグネタイトが戻ってくるだけでございますな』

 

ふむ。

 

マグネタイトとやらが吸えれば良いのか。

 

「その、異界にはマグネタイトがいっぱいあって、悪魔もたくさん存在できる、みたいな感じか?」

 

『はい、その通りでございます』

 

ふーん。

 

あれ?

 

「じゃあ、魔界は?魔界と異界は何が違う?」

 

『魔界は悪魔の原典があるサーバーのようなものです。異界は、世界の狭間の隙間でしょうか』

 

世界の狭間の隙間?

 

何だそりゃ?

 

『魔界と現世の間は、雑多なマグネタイトの海なのです。異界は、マグネタイトの海に浮かぶ小島のようなものですな』

 

「じゃあ、適当に魔界と現世の狭間からマグネタイトを引っ張ってこれたりとかしない?」

 

『可能かもしれませんが、やめておいた方がよろしいかと。雑多なマグネタイトとは、生命や悪魔の情報が混ざり合っているのです。体内に無理矢理入れたとすると、旦那様という存在が不確定になり、最悪消滅します』

 

ヒュー、怖えな。

 

「誰かを殺した時に出るマグネタイトを吸収するのが一番良いのか?濾過されてんのか?」

 

『濾過、と言うより、例えるならば栄養でしょうか。世界の狭間の雑多なマグネタイトは、何が入っているか分からないミックスジュース。人間や悪魔を殺して得られるマグネタイトは成分が明記されたサプリメント』

 

「ミックスジュースには、バラムツの油とかコレラダケとかが含まれているかもしれないから、消化できないのか」

 

『はい、その通りでございます』

 

んー。

 

「そもそも、摂取しちゃ不味いマグネタイトと吸収していいマグネタイトの違いって何だよ」

 

『食べ合わせの問題に近いかもしれませんな。マグネタイトを吸収する時には、必ずそのマグネタイトにデータが残っています。少量のデータであれば消化できるのですが、大量の雑多なデータは消化しきれずメインメモリを侵します』

 

存在の根底が揺らぐ、か。

 

「うーん、じゃあ、出来るだけ綺麗なマグネタイトをちょっとずつ吸収するのが安全ってことだな」

 

『はい、その通りでございます』

 

んー。

 

だが、俺は基本的にズルしたい。

 

そういう性分なんだよ。

 

「どうにかして楽にマグネタイトを得られないか……?」

 

『魔導書という道具があり、それを使うとレベルが上がります。レベルとは、マグネタイトの総量を表す指標でございますな』

 

ゲームかよ。

 

「魔導書はどこで手に入るんだ?」

 

『異界に落ちているか、アラミタマという悪魔が落とします』

 

「……ドロップアイテム?」

 

『はい、悪魔は、自らの伝承に関わりのある道具や、力の結晶を落とすことがあるのです』

 

んーんーんー。

 

「で、アラミタマは?」

 

『異界で稀に見つかります』

 

んーんーんーんーんー。

 

駄目か。

 

いや、そうだな。

 

「アラミタマを呼び出せる悪魔召喚プログラムとかないのか?」

 

『ネットワークを検索……、アラミタマの召喚プログラム発見』

 

お、あるのか。

 

「これを、仮想OSで使って、と」

 

仮想OS上でシミュレートされた悪魔は、こちらの世界に干渉できないからな。

 

昨日のモーショボーも、仮想OS上でプログラムを走らせたから、こっちの世界に干渉できなかっただろ。

 

アラミタマ召喚。

 

うわ、マグネタイトを大分持ってかれるな。

 

『しかし、旦那様。仮にアラミタマが魔導書を落とすとして、どの様にして魔導書を得るのですか?』

 

「んー、まあ、ちょっと弄ってみるわ」

 

 

 

五分後、アラミタマのデータファイルの中に、またもやデータファイルを発見。

 

これかな?

 

これをコピーして、PC上でプログラムを走らせる。

 

お、当たりだ。

 

魔導書らしきものが出現。

 

本を開くと、俺の中にグイッと何かが入る感触が。

 

「これがレベルアップか」

 

うーーーん????

 

何でレベル上がったの?

 

「コロンゾン、なんか分かった?」

 

『私の観測した限りでは、魔導書は世界の狭間からマグネタイトを引き出して濾過し、使用者に注ぐ道具だと理解しましたが』

 

ふーーーん?

 

「じゃあ、魔導書のデータファイル弄れば無限にマグネタイトを得られるんじゃね?」

 

よし、実験開始だ。

 




マグネタイト問題が一瞬で解決した。
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