ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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やってらんねーよマジで。


22話 ミルクホール新世界

石神町、石神稲荷神社から徒歩で一時間の地点にある駅から、電車で三十分。

 

日本最大級の繁華街である、銀座……。

 

なんと、この銀座に、DDSnetの支部があるらしいのだ。

 

DDSnetの支部は、各都道府県に二つ三つくらいはあるそうで、支部の数は120を超えるらしい。

 

120の支部と三千人を超える構成員を持つ大組織……、それがDDSnetだ。

 

そんなDDSnetは、帝都こと東京と、旧都こと京都を中心に、日本各地に支部がある。

 

東京の四つの支部のうち、最大のものが、ここ……。

 

「ミルクホール新世界……!」

 

ミルクホール新世界である。

 

ミルクホール新世界は、どことなくレトロな雰囲気で、なおかつ、シックで落ち着いた感じの綺麗で大きめのカフェバーである。

 

全国的にチェーン展開されているらしい。

 

簡単な食事から、飲み物、お酒まで、なんでもいつでも提供される飲食店だ。……表向きは。

 

その実……、本当は、デビルサマナー、異能者、ペルソナ使い……、そう言った存在が集まるギルドである。

 

覚醒したての異能者の駆け込み寺であり、初心者デビルサマナーの訓練のために異界を無料で開放していたり、訓練を手伝ってくれたりなどもする。

 

とにかく、入ってみよう。

 

「こんにちわー」

 

「いらっしゃいませ」

 

色素の薄い金髪をオールバックにした、鋭くてスタイリッシュな雰囲気のお兄さんが、コーヒーメーカーを磨きながら、こちらを一瞥して言った。

 

私は周囲を見回す。

 

入り口。シックな木製のドア。

 

カウンターテーブル。ピカピカに磨かれた清潔なテーブルと、革張りの椅子。

 

棚。お酒が並ぶ。詳しくはないので分からないけれど、高級そうに見える。色々なボトルがあるのに、雑多な感じはせずに、上品な感じがする。

 

壁。メニューがある。今日のオススメはカツサンドだ。

 

お客さん。皆、不自然に楽器ケースやスーツケースを抱えていると言う共通点はあるけれど、性別も年齢もバラバラ。

 

マスター。ヤンキー風のアメリカ人男性に見える。しかし、ぴっちりと清潔な服を着崩したりせずに着ているので、ヤンキー風なちょいワルイメージの上に誠実そうな雰囲気を醸し出している。

 

「あの、マスターさん」

 

「はい、ご注文は?」

 

「私はデビルサマナーです」

 

私が小声で伝えると……。

 

「なるほど」

 

マスターさんは頷いた。

 

「私は、DDSnetのルーファスです。新たなデビルサマナーの誕生をお祝いします」

 

そして、マスターさんは、私の前にノートパソコンを差し出す。

 

「スマートフォンはお持ちですか?」

 

「あ、はい」

 

「それでは、こちらにメールアドレスの入力を」

 

メールアドレス、と。

 

あ、何か届いた。

 

このURLにアクセスすれば良いのかな?

 

「このアプリは……」

 

「DDSnet専用ブラウザです。こちらから、依頼の受注、デビルサマナー専門店の捜索、異界や悪魔の情報収集や、掲示板にアクセスすることなどが可能です」

 

なるほど……。

 

「なお、依頼の受注は、ここ、ミルクホール新世界からでも可能です」

 

「はい……、じゃあ早速、依頼を見せてもらえますか?」

 

「その前にこちらの測定器でレベルを測ってください。それに対応した依頼をおすすめします」

 

なるほど、安全のために、レベルごとに受けられる依頼が違うんだ!

 

測ってみよう。

 

「私のレベルは8でした」

 

「となると、この辺りの依頼でしょうか」

 

《各種宝石買取

成功報酬:一つにつき百万円

依頼者:DDSnet》

 

《各種アイテム買取

成功報酬:そのアイテムごとにDDSnetの販売アイテムの値段額の八割

依頼者:DDSnet》

 

《未管理異界の見回り、悪魔の間引き

成功報酬:一万円

依頼者:ヤタガラス》

 

《妖精:ピクシーの買取

成功報酬:十万円

依頼者:サラディンのシャムシール》

 

《マグネタイトの買取

成功報酬:1MAG=100¥

備考:マグネタイトバッテリー貸し出し

依頼者:生体エナジー協会》

 

へえ……、こんな感じなんだ。

 

「このうち、ピクシーの買取以外は常設の依頼です。おすすめは、見回りの依頼を受けながら、悪魔と戦い、宝石やアイテムを拾うことですね」

 

なるほど、それなら、一日一万円は手に入る計算だ。それくらいのお金があれば、ギリギリ生きていくのには困らない。

 

「そして、レベルの上昇を認められれば、よりハイリスクハイリターンな依頼も受注可能になります」

 

そうなんだ!

 

「大体、レベルが20にもなれば、月に百万円を稼ぐことも不可能ではありませんよ」

 

「ほ、本当ですか?!」

 

凄っ!

 

「では、早速依頼の方、受注致しますか?」

 

「はい、よろしくお願いします!」

 

「では、依頼の前にこちらを」

 

目の前にピンク色のソーダが出される。

 

「これは……?」

 

「サービスのミラクルソーダです」

 

「ミラクルソーダ?」

 

「こちらは、DDSnetの技術により作成された、魔法的な薬品を配合したジュースです。約二週間の間だけ、特定の能力を伸ばすことができます」

 

「え?!えっとその、ふ、副作用とかは……?」

 

「ありません。もしも万が一何かあれば、DDSnetにご連絡ください。……このミラクルソーダは、飲めば運のステータスが3上昇します。宝石やアイテムが手に入る確率が上がりますよ」

 

うーん……。

 

「おい、嬢ちゃん」

 

「はうぇい?!!」

 

後ろからいきなり話しかけられた。

 

「飲んでおいた方が良いぜ?初心者は、これを飲んで宝石をいかに集められるかで、今後が決まるからな」

 

「あ、貴方は……?」

 

「おう、俺ァ、デビルサマナーの堤ってんだ」

 

「あっ、そっ、そんなに大きな声でデビルサマナーだなんて!」

 

「はははっ!構わねえよ!この店にいる、デカい楽器ケース抱えた奴らは、全員デビルサマナーだからな」

 

「えっ、そうなんですか?!」

 

「おうよ、ほら、見てみろ」

 

堤さんが、楽器ケースを開ける。

 

その中には大きな斧とオートマチックのピストルが入っていた。

 

「これは……!」

 

な、なるほど、こんな感じで武器を持ち歩いているんだ。

 

「因みに、銃刀法で捕まったら、ちゃんとデビルサマナーですって言えよ?そうすりゃすぐ釈放される」

 

「え?!そうなんですか?!」

 

「ああ、一応、警察の上の方はデビルサマナーの存在を知っているからな。何かあればDDSnetを頼れ」

 

そうなんだ……、意外と、デビルサマナーっているんだね。

 

よし、じゃあ、早速……。

 

「マスターさん、ありがたくいただきます」

 

サイダーを飲んで、と。

 

「異界、行ってきます!」

 

「ええ、お気をつけて」

 




誰か養ってくれ。
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