ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

595 / 1724
短め。


9話 社内の様子

我が社の社員をスカウトしようか。だがその前に、現状の確認をしよう。

 

……うち、百人近くの悪魔を従業員にしてるんだけどね、全員フル稼働してるんだよね。

 

労基は守って働かせているけど、表で名乗っている美術商みたいなキラキラしたアレではなく、やっていることはゴリッゴリの工場だ。

 

まず、様々な形の業務用ダンボールを買いまくり、それに人力でアイテムを箱詰めして、ヤマト運輸に投げる。

 

この、人力でアイテムを箱詰めする工程が割とだるい。

 

悪魔百人を使って、一日数千個ものアイテムを梱包しなきゃならない訳で。

 

つまり、アイテムを布や紙で包んで、梱包材にくるんで、丁寧に箱詰めして、発送先の住所を書き入れて、業者のトラックを呼んで……。

 

それを、一人につき一日数十個くらい梱包しなきゃならない。

 

地味に重労働である。

 

人員が、足りないのだ。

 

悪魔も増産しているが、あまり悪魔任せにしたくはない。

 

会社の規模が大きくなれば、偽装が困難になるからだ。

 

いずれ、偽装がバレる時は来る。

 

だからそれまでに、どれだけ勢力を大きく出来るかが重要だ……。

 

 

 

「なあ、ミナ?何で会社をDDSnetって名前にしたの?」

 

「んー?それはね、デジタルデビルセーフティネットって意味よ」

 

「インターネットとセーフティネットのダブルミーニングか」

 

そんな話をしつつ、会社を見て回る。

 

五階建ての中古ビル、東京都大手町のオフィス街の、中心部からやや外れた目立たないところにある。詳しく言えば日本橋の辺りかな?

 

近くには沢山の飲食店と、銀行、コンビニ『Yin&Yan』がある、それなりに良い立地だ。

 

駅からはちょっと遠いが。

 

表向きには、金王屋と名乗っていて、美術品の販売をしている商社。

 

ビルの一階は、金王屋の受付になっている。

 

飛び込みで営業マンが現れた時にはビビったが、うちの会社は独自ルートで仕入れをやってるのでと断る。

 

二階は倉庫兼ギャラリー。

 

ぶっちゃけ、裏社会のアイテムと比べれば、表の世界の美術品なんて安い安い。

 

一つ数百万円くらいの絵や壺なんかを、召喚した妖精:リャナンシーの力を借りてそれっぽく配置。

 

リャナンシーはマグネタイトをやると芸術に関するスキルをくれるのだ。

 

そんな感じで、いくつか芸術品を飾っておいて、裏側は倉庫ということにしておく。

 

倉庫はマジックアイテム置き場になっている。

 

三階は社員用仮眠室、リフレッシュルーム。

 

四階は古美術品修復室……、と言う名の作業部屋。

 

ここで梱包やアイテムの生産を行う。

 

コロンゾンの認可の下でなければ使えないマグネタイトジェネレータと、アイテム生成機が置いてある。

 

五階は会議室や社長室。

 

ドッペル秀明の社長室は、成金っぽい嫌味さをにじみ出させた傑作で、ドッペル秀明もわざとらしくない程度に、純金の小物やロレックス、そこそこ高い外車などを使わせて、馬鹿社長感を醸し出しておく。

 

たまに来る営業マンも、ドッペル秀明の成金感に引いてくれるので、外部とのやり取りは少なくなっている。

 

地下は、異界になっていて、訓練所として活用できる。一般人は立ち入り禁止で、会社のトレーニングルームと言ってある。

 

いずれ、DDSnetが隠しきれないくらいに拡大する時が来る。

 

その時まで、金王屋には隠れ蓑として役だってもらわねば。

 

 

 

では、早速、社員を集めてこよう。

 

怪異:アンサーに対して質問をしまくり、人間の社員のスカウト先を教えてもらったので、その通りに行動する。

 

怪異:アンサーの凄いところは、一回の呼び出しで実質八回もノーリスクで質問でき、一日に何回でも呼び出せるところだ。

 

確かに、アンサー自体はレベルも低く、戦闘能力もゼロに等しいし、権能である全知もあまり強い力はない。

 

しかし、圧倒的なローコスト、ローリスクで、疑似的とは言え全知の存在に質問が何回でもできるというのはあまりにも強力だ。

 

それにより分かった、六人の資格がある日本国内の人間をスカウトしに行く。

 

うち一人は小学生の女の子なので、あんまり戦力にカウントしたくはないのだが……、俺が助けないと死ぬらしいしな。

 

そもそも、その小学生の女の子は、呪殺……、ムド系の魔法に目覚めてしまっているらしく、既に自分をいじめてきた同級生を殺してしまっているらしい。

 

そうなるともう、裏社会で生きるしか道はない。

 

手も触れず、証拠もなく、視界に入った人間を呪い殺せる……。

 

そんな人間が、表の社会でまともに生きていくことは、残念ながら不可能だ。

 

目覚めてしまった異能を無理矢理取り上げることもできない。

 

まあ、そんな感じで、このスカウト予定の六人は全員、身寄りもない独身者で、訳ありで、全員が暗い運命にあり、そして強い精神と高いポテンシャルがある。

 

この狭い日本で、そんな都合がいい存在が六人も見つかったのは奇跡だな。

 

よし、じゃあ、スカウトしに行こうか。

 




女ライドウやりますっかー?

でもそうすると組織がライドウ寄りになっちゃう恐れが……。

なんとかライドウを取り込む……?

……どうやって?

いやいや、ライドウは御国のために滅私奉公する人だから、日本への協力を引き換えに……、ってそれじゃ身請けじゃねーか!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。