わけわからん。
「真凛ー?」
研究室のドアが叩かれる。貴依の声だ。
「何だ?」
俺は研究室から出る。
「ご飯だって」
「俺は食べなくても活動できるんだがな」
「お腹減ってないの?」
「いや、食わずとも死なない」
「それは何だか寂しいよ、折角だし、一緒に食べよう?」
「お前が言うなら、そうするさ」
可愛い俺の貴依からのお願いだ。聞かざるを得ない。
「にしても、あんな部屋あったのね」
「研究室か?昔からあったぞ」
「ふーん。今度何か面白いものでも見せてよ」
「ああ、何でも見せてやる」
面白いもの、面白いもの……。さて、何かあったか?
召喚獣でも見せるか。
さて。
「シルキー、晩飯は?」
『希望があれば聞きます』
因みに、うちのシルキーは筆談で意思表示する。喋れないのかどうか、その辺りは知らんが。
まあ、見てくれは良いし、家事もそつなくこなすから、何も問題はない。
「そうだな……、るーちゃん、晩御飯は何が良い?」
「えっと、ハンバーグ!」
んー、るーちゃん可愛いー。
抱きしめて撫でる。
「ちょっ、駄目ですよ真凛先輩、離れて下さい!」
「何故だ圭」
「真凛先輩は邪念があるんですよ!」
「そんなものはない。……さあるーちゃん、真凛にぃにとちゅっちゅしましょうねー」
「その辺がですよ!!」
なんなんだ一体……。
俺に非はないだろうが……。
「……真凛ってロリコン?」
貴依が尋ねてくる。
「いや、ロリでもいけるってだけだ。十代手前から三十代前半くらいまでなら守備範囲内だ」
「良かったー、あれだけエッチしたのにロリコンだったらどうしようかと」
「ちょっと!貴依先輩!小学生の前でそういうこと言わないでくださいよ!」
「あっ、ごめんごめん、真凛とあたしっていつもこんな感じだから、ついね」
「真凛にぃに、貴依ねぇとエッチなことしたの?」
「ほらもう!るーちゃん、そんなこと聞いちゃ駄目!」
何だ圭。
「したぞ、最高だった。るーちゃんももうちょっと大きくなったらしような」
「うーん、真凛にぃにとなら、良いよ❤︎」
「るーちゃん?!!」
光源氏計画は上手くいっている、と。
「では、シルキー、ハンバーグだ」
『了解です』
シルキーが料理を作っている間、居間で待つ。
ソファに腰掛けると、貴依が擦り寄るように隣に座る。
可愛い奴め。
「るーちゃん、隣に座って待とうねー」
「はーい!」
あー、るーちゃん可愛い。
るーちゃんは賢いから、絵本を読んで待っている。
俺は貴依といちゃついた。
美紀と圭は、居心地が悪そうだ。
「どうした?」
「いえ、その……」
「なんか、私達、お邪魔じゃないかなって……」
「ん?ああ……、貴依は恋人ではない」
「「え?」」
「ハーレムメンバーだ」
「「ふしだらな関係?!!」」
「お前達も俺の女になるか?」
俺を睨む圭。
「……安全の代わりに、身体を好きにさせろという話ですか?」
「るーちゃんの前でなんて事を言うんだ、教育に悪いだろうが!」
「貴方がそれを言いますか?!!」
美紀が少し怯えた様子で話しかけてくる。
「あ、あの、私には何をしても良いです。だから圭には……!」
んー?
何だこれは。
俺はスーパーモテモテ大魔導師であって、悪役ではないんだが?
ポジション的には影の実力者だ、そんな、脅すようなみっともない真似をして女を抱こうとは思わない。
もちろん、そう言うプレイなら許容するが。
「安心しろ、脅したり、力づくでどうこうとは思っていない。ただ、俺のことを好いてくれるなら、その分だけ愛するし、愛人の面倒は一生見るつもりだと言う話だ」
「……本当ですか?」
「大体にして、考えてもみろ。俺が魔法を使えることは理解しただろう?この力を使えば、何の力もない女二人、好きにできると思わないか?」
「確かに、そうですね……」
「ふむ、お前らに理解しやすいように言うと、俺は女誑しだ。貴依は俺に誑かされている。るーちゃんは俺が誑かしている最中。お前達も誑かそうとしている」
難しい顔をする美紀と圭。
「あの、じゃあ、私達が愛人になれば、優しくしてくれる、と?」
「愛人にならずとも、お前達の様な美人には優しくするとも」
お、少しキュンときたみたいな顔してるな。
「そ、その、そう言うことは、お互いをもっとよく知ってから……」
「そうかな?恋は突然なものだ」
「ま、まずはお友達からってことで!」
「わ、私も、まずはお友達から……」
ふむ、可愛らしいお友達が増えて、俺は嬉しいよ。
『へいおまち』
デミソースハンバーグに目玉焼き、人参のグラッセ、ベイクドポテト、ブロッコリー付きだ。それとサラダとライス、パン、コンソメスープも出された。
「「………………」」
「どうした、美紀、圭」
「いや……、今はもう、極限の状況なのに、こんな美味しそうなハンバーグが出てくるのが、何というか、おかしいと言うか……」
「実際に美味いぞ。シルキーの料理の腕は熟練の三ツ星シェフに匹敵し、家事能力は王侯の執事並、サービスは一級ホテルマン並ってところか」
「それは、凄いですね……」
『冷めないうちにどうぞ』
「とのことだ、はーい、るーちゃん、手と手を合わせていただきます!」
「いただきます!」
はーい、ちゃんといただきます言えたねー、良い子だねー、るーちゃん最高。
と言う訳で飯を食う。
うむ、やはり美味いな。
「……っ?!お、美味しっ?!」
「な、何これ?!今まで食べてきたハンバーグの中で一番美味しいですよ!!」
美紀と圭は喜んでくれたようだ。
小さくガッツポーズを決めるシルキー。お前も可愛いな。
「シルキーちゃんは相変わらず料理上手ねー」
貴依も満足そうだ。
「るーちゃん、美味しいかい?」
「すっごく美味しいよ!ありがとうシルキーねぇ!」
「それは良かった」
『ありがとうございます』
「うわ……、パンもふっかふか!バターが美味しい!」
「ご飯これ……、良いやつですよね?!炊きたてで美味しい!」
好きなだけ食べると良い。
俺はワインのグラスを傾ける。
「……ふむ、美味い」
「あ、シルキーちゃん、あたしにもお酒ちょーだい」
『了解』
貴依もワインを一口。
「うっわ、美味しい。これ幾らくらい?」
「日本円で六十万ってところか」
「高っ」
共にワインを楽しむ。
「あ、あの、飲酒は……」
「この状況で一体誰が咎めるんだ?学校もクソもないんだ、飲酒くらいで騒ぐなよ」
「……確かに、そうですけど」
「お前らも飲んでみろ。こんな時なんだ、少しは飲め。そしてストレスを発散しろ」
二人にもワインを出す。
「えーと……」
「……私は飲もうかな」
「圭?!」
「だってさ、美紀。こんな状況じゃあさ、飲まなきゃやってらんないんじゃないかな。少し酔っ払って、少しの間、嫌なことを忘れた方が良いよ」
「そう、かな」
「そうだよ。……あんまり気負い過ぎると、壊れちゃうもん」
二人は、ワイングラスを手に取った。
「ん……、美味しい」
「本当だ、凄く美味しい」
喜んでいる様子だ。
「普段は飲まないのか?」
「それはそうですよ、学生ですし」
「お正月なんかに、親戚に無理矢理飲まされたりはしますけどね」
そうか。
「真凛先輩は、やっぱり、いつも飲んでいるんですか?」
「ああ、貴依と飲みに行くな。うちで飲んでも良いし」
「「不良……」」
「酒くらい好きに飲ませろ」
さて、そろそろ風呂に入るか。
「るーちゃん、にぃにと一緒にお風呂入ろうねー」
「うん!」
「「いやいやいや!!!」」
どうした、美紀、圭?
さっきからおかしいぞ。
「何ナチュラルに混浴しようとしてるんですか?!!」
「先輩最低です!!」
「お前らも一緒に入るか?」
「「嫌です!!」」
なんだ、つれないな。
「るーちゃんは私がお風呂に入れますから、真凛先輩は一人で入ってください!」
「貴依、一緒に入るか?」
「ええ」
仕方がないので、貴依と入る。
るーちゃんの未成熟おっぱいをじっくり揉みたかったが、それはまたの機会にとっておくか。
因みに、こんな感じですけど美紀と圭の好感度は高いです。
そのうちなあなあで抱かれそう。