ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あーあーあーもうだめ。

DDSnetも旅人提督も全然書けない。

自信ないです。

自分の口から「駄文です!」とまでは言わないんですけど、長く書いているとたまに、猛烈に自信を失い、自作がつまらないんじゃないかと不安になる時があります。


28話 首相官邸にて 前編

DDSnetとヤタガラスの会合の後、天津らは普通に仕事をしていたのだが……、結局、恐れていたことが起きてしまった。

 

悪魔人間による、無差別殺人事件である。

 

過激派ガイアーズが、新宿の街中でいきなり暴れ出し、百人ほどの市民を殺傷。

 

駆けつけた機動隊も十人殺害し、急行したDDSnet職員が四人がかりで制圧し、悪魔人間を殺害した事件である。

 

戦後最多の被害者数を出した大事件であり、当然、色々な人の耳に入った。

 

緘口令が敷かれたとはいえ、殺人事件であるという事実までは隠せなかった。

 

それを皮切りに、この半年で、悪魔人間による殺人事件が多発。

 

今年の殺人事件による死者数は、2010年台の五百人/年を大きく超えて、たった半年で千人/年をマークした。

 

 

 

首相官邸にて、跡部雄三総理大臣が頭を抱える。

 

「またですか……!」

 

総理大臣の秘書官の今田尚樹が読み上げたのは、各地で発生している『超凶暴な個人による大量殺人事件』についてだ。

 

「これで二十八件目ですね」

 

「そうですよ……、二十八件目……。これはもはや、無差別テロの領域です。どう考えても、あり得ないでしょう!何ですか、機動隊を蹴散らす一個人とは?!」

 

「そうですね……」

 

「絶対に、何らかの団体が!例えばテロ組織などが関与しているはずです!それも、ISISのように、国家規模に強大な何かが!」

 

「うーん、まあ、そうでしょうね……」

 

「……何ですかその態度は?緊急事態なんですよ?!」

 

「うーん……、私からは何も言えませんね」

 

「な、何か知っているのですか?!」

 

「あー、麻田副総理に聞いてみてください」

 

「何故そこで麻田さんの名前が出るんです?!」

 

「いやほら、あっちの管轄は現政権では麻田副総理がやってますし……」

 

「あっちの管轄とは?」

 

「いや、あっちの管轄については私からは何とも……」

 

「……分かりました、あとで麻田さんに連絡を」

 

そんな首相官邸に、一本の電話がかかってくる……。

 

「はい、もしもし?」

 

跡部が電話を取ると……。

 

『もしもし?跡部か?』

 

「麻田さんですか?」

 

『オウ、そうだ。お前今暇か?』

 

「総理大臣が暇な訳ないじゃないですか!特に今は、例の連続大量殺人事件の件でてんてこ舞いですよ!!!」

 

『野党のアホどもはほっとけよ。どうせ何にもできやしねぇんだからな』

 

「そうはいかないでしょう?!それより、何の御用ですか?!忙しいんですが!」

 

『いや、俺もな、一晩考えたんだが、現政府もこっち側の仕事を回そうと思ってな』

 

「そちら側……、というと財務の?そんな暇は……」

 

『ちげぇよ、『デビルサマナー』関係の仕事だよ。お前みたいな奴なら、戦前の日本みたいに舵取りを誤りゃしねえだろうと思ってな』

 

「デビル……、サマナー……?」

 

『ま、詳しい話はそこの今田から聞けや。俺も今回の事件で仕事が増えてるんで忙しいんだわ。じゃな』

 

「あっ、ちょっ……、麻田さん?!」

 

はあ、とため息をついて、受話器を置く跡部。

 

「……今田君、詳しく話してください」

 

「麻田さんの命令とあればもちろんやりましょう。野党からの呼び出しは体調不良ということでキャンセルして、空いた時間にここで有識者から話をしてもらいましょう」

 

「はあ……、何でも良いので、しっかり説明してくださいね……」

 

 

 

その二時間後、昼間の首相官邸に、異様な人間達が集まった。

 

ヤタガラス責任者、土御門幸綱。

 

クズノハ四天王、葛葉ライドウ。

 

ジプス局長、峰津院大和。

 

宮内庁長官官房、桜庭仙次。

 

それぞれが名乗り、挨拶をした。

 

「えーと……、そのですね、これはどういう……?」

 

何が何だかさっぱりわからない、と言った顔をする跡部。

 

「その、まずですね……、何故、宮内庁長官官房がここに?」

 

「宮内庁はデビルサマナー組織だからですね」

 

桜庭が答えた。

 

「そう、デビルサマナーとは、一体何のことですか?」

 

その、跡部の問いに対して、秘書官の今田が答える。

 

「デビルサマナーとは、悪魔を使役する存在のことです」

 

「あー……、えーと、その、悪魔ですか?ヨーロッパのメシア教などで語られる?」

 

「まあ、そんなところですね」

 

「……そんな馬鹿な」

 

「総理が何とおっしゃられようとも、悪魔は実在しており、野良悪魔によって脅かされる人々がいて、悪魔を使役して悪事をする人間がいて、それを防ぐ人間もちゃんといます」

 

「いやいや……、漫画やアニメじゃないんですよ?ふざけているんですか?」

 

すると、ライドウが、おもむろに管を取り出す。

 

「召喚、『妖精:ピクシー』」

 

「はぁい、ライドウ!どうしたの?」

 

「なっ……?!!な、な、な、何ですか、それは!!!」

 

跡部は、半ば腰を抜かして驚いた。

 

「ご覧のように悪魔はいます。良いですか?」

 

「わ、分かりました……。ですが、まだ聞きたいことがあります。宮内庁がデビルサマナー組織とは?」

 

「宮内庁は、天皇陛下をお守りする為、悪魔を使役して霊的に防衛していました。何千年も前からやっていることです」

 

桜庭が答えた。

 

「霊的に防衛……。ええと、それは、霊的に侵攻してくる何者かがいたと?」

 

「はい、呪いなどをかけてくる敵も多かったそうです」

 

「な、なるほど、理解はしました。では、次にこの、ヤタガラスとは?」

 

「ヤタガラスとは、平安時代に存在した陰陽寮を祖とする国防組織で、はるか昔から日本全体の霊的な守護を行なっております」

 

土御門が答える。

 

「なるほど……」

 

「ついでに、こちらの葛葉ライドウは、ヤタガラスの最大戦力です」

 

「戦力……、と言うと、やはりこう、その悪魔?というものと戦って退治なさったりするのでしょうか?」

 

「はい。その中でもライドウは、葛葉四天王と呼ばれる日本最強のデビルサマナーです。世界的に見ても最強でしょう」

 

「な、なるほど、よく分かりました。では、ジプスとは?Japan Meteorological Agency, Prescribed Geomagnetism research Department.ですから……、気象庁地磁気学研究部となると思うのですが、気象庁がデビルサマナー?というものと関係がおありなのでしょうか?」

 

「大変関係があります。普段は、地磁気学の研究という名目で、日本各地の龍脈の管理維持を行っており、有事の際には、悪魔災害を止めるために戦うこともあります」

 

峰津院が答える。

 

「あー……、龍脈とは、その、あれでしょうか?力のある土地……、のような?」

 

「はい、まさにその通りでございます。世の中には、特別に力が溜まりやすい土地がありまして、そこには悪魔が力に誘引されてくることも多いのです」

 

「それを退治して、力がある土地を守る、と。分かりました。悪魔災害とは?」

 

「何らかの理由で悪魔がこちらの世界に大量発生することですね」

 

「そんなことが起きるんでしょうか?」

 

「ええ、割と頻繁に。例えば、東日本大震災や、関東大震災などが起きたと思いますが」

 

「ええ」

 

「あれらは全て、悪魔災害のカバーストーリーです」

 

「……はい?」

 

「過去の記録を見ますと、安政の大地震なども悪魔災害のカバーストーリーだったそうですね」

 

「……そんな馬鹿な」

 

「いえ、それが本当なのです。一般人くらいなら、記憶を消す程度簡単にできますからね」

 

「まさか……、そんなことが……」

 

跡部は、衝撃の事実に叩きのめされている。

 

しかし、驚くのはこれからだった……。

 




DDSnetは次で書き溜めが切れます。

その後は四十話くらいある新作を投稿後、要望があった帰還勇者の書き溜めをチャージしておきます……。

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