ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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パトレイバーおもしれぇな。

ただ、フロッピーディスクみたいなのにデータを入れてたり、運転席に真空管みたいなのがあったりして「えぇ……」とは思った。

それと、あれってバッテリー駆動なのな。

まあ、飛行しないし燃料である必要はない、のかな?


40話 秩序と自由

「……であるからしてだ!諸君らも、身を守るために戦力を集めて……!」

 

あー、あの蔵敷とか言う爺さん、ヒートアップしてんなあ。

 

俺は、手を叩いて注意をこちらに向けさせた。

 

「……よろしいですか?」

 

「あ、ああ、いや、すまんな。年甲斐もなく熱くなってしまったわい」

 

「いえ、お気持ちは痛いほどに分かります。私もそうですが、この業界は、悪魔によって身内を失った人が多いのですから……」

 

「なんと……、顔無し殿もか……!心中お察しする……」

 

「企業がそれぞれ戦力を集める。大変結構でございます。ですが……、手当たり次第にそうするのはお勧めしません」

 

「と言うと……?」

 

蔵敷会長が首を傾げる。

 

俺が何を言うのか、というと……。

 

「世の中には、我々DDSnet以外にも、様々な裏組織が存在しています。そちらに安易に頼ると酷い目に遭います……、という忠告をさせていただきたく存じます」

 

メシアンとガイアーズのネガキャンでーす!

 

俺は、プロジェクターを操作する。

 

「こちらが、バチカンに本拠を置く『メシアン』でございます」

 

メシア教の総本山たるバチカンの画像を見せる。

 

「ま、まさか!メシア教もデビルサマナーに関係があるのか?!」

 

「そんな!」

 

「メシア教徒なんて、どの国にもたくさんいるじゃないか!」

 

そんな声が上がるが……。

 

「もちろん、表向きにはそう見えません。メシア教の教徒も、悪魔の存在を知らない人の方が多いでしょう」

 

と、前置きして……。

 

「ですが裏では、悪魔祓いや異教徒の抹殺なども行なっている過激派もいるのはご存知でしたか?」

 

そう言って、こっそり撮影してきたメシアンの施設内部を見せる。

 

堕天使:バラムは、姿を透明にする権能があるからな。それを利用した。

 

あと、裏帳簿とかのデータは俺がハッキングしてぶっこ抜いた。バレねえでやんの。ワロス。

 

ここにいるのは一流の金持ちで、大半は経営者だ。

 

裏帳簿を見れば、その組織がどれだけあくどいことをしているかよく分かる。

 

「こ、これは……!」

 

「まさかそんな……」

 

「非人道的な……!」

 

ついでに言えば、今回はお偉方の中でも、裏に繋がりがない連中をピックアップしたからな。

 

「メシア教は、このような人道に反することを行っているのですか?!」

 

「はい。もちろん、末端レベルでは真っ当な神父なども多く存在しております。ですが、大元はこのように、人道に反した行為をしておりますね」

 

「そ、そんな……!」

 

「もちろん、我々DDSnetも、裏社会の組織でありますからして、殺人や人体実験など、非人道的な事もやっております。ですが、我々は騙しません」

 

「だ、騙さないとは?」

 

「メシア教は、『神の名において』と前置きして、貴方から資産を奪い、子供を生贄にさせて、貴方を尖兵として使うでしょう。その為に、人質を取り、悪魔の力や薬品を使って洗脳し、貴方を狂信者に仕立て上げるでしょう」

 

「ひっ……!」

 

いやまあ、そうとは限らないけど脅しとけ!

 

「ですが、我々は嘘をつきません。契約に基づいて、お支払いいただいた金銭の分だけ働きます。契約書を作成し、その通りに行動します。契約以上のことはしませんが、逆に、契約以下のこともしません」

 

「な、なるほど。ビジネスの関係という訳か!」

 

人は、知らないものを恐れる。

 

だから俺は、メシアンを「あなた達の理解が及ばない狂信者ですよ」と言って、俺達DDSnetを「あなた達もよく知るビジネスマンですよ」と教えてやった。

 

「我々が殺すのは、襲いかかってきた存在のみです。社会を守る為に活動をする我々は、無辜の人々を傷つけることはありません。もしそのようなことをする職員がいれば、より上の立場にある職員に抹殺するように命じてあります」

 

「ま、抹殺……?!」

 

あ、これはマジね。

 

最近、職員が増えてきたけど、悪魔召喚プログラムで悪さするなら殺すって言ってある。

 

やらかして処刑された職員も何人かいるぞ!

 

「はい。現代社会の存続を妨げる存在は、全て抹殺します」

 

「我々も、現代社会の存続とやらを妨げれば……?」

 

「もちろん、抹殺させていただきます。これは、我々の覚悟なのです。世界を存続させる為ならば何でもする……。我々はそう定めています」

 

まあ、それはそれとして。

 

「ともかく、メシア教の理念、目的は、『神の名の下に千年王国を築き上げること』です」

 

「せ、千年王国……?」

 

「神に従うもののみが生存を許される国ですよ。神に死ねと命じられれば、その場で自死しなくてはならない。自由は一切なく、『神の名の下に平等』という名目で、一切の欲を捨てて生きるのです。まるで、聖書の人々のように……」

 

「ひっ……!」

 

「そ、そんなのは無理だ!」

 

「地獄じゃないか!」

 

だろうなあ。

 

毎日贅沢三昧してる金持ちのあんたらにとっちゃ、メシアンの目指す『正しい人の形』は苦痛そのものだ。

 

女も抱けず、ろくな飯も食えず、毎日汗水垂らして働いて、趣味も楽しめない。

 

そんなのはだれだってごめんだろ?

 

 

 

「次に、『ガイアーズ』という集団がいます」

 

俺は、言葉を続けた。

 

プロジェクターには、今流行りの悪魔人間を映す。

 

「ガイアーズは、メシアンのような一つに纏まった組織ではありません。ガイアーズ◯◯派、と言ったように様々な小さな集団が集まっております」

 

「ふむ……」

 

「メシアンは、聖書に記された神を信仰する者達ですが、ガイアーズはそれ以外の多神教の神々を信仰する集団とも言えます。多神教であるが故に、派閥も多数ある訳です」

 

「なるほど……」

 

「メシアンが、集団を重視するならば、ガイアーズは個人を重視します。即ち、『弱肉強食』です。強い奴が偉い、弱い奴は死ね……、という理念を持っています」

 

「それは困るな……」

 

「確かに、『自分は強いから弱い奴らを守ってやる』という者もいますが、それは少数派に過ぎません。大半は、ただ殺したいだけの殺戮者や、強い奴と殺し合いたいだけの戦闘狂……、そんな危険な社会不適合者達の集まりなのですよ」

 

「な、なんと……」

 

「殺人集団、だと?!」

 

「なんて危険な連中なんだ!」

 

まあ、大体合ってるよね。

 

「こちらの画像は、『悪魔人間』と言って、悪魔と人間を合成した化け物です。彼らガイアーズは、人の身を捨ててまで強くなり、暴れたいのですよ」

 

「ま、まさか!」

 

「悪魔と合成?!」

 

「そ、そんなことをして大丈夫なのかね?!」

 

「大丈夫ではありませんね。不完全で未熟な手術や儀式での合成であるからして、定期的に人肉を食わねば身体が崩壊してしまうそうです」

 

「じ、人肉?!」

 

「人を食うのか?!」

 

あ、これはマジ。

 

ガイアーズの悪魔人間を捕まえて解剖したりなんだりしたら、人を食わなきゃ死ぬってことが分かったんだよね。

 

いやー、アホだねえ。

 

人を食わなきゃ生きていけない存在だなんて、確実に社会の敵になるじゃん。

 

なんでわざわざ敵を増やすような真似をするの?馬鹿なの?死ぬの?

 

「ガイアーズの理念は、派閥によって違いますが、基本的には『自由』……、ただそれだけです。ただ、その自由というのは、法も秩序も何もない混沌の世界を意味します」

 

「混沌……?!」

 

「自由であるからして、人助けも自由にできますし、する人もいるでしょう。ですが基本的に、弱者からは奪って犯して殺しても誰も文句を言わない……、そんな世界を目指しています」

 

「そ、そんな馬鹿な!そんなことをすれば、どれだけの人間が死ぬと思っている?!」

 

「さあ?彼らは、戦って殺して支配できればそれで良いと思っている訳ですから。弱者には人権も何もないので、どうでもいいのでは?」

 

ガイアーズが目指す世界は混沌そのもの。

 

混沌の中では、弱者には人権も何もない。

 

強くなっても、より強い誰かに殺され、奪われる。

 

 

 

さあ、どちらか選べよ。

 

メシアンの目指す『ディストピア』か、ガイアーズの目指す『ポストアポカリプス』か。

 

俺はどちらもごめんだがな。

 




今死ねばチート持ち異世界転生できますよ!って神様に言われたとして、自害しますか?

俺はします。

そんなん、どう考えても、「現実改変能力」とかのチート貰って日本に戻ってこれば良いんですからね。

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