邪教、メシア教に目をつけられたのは確実だ。
激レア蘇生アイテム道返玉をネトオクで投げ売りするアホ、もしくは金満金蔓と思われているらしく、ちょくちょくハッキングが来る。
なので、ネットオークションのアカウントを削除して、それに使った捨てアドにトラップをこれでもかと仕掛けた上で、俺と繋がる可能性がある痕跡を全て削除した。
今、手持ちの資金は五十億円と少し。
これを使って、今住んでいる東京に拠点を作る。
畑、牧場、シェルターなどを買いたいところだが、それはもっと金を集めてからだ。
とりあえず、立派過ぎず、汚過ぎない程度のオフィスビルを一軒丸ごと、三億円で買い取る。
場所は東京の大手町にした。大手町は毎日のように工事やら何やらをしているオフィス街だ、いきなりビル一つ買っても怪しまれる可能性は低い、と思いたい。
まずは、手下を増やさなきゃならない。
鬼女:ユキジョロウ、鬼女:ロクロクビ、怪異:カシマレイコ、妖鬼:モムノフ、鬼女:フタクチオンナ、外道:テノメなど、下手打たなきゃギリギリ人間に、それも日本人に見える悪魔の本体を複数召喚。
レベルは順に、15、10、18、25、8、8となっている。
こいつらは、社員兼警備員として働かせる。
スーツでビシッと決めた妖怪の姿は面白い。
白髪の雪女郎は白髪染させて、ろくろ首には結い髪ではなく、現代風のハーフアップにしてもらった。
清掃員に妖獣:キキーモラと妖精:シルキーを配置。
外国人雇用枠でーす!みたいなノリで妖魔:ヴァルキリー、レベル30も配置。
そして、地母神:ハリティー、レベル30を何とか召喚して、回復役として設置。
そして、オブザーバーに怪異:アンサー、レベル20を召喚。
これが一番大事だ。
怪異アンサーは、日本の都市伝説から生まれた悪魔で、九個のありとあらゆる質問に答えるが、最後にこちら側に質問をしてきて、それを答えられないと身体の一部を奪われるというもの。
何が凄いかって言うと、このレベル帯域で未来予知が可能ってところだ。
ヴァサゴ、イポスなんかも未来予知はできるが、アレらはソロモンの君主、レベルは45程にもなる。
従える自信がない。
アンサーは、質問に答える能力に特化していて、戦闘能力は皆無だが、聞けば必ず正しい答えが返ってくるのは素晴らしい。
もちろん、百パーセント信用はできないかもしれないが、大まかな指針にはなる。
アンサーは、携帯電話の姿で現れた。
『我は、アンサー。これからお前の質問に必ず正しい答えを返す。だが、九回質問を聞いた後は、俺が質問する。答えられねば身体の一部を奪う』
「OK、了解。じゃあ、早速一つ目の質問だ。俺は、デビルサマナー界の一大勢力を作り、世界の崩壊を防ぎ、尚且つ俺が死んだり、死ぬよりも辛い思いをしたりしないようにしたい。その為に何をすればいいか教えてくれ」
『まず、お前の無限レベル上げ技術でレベルを80まで上げ、バラムとダンタリオンを召喚し、バラムにこのビルの内情を隠させ、ダンタリオンに幻を写させるのだ』
バラムは姿を隠させることができる。
ダンタリオンは幻を見せる。
どちらもソロモンの悪魔だな。
いや、堕天使にカウントされるのか?
『そして、コロンゾンに命じて、お前自身がCOMPに入れ』
「えっマジで?」
『マジである。そして、COMPの中で、コロンゾンに命じて、お前の生命データを改編させ、魔人へと転生しろ。考えうる限り最高のスキルをインストールし、耐性を調整したら、戦力になる悪魔を多数召喚しろ。悪魔は、データを改編し、女の姿にしてから、情を交わせ。さすれば、裏切りの可能性を減らせるだろう』
「えっマジで?」
『マジである。その後は、お前の考えている通りに、魔導書を改編し無色マグネタイトを次元の狭間から吸い取るマグネタイトジェネレータを手下の悪魔に持たせ、お前はコロンゾンと共にアイテムの大量生産をして、インターネットでオークションサイトを作り、売り捌け』
は?
いや待てよ、そんなことしたら口座番号から正体モロバレだろうがよ。
『口座は、外道:ドッペルゲンガーを召喚しろ。現在、肉親もおらず、本人は自殺し、行方不明とされている斎藤秀明という男が、東京都足立区の三丁目二番地にある足立ハイツの105号室に住んでいる。昨日、家の中で首吊り自殺し、死体もそこにある。そこに侵入してドッペルゲンガーに死体を食わせて、斎藤秀明に成り代わらせ、以降は斎藤秀明の口座を使え』
成る程、そう来るか。
『以降、コピー斎藤秀明を表の取締役として合同会社を設立し、マジックアイテムのネット通販を行え。そして、いずれガイア教から呼び出されるから、それまでに異界で鍛えておけ』
「でも、俺に使えるような小さな異界は実入りが少なくて、意味がないだろ?」
『異界については、お前の開発した、魔導書を利用した無色マグネタイト収集システムを使って、買い取ったこのビルにマグネタイトをばら撒き、異界にしてしまえ。そこで存分に訓練しろ。英傑:カンセイテイクンと英傑:ジークフリート、英傑:ヨシツネを呼び出し、武技を習え』
カンセイテイクン、関羽だな。
それと竜殺しの英雄、ジークフリート。そして、源氏の武者、義経。
成る程、悪魔召喚プログラムは英傑も呼び出せる。
過去の英雄達に武技を習え、ってことか。
『ガイア教からの呼び出しに応じ、ガイア教の前で圧倒的な力を見せ、他の組織を牽制しろ。そして、ヤタガラスとは出来るだけ友好的に接して、メシア教には気を許すな』
「ん?あれ?なんか段々心構えの話になってきてない?」
『……古今東西、未来を予知できる悪魔は多数存在するが、本当に正しい、確定した未来を予知することはほぼ不可能だ。そして、先のことほど確率が揺らぐから、分からない』
成る程、つまり、悪魔の力にも限界があるのか。
『魔界に存在する全能の神々の本体ともなれば、ほぼ確実と言える精度の予知が可能だろうが、私は単なる都市伝説から生まれた弱い悪魔だ。質問に答え、相手の肉体を奪う、これしかできないのだ』
そう、か……。
「次の質問だ。俺が召喚すべき悪魔は?」
『盾役に邪鬼:ギリメカラ、龍神:黄龍。攻撃役に破壊神:シヴァ、堕天使:サマエル、サポートに魔神:ヴィシュヌ、天津神:アマテラスが良いだろう。そして、控えに死神:モトと邪神:デミウルゴス、地母神:アシェラト、大天使:メルカバーだろう』
「無茶言うなボケ!そんなヤベー超高ランクの悪魔を従えられる奴なんてこの世にいねえよ!!!」
そもそもデータもないしな!
『お前が魔人を超え、混沌王に生まれ変わった時には、あらゆる悪魔が従うだろう』
「マグネタイトも足りねーわ!神族なんて召喚したら三秒で干上がるっつーの!」
『その辺りは、お前自身が、マグネタイトジェネレータを増やすなり、悪魔にジェネレータを取り付けるなり、工夫をしろ』
……まあいいや、とにかく人間やめろってことか。
「三つ目の質問。お前が今俺にオススメした悪魔の召喚方法を教えろ」
『不可能だ。私はD言語を理解していない。なので、古典的な儀式による召喚方法を今から教える。それを、D言語で、電子世界で再現しろ。まずシヴァは……』
そんな感じで、データを得た。
「四つ目の質問だ。俺を狙ってるメシア教の目的は何だ?」
『利益確保。それ以上のことは、私の力では分からない。私より強い悪魔が幻影を見せている。恐らくはラミエルだろう』
ラミエル……、雷と幻視の天使だったか。
「五つ目の質問。悪魔だけで人員を揃えるのは不確かだ。確かに悪魔はD言語プログラムを弄れば俺に逆らえなくなるが、マグネタイトが切れれば自壊する。だから、人間の手下も欲しい。誰を仲間にすれば、裏切られず、戦力と労働力を確保できる?」
『それは……』
今作での設定では、今代のライドウ(十八代目くらい?)は帝都東京に、今代のゲイリン(二十四代目くらい?)は旧都京都にいます。他の四天王は後継が今の所いません、登場しません。キョウジとか言う敵をカードにして燃やすキチガイはクズノハの暗部として存在します。
今代のライドウとゲイリンはどっちも若いので、出会う機会もあるでしょう。
ところで性別どうします?いっそ女ライドウにして口説いちゃいます?
あと、女悪魔とやりまくってデキた子供が冒険するデビルチルドレン編とかも考えました。