ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

618 / 1724
ああああああ!!!!


32話 公安の訓練

俺、公安部の内田は、都内某所の廃ホテルに来ている。

 

「あー、ええと、管吹さん、でしたか?ここは……?」

 

ボロボロのホテルだ。

 

暇な大学生辺りが遊び半分で侵入して……、そういうホラー映画なら、ここに巣食う怨霊に襲われて帰らぬ人に!みたいな、そんな感じの。

 

俺は、管吹と名乗った、女子高生くらいの女の子に訊ねた。

 

ここは何なんだ、と。

 

「はい!ここは、悪魔の棲家である『異界』です!皆さんにはここで、『仲魔集め』と『レベル上げ』をしてもらいます!」

 

「は、はあ……」

 

レベル上げ、だと?

 

馬鹿らしい。

 

この世界はテレビゲームじゃねえんだぞ。

 

「ああ、その前に、支給品は持ってきましたか?」

 

「ええ、はい」

 

支給品……。

 

ソーコムピストルと、おかしな模様の入った弾丸、そして日本刀。

 

それと、服の下に着れるタイプの防弾具に、魔法陣が刻まれたトラウマプレート。トラウマプレートには、お札が貼り付けられている。

 

意味不明だ、ふざけてんのか、って話だ。

 

だが、俺は一度、悪魔ってのを見た。

 

見たからには、認識は変えなきゃならねえ。

 

しかし……。

 

俺はつい、管吹とかいう女の子の横顔を見てしまう。

 

俺の娘より少し年上ってくらいか。

 

こんな少女が……。

 

「どうしました?」

 

「いや、何でもないですよ」

 

こんな若い女の子が、裏社会で命がけの戦いをしている?

 

市民を守る警察官の俺からすりゃ、悪い……、いや、最悪のジョークだぜ……。

 

 

 

そうやって、少し歩くうちに、すぐに異変に気付いた。

 

「おかしい……!」

 

どんなに大きく見積もっても、建物の外見と、中の建物の広さが一致しない!

 

広過ぎるんだ……、おかしいぞ、これは。

 

「どうしました?」

 

管吹さんが俺の顔を覗き込んだ。

 

「い、いや、建物の大きさの割に、中が広過ぎやしないかと思ってですね」

 

「そりゃそうですよ!異界ですから!」

 

な、なんだそりゃあ……。

 

意味がわからん。

 

「異界では、常識が通用しないと思ってください。この異界は調査済みなんで、そんなに危険がないと判明していますけど、異界によっては、光を通さない『ダークゾーン』や、一歩歩くごとに生命力を奪われる『ダメージ床』なんてのもありますからね!」

 

「は、はあ……」

 

なんだそりゃ……。

 

にしても、臭いな……。

 

何の匂いだ?

 

何かが腐ったような……。

 

「はい!そろそろ悪魔が来ますよ!まずは通常弾頭を試してください!」

 

悪魔か……。

 

もしも、人間に近いような見た目だったらどうしようか……。人を撃つのは嫌なんだがな。

 

『ウボアアアアッ!!!』

 

「う、うおおおおおおおおっ?!!!」

 

で、出やがった!!!

 

腐ってドロドロに爛れた、腐乱臭が漂う歩く死体だ!

 

「屍鬼、ゾンビです!早く撃ってください!……撃たないと、死にますよ?」

 

クソが、やるしかねえ!!!

 

俺達、ここにいる警官チームは、全員、ソーコムピストルを抜いて構えた。

 

「「「「おおおおおっ!!!」」」」

 

そして一斉に発砲!

 

このゾンビ、歩みは遅いとはいえ、ハンドガンなんてもんはそうそう当たらねぇんだ。

 

映画やドラマで、走っている最中の敵の手足を撃ち抜いたり、敵の手にある銃を撃ち抜いたり、そんなアホ臭いシーンがあるが、本職から言わせりゃあ、ありゃフィクションだな。

 

この距離なら下腹部を狙うくらいで丁度いい。

 

ゾンビの土手っ腹と胸に、複数の弾丸が突き刺さる。

 

「クソが!こいつ死なねぇぞ?!!!」

 

だが、ゾンビは中々死なない。

 

ついには、近づかれて……。

 

「う、うわあああっ!」

 

隣の警官を押し倒した!

 

「こ、この野郎っ!!!」

 

俺は、体格を活かして、ゾンビにタックルして倒した。

 

そして、そこに残りの弾丸を叩き込んだ!

 

『アアァ……』

 

「や、やったのか……?」

 

一弾倉分の弾丸を叩き込んで、やっと倒れて、緑色の光に還った。

 

こんなのが、市民を襲う?

 

そうなったら……!!!

 

「……はい!ありがとうございます!次は、DDSnet開発の『退魔ルーン弾頭』をお試しください!」

 

管吹さんのその声を聞いて我に帰った俺達警官は、弾倉を替えて、退魔弾頭とやらを装填する。

 

「では、次のゾンビをどうぞ!」

 

そう言って、ゾンビを挑発して連れてきた管吹さん。

 

二回目だ、慣れたとは言いきれねえんだが、一度目よりはマシだ。

 

「食らえっ!!!」

 

俺は、退魔弾頭とやらを、新しく来たゾンビの土手っ腹にぶち込んでやった。

 

すると……。

 

『ガアッ?!!』

 

一撃で、ゾンビとやらは膝をついた。

 

き、効いてるのか!

 

「とどめだ!」

 

『ガアァー……』

 

ゾンビとやらは、二発目の弾丸を身に受けると、それだけで光に還った。

 

「いかがでしたか?我ら、DDSnetの製品は!」

 

これは、確かに、あるのとないのとでは全く違うな……。

 

「非常に有用だと思います、助かりました」

 

実際問題、こいつらが市民を襲ったとして、倒せる武器がないだなんてことになったら非常に困る。

 

さて……、これで終わりか?まあ、そんな訳ないよな。

 

「どうでしたか、戦ってみて?」

 

と聞かれた。

 

それは……。

 

「とりあえず、普通の拳銃じゃ太刀打ちできないことは分かりました」

 

「では、あのゾンビ……、悪魔としてどれくらい強い存在だと思いますか?」

 

うーん?

 

まあそりゃあ、通常弾頭をあれだけ叩き込んで倒せないんだから、そこそこに強いんじゃねえのか?

 

「そこそこ、ですかね?」

 

俺が答えた。

 

だが……。

 

「ぶぶーっ!答えは、『レベル1』の最下級でした!」

 

その答えは、まさに絶望的ってやつだった。

 

四人の銃を持った警察官を殺しかけた奴が、『レベル1』だと?

 

それじゃあ、もっとレベルが高い奴は、どんな化け物なんだ?!

 

戦慄ってのはこのことか。

 

足元が崩れ落ちるような感覚だ。

 

こんなのが、裏社会にはいやがるのか!

 

もしも、これが、何かの間違いで街中に放たれてみろ。

 

一体どれだけの被害が出る?!

 

オウムだとか、そんなチャチなもんじゃねえ、マジもんの大事件だぞ!

 

「……ええと、悪魔の力、ご理解いただけましたでしょうか?」

 

「……ええ、痛いほどに」

 

「では、これから、皆さんにはレベルを上げてもらいます!レベルを上げれば、悪魔にも対抗できるようになりますよ!頑張りましょう!」

 

これは……、ちょっとばかし、真面目にやらせてもらうとするぜ。

 

悪魔……、もう侮らねえ。

 

これは現実だ。

 




DDSnetは、ヒロインは添えるだけなので良しとして、他新作のヒロインが思い浮かばない!!!

ヒロイン……、ヒロインって何だろう……。

俺の好みのタイプが、俺の為なら自分の親兄弟も喜んで殺す崇拝忠誠型のヤンデレちゃんなもんで、イマイチ普通のヒロインが書けない……。

ギャルゲとかも殆どやったことないんで、可愛いヒロインが書けない!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。