「幹部会ー、報告!」
「北海道〜東北担当のデイブだ。今月は新入りが十三人、一人死亡。それと、異界に迷い込だ一般人が三人死亡。ニュースでは行方不明と報道されているが、部下の報告によると死にたての死体が三人分、食い散らかされた状態で見つかったそうだ。死体は燃やし、埋めておいたとのこと」
「関東〜中部、近畿担当、ルーファス。今月は新入り十五人、二人死亡。新入りは十八代目ゲイリンの弟子が入ったらしい。生体エナジー協会からのスパイが来たが、堕天使:ダンタリアンを使って心を読み特定後、偽情報を掴ませて逃した」
「西日本担当の透だよ。今月は新入り十人、六人死亡。うちの勢力拡大をよく思わないメシア教過激派と戦闘になって死者が出たよ。敵は確実に潰したから、面子は守ったと思う」
「新人教育担当の美咲でーす!今回は結構新人が入ったから、教導部隊を動かして、うちの管理下の異界でレベル上げさせてます!」
「経理担当の真由子です。今回は、郡山の金王屋支部に税務署が来ましたが、ドッペルゲンガーが正規の手段で追い返しました」
「ありすはお母さんの手伝いしてたよ」
………………
…………
……
「では、定例報告会は終了!各自、仕事に戻れ」
「「「「了解」」」」
えー……。
まあ、部下も割と有能だし、六人……、ありすを引いて実質五人の幹部で回せてるんだよな。
チーム結成からもう一年か……。
色々あったなあ……。
思った以上に世界はガタガタで、割と頻繁に滅亡の危機を迎えてたんだけど、そんな滅亡の危機をもたらす存在を片っ端からぶっ殺して回ってたらもう一年。
俺の記憶が正しければ、クズノハ案件二つ、DDSnetフル稼働案件が二つ、フリーのデビルサマナーが解決した案件が一つの計5回だったな。滅亡の危機。
………………ふざけてんのかてめーら。
年に!5回も!滅亡の危機を迎えてんじゃねーよ!世界!!!
どうなってんだよマジで?!!!
おかしいだろうがよ!!!
おかしい!!!だろうが!!!よ!!!!
畜生が……。
なんとかファインプレーの連打で地球ボカン!を防いだが……、とてもじゃないが、真っ当じゃないことを何回も繰り返したぞ。
暗殺とかな……。真由子をたしなめるのにどれだけ苦労したか!
だが、俺達は頑張った。
それはもう頑張った。
そのおかげで今日はなんと!クズノハと会えることになったのだ!
今までのやりとりでヤタガラスの信頼を得たから、ヤタガラスの仲介の元、クズノハの『ライドウ』と会えるみたいだ!
早速会ってこよう!
ライドウはクズノハでも四天王と呼ばれるトップだからな!
まあ、今は都合が悪くて、四天王は二人しかいないみたいだが。
それでも、かつて最強のデビルサマナーの名をほしいままにした伝説の、14代目ライドウの系譜に連なる人らしい!
そのライドウ様と有利な条件で条約を締結できたらどんだけ楽か、検討もつかないぜ!
さ、行こ行こ。
顔無しに化けて、と。
と、思ったんだが……。
「貴様、悪魔憑きだな?姿を現せ」
「んんー」
俺、大ピンチ。
「何のことやら」
「この臭い、チャネリング能力者の類か?悪魔に取り憑かれて……、いや、身体の支配権を預けているな?貴様は何者だ」
バ、バ、バ、バレてるー?!!!!
普段は電霊コロンゾンに憑依させて、『妻子を悪魔に殺され、自身も顔を悪魔に焼かれて気が狂った男、顔無し』として活動してたんだが……、ここでバレるか!!!
どうする……?
………………よし。
腹括った。
行くぞ。
俺は、憑依を解除する。
「いやはや、恐れ入ったよ、ライドウ」
人間の姿を晒す。
「貴様……、何者だ」
「ご覧の通り、人間さ」
「……違うな、それも仮初めの姿だ。本当の姿を見せろ」
「ハハッ!これでも見抜くのかよ、ライドウは凄えな、おい!」
俺の全身に青黒い刺青が浮かぶ。
「俺は、魔人:マガミアマツ……、コンゴトモヨロシク、ってな」
俺から発せられる、ひりつく感じの魔力の奔流が、同室のヤタガラスの女、宗方薫をダウンさせた。
「貴様……!!!」
刀を手に取るライドウ。
「まあ、待てよ、ライドウ。話くらい聞いちゃくれねえか?それとも、俺をここで殺すか?正直、俺じゃあんたにはギリギリ勝てないと思ってるよ」
「む……」
「しかし、ここで俺を殺れば、世界の終わりが近づくぞ?……お前らクズノハが漏らした案件は二つだ。去年は二つの案件が、世界滅亡級だったぜ。それを止めてやったのは誰だと思う?俺だよ!!!」
「それは……、確かに感謝している。勘違いするな、別に貴様を殺そうとは思わない」
「へえそうですか、で、俺の正体はヤタガラスにバレた。もう終わりだ」
「そ、そんなことはない、誰にも話さないと約束しよう」
「知っているだけでヤベーんだよ!あんただってデビルサマナーだ、心を読む悪魔の存在くらい分かるだろう?!」
「僕は心を読まれるようなヘマはしないし、こちらの宗方氏には記憶を消してもらう。これでいいか?」
俺は親指を噛む。
これは変な癖ではなく、フード:チエノサケによって、親指を噛むと問題解決のための知識を得られるからだ。
「今すぐに宗方薫の記憶を消せ。お前も、帰還したら報告はするな。そこの業斗童子も報告をするな」
「何故業斗童子のことを……、いや……、親指を……、そうか!フィン・マックール!貴様はどこまで……!!」
「地球を守るためなら、って訳じゃねえが、俺の身の回りの平穏のためなら、人間くらいやめてやる……」
「まさか、悪魔転生……?人の人格のまま、悪魔の肉体を得るという、ガイアーズの悲願を?」
「そうだ、手段は伏せるが、俺は人の身を捨てて悪魔となった。そこまでして地球を守ってやってるのに邪魔する気か?おい」
「じゃ、邪魔するなど……。きさ、君の献身は有難く思っている。こ、今回だって、我々『クズノハ』に代わって、日本を守護してくれた礼をしに来たのだからな」
「ハッ!礼?礼だと?一文の得にもならんことをよくもまあ」
「な、ならば、僕の秘密を一つ教えよう。お互いに弱みを握りあえば信頼できるとは思わないか?」
ふむ。
「何だ?」
「じ、実は……、僕は女なんだ」
はーーーーー?
「くっだらねーーー!!!どーでもいいわ!!!!」
「ど、どうでもいいとはなんだ?!この事実は上層部も殆ど知らないんだぞう?!!」
「なんの弱みでもねーじゃん」
「いや、性別が分からないことで、性別による誘惑や呪法から逃れられるという利点がある」
「こっちはDDSnetの最高機密である俺の
正体まで晒されてるんだよなあ」
「そ、それは……、すまない。それじゃもう一つ。僕の名前は葛葉あきらだ」
「お前の名前に俺の正体ほどの価値はない!どうしてくれるんですかー?」
「う、うう……、すまない……」
「誠意見せろ」
「ぼ、僕はあくまでもライドウで、権限はあまりないんだ……」
はあん?
「じゃあお前と直通の電話を用意しろ」
「え?ええと……、プライベート用の?」
「仕事用だよ!!!なんでお前とお友達にならにゃならんのだ?!!!」
「え、えと、でも、僕に電話されても、僕は君の依頼じゃ動けないんだが……」
ふむ。
「依頼じゃない。ただ、俺は、『クズノハライドウ』でなければ倒せないような悪魔や組織が発生したら、『善意で』お前に教えてやるだけだ」
「む……、そう、だな。確かに、『情報提供』をされて、僕が出動するのは、何もおかしくないな」
そういうことになった。
余談だが……。
『天津さん、今度飲みに行きませんか?』
「プライベート連絡やめろや!これ仕事用回線だ!つーかお前友達いねーのか?!!!」
『はい……』
何故か、ライドウとは、プライベートで仲良くなってしまった。
さて……。
今後はもう完全にプロットがないぞ。よし、考えよう。
DDSnet発足から一年、みんな頑張って地球滅亡を防いでいた!
しかし、謎の男『ルイ・サイファー』の手引きで、悪魔人間の作り方がガイアーズに拡散される。ルイ・サイファー……、一体何者なんだ?!
ルイ・サイファーはガイアーズ側の存在で、度々、DDSnetがカオス側に加担するときには手を貸して、ロウ側に加担するときには妨害してくる謎の存在だ!!
そんなルイ・サイファーは「世界はいつか必ず滅ぶ」と宣告してくる。
それでも、主人公は足掻く。そして、もしもの時に備えて、生産用の異界やシェルターを作ったのだった。デモノイド、『デミナンディ』で罰当たり牛肉を量産!!その他沢山のデモノイドに、生産用に生み出した異界で農業や炭鉱夫をやらせよう!!保食神召喚、ニスロクなんて置いてみようか?!ヘパイトスを召喚して武器でも打たせる?!
ヤタガラスとの本格的な協調路線を展開。ヤタガラス、クズノハ、宮内庁神霊班……、国営の国防組織と手を結ぼう!何故か懐いてくるライドウは可愛いぞ!
そうこうしているうちにメシアンが怪しい動き。どうやら、悪魔人間技術の拡散により、ガイアーズの強化を恐れたメシアンは、何かやるつもりらしい。
メシアンの計画、それは、『聖母』に『人造メシア』を産ませることだった。その先行実験として、『天使人間』を作り始めたメシアン。メシアンの計画は、いずれ来る終末に備えて、世界を救う『人造メシア』と『天使人間』の軍団を作るというものだった。
もちろん、そんな計画も、DDSnetには筒抜けであったが、安易に攻め込んで戦争をやる訳にはいかなかった。
そこで、主人公は、『人造メシア誘拐計画』を計画!『天使人間』の拡散はまだしも人造メシアはヤバい。人造メシアは、こちら側に引き込んで、DDSnetの一員として働かせることに。人造メシアは男なんで攻略キャラではないです。
ガイアーズも、それに負けじと、弥勒菩薩の転生者を探し出すが、そいつもDDSnetが誘拐します。こちらも男なので攻略キャラではないです。
DDSnetは戦力が伸びている、急成長。あらゆる組織はそれが気に入らない。それが後々のしこりになる。
そんな中、悪魔召喚プログラムの拡散により、一般市民の一部は悪魔を手に入れつつあった。
それによって多発する悪魔犯罪に、DDSnetがどう対応していくのか。
ヤタガラスと協調して悪魔犯罪を滅するDDSnetだが、いつも後手に回りがちだ。じゃあどうする?
あとは……、ドロヘドロ!!!