「うんうん……、良し!」
「これで良いのか?」
「うん!お兄ちゃんはお髭を生やした方がかっこいいよ!」
ありすのアドバイスを受けて、髭を生やした俺、真上天津、29歳。大丈夫これ?洋物のAV男優っぽくない?
「そういや、ありす、その……、中学校に行かせてやれなくて、ごめんな」
「良いんだよ別に?お勉強なんて、家でもできるじゃない」
その能力から学校に通わせず、自宅で家庭教師に勉強を教わる野母ありす、13歳。
二人のタッグで、銀座の異界に挑んで二週間。
そろそろ、チーム変更の時期だ。
「あ、あの、よろしくお願いしますね……?」
「ああ、よろしく」
相変わらず良い体してんなぁ、真由子……。
ムチっとしてて出るとこ出てて、少し弛んだ二の腕もここ最近のデビルサマナー稼業で引き締まり……。
編まれた黒髪からふわりと香る女の匂い……。
別に熟女好きとかじゃないんだが、女って若さじゃねえんだなと思い知らされるわ。
「そ、その、アマツさん?」
「いや……、今日も真由子は、本当に美人だから見惚れてた」
「そんな……、私に美人だなんて勿体無いお言葉ですよ……」
そうは言いつつも頬を染める真由子。褒められ慣れていない様子だ。
真由子はあれだよな……、女にモテないタイプの女だ。
控えめで美人、自己主張は弱い。そして優しいと言うよりは甘い。
男には好かれるだろうが、女には好かれないだろうな。
事実、前職の飲食店のパートでも、店長のジジイにセクハラされ、他のパートのババアにその美貌を嫉妬され、いじめられてきたらしい。
驚いたことに、真由子はこれだけ美人なのに、男運ゼロで友人もロクにいないとのこと。親や恩師にも恵まれず、今までずっといじめられっ子だったらしい。
本当に奇跡的な確率で生まれた現代の薄幸美女ってことだ。
なので、無理矢理な身体接触を避けながらも優しくして、頼れる男を演じたら、びっくりするくらいコロっと堕ちた。
「真由子はもっと他人に頼って良いんだぞ」的な、甘いセリフを囁いてやれば、陥落するのは早かった。
前の男に相当仕込まれたらしく、床の作法はかなり上手い。
愛していると言いながら抱きしめてやれば、嬉しそうに抱き返してくる、本当に可愛らしい女だ。
それに、優柔不断だが、情に厚いところがある。
そこをうまく利用して、闘争心なんかを引き出せれば……。
底辺デビルサマナーとしての仕事は、なんて事のないものが殆どだ。
出てくる悪魔も、レベル10以下の雑魚悪魔ばかり。
しかしそれでも、悪魔すら見えない真性の一般人であるレベル0の状態から覚醒してレベル1異能者になり、レベル10の一人前のデビルサマナーになるまでに、大体二、三年。
加速度的に上がりづらくなるレベルを上げようと思えば、レベル20まで十年、30まで更に十年以上、それ以上は才能の世界って感じだな。
俺のように、狡い手段で一日に一つ二つレベルを上げられるのはチート以外の何物でもない。
レベル1の外道:スライムであっても、人を殺すくらいの力は平気である。
あ、この世界のスライム、ドラクエとかじゃなくってウィザードリィ的なガチスライムだから。ブヨブヨの緑のゲルの塊がぴょんと飛んで顔に張り付き窒息と同時に溶かして殺してくるよ。
そんなに動きは速くないし、物理攻撃もそれなりに効くから、殴れば死ぬ手合いの悪魔ではあるが。多分火炎放射器とか持って来れば速殺できると思う。
話が逸れたな、つまりは、レベル100を超えた魔人:人修羅である俺からすれば、一般デビルサマナーの依頼など、眠っててもできちゃう訳だな。
因みに、俺の中に虫とか勾玉とかはないです。完全に融合してるので。そしてツノもない。
まあ……、アレだな、真由子の訓練にはなるかな……。
さて……、先週まで、真由子とペアを組んでいた美咲は、真由子はまだまだ使い物にならないと言っていたな。
ふむ……。
「ジャックフロスト!火炎弱点!」
「ひ、ひいっ!」
「真由子、撃て!!」
「い、いやあああっ!!!」
確かに駄目だな、使い物にならない。
真由子には闘争心ってものがない。
ムカつく奴を殺す、みたいな思考回路がまるでないんだよな。
ぶっちゃけ、レベル50まで上げられた真由子なら、この辺の雑魚悪魔とか、まず負けないからビビる必要ないんだがな……。
だけど、あまり戦うことを強要して嫌われたりしたら怖い。
夜逃げされて他所に行かれる方がよっぽど怖いんだよ。
だが本当にこれは困ったな……。
よし、これならどうだ?
「危ない!」
「ギギギィ!!!」
真由子を守るフリして、目の前のガキの引っ掻きにわざと当たる。
そして、額をわざと斬らせて、大袈裟に出血してみせる。
「あ、あああ……!!!」
顔を真っ青にした真由子は、次の瞬間……!
「『ジオンガ』っっっ!!!!」
「ピギャ」
ガキが消滅するレベルの雷の魔法を繰り出した!
やりゃあできるじゃねえかよ!
「はっ、は……、早く、傷薬を……!」
そして、手早く俺を治療する真由子。
ふむ……、普段は弱いが、窮地では強くなるタイプか。
この手のタイプの人間に、「できるなら最初からやれ」と怒鳴りつけるのは良くないな。
とりあえず、数を重ねて場慣れさせて、なるべく前線には出さずに、最終防衛ラインとしてどこかに配置して、自衛させるのが吉か。
ありすとペアで運用すれば、ありすを守るために必死になるだろうしな。
「ありがとう、助かったよ」
「あ、いえ……!そもそも私のせいで!」
「良いんだよ、これから頑張ってくれれば……」
「は、はい!ありがとうございます!」
真由子はな、今まで他人に厳しくされてきたから、俺は徹底的に甘やかして依存させる。
どの道、これじゃ使い物にならない。地下の訓練用異界に叩き込んでヨシツネブートキャンプだな。
定期的に、「辛かったら言って良いんだぞ」とか声をかけて、休日も増やしておこう。
さあ、次だ。
俺はソロデビルサマナーとしてしばらく働くぞ!
はいメガテンの書き溜め終わり!
特にどれを更新しろとか指示はなかったので、次は二次創作の続きを適当に更新しましま。
メガテンのこれから
槻賀多村に住む十七歳の少女「設楽玲子」は、都会に出てデザイナーになることを夢見る女子高生。近所で隠居している凪おばあちゃんと仲良くしながら、田舎でバイトしてお金を貯めて、高校を卒業したら東京に行くの!
だが、ある日、深夜に外を出歩く玲子は悪魔に襲われてしまう。そんな玲子を救ったのは、お隣のおばあちゃん、凪おばあちゃんだった。凪おばあちゃんは、今は引退しているが、昔はそれはそれは優れたデビルサマナーだったらしい。
最早、悪魔との邂逅で一般社会に戻れなくなった玲子はデビルサマナー業界への道を進むことに。一年間の間、凪おばあちゃんに修行をしてもらい、相棒にピクシーを連れて東京に行くことに。
銀座までやって来た玲子は、新人デビルサマナーとして活動しようとするが、右も左もわからずにいる。そこに手を差し伸べるのが……、『DDSnet』だった。
そんな感じで、新人デビルサマナーとそれを補助するDDSnetの動きを少し書く。