ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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シフォンと資本は似てるね。


41話 溢れる資本でハートキャッチ!

さて、こうしてメシアンとガイアーズのネガキャンをした俺。

 

金持ち共は、無事にメシアンとガイアーズを警戒するようになった。

 

既に、政府筋にもメシアンとガイアーズのネガキャンはしてあるからな。

 

これで、表世界のパワーバランスはDDSnet一強になったな。

 

もちろん、それだけじゃないぞ……。

 

「では、最後にもう一つご紹介させていただきましょう」

 

俺は、COMPから様々なアイテムを取り出した。

 

道返玉やソーマ、アムリタソーダなどを出す。

 

「こちらは、使うと死者を蘇生できる道具となります」

 

道返玉を掌に乗せて見せつける。

 

「し、死者蘇生だと?!」

 

「はい……。とは言え、寿命ではなく怪我や病気による死であること、それと、死体がある程度残っていること、などの条件はあります。悪魔に喰われてしまった……、などの場合では残念ながら……」

 

何か言おうとした蔵敷会長の方を見て俺が言った。

 

蔵敷会長は、口を開きかけたが、すぐに座り込んだ。

 

大方、死んだ秘書の復活を……、とか考えたんだろうな。

 

「おっと……、因みに、モグリの術師に復活を依頼すると、ゾンビになって復活するなどと危険がありますので、皆様もよく考えて行動なさってください」

 

全員が顔を引き締める。

 

「因みに、モグリの術師に復活を依頼し、失敗した場合、復活させようとした魂は苦しんで苦しんで、それから磨耗して消滅します。重ね重ね、よく考えて行動なさってください。復活には相応の対価が必要です。うまい話はありません」

 

更に、強く言う俺。

 

「この道返玉は、我々の業界でも非常に貴重なアイテムとなっておりまして、一つにつき最低五百億円からの時価となっております」

 

「な、なんだと?!」

 

「た、高過ぎる……!」

 

「とてもじゃないが払える額ではない!」

 

ま、そりゃそうだ。

 

日本最大の富豪でも、年収は百億円未満だという。

 

世界最大の大富豪は、コンスタントに毎年二千億円くらい稼ぐのだが……。

 

どちらにせよ、五百億円というのはポンと出せる金額ではない。

 

因みに、デビルサマナー業界では基本的に、道返玉のやり取りのような大口取引は魔貨(マッカ)で行われる。

 

ついでに言えば、俺の去年の年収は二千億円なんて軽く超えていたとも言っておこう。具体的に言えば、世界一の大富豪の過去最高額の年収の三倍くらいかな!もっと具体的に言えば日本の国家予算の3.5%くらいですねえ!!!

 

税務署?来る訳ねーじゃん、非合法取引なんだもんよ。

 

……とは言え、警察に自衛隊は万年予算不足だからな。

 

警察や自衛隊が弱体化すると困るんだよ。

 

だが、警察や自衛隊は寄付を受け入れない。文民統制下にある組織が、独自に寄付金を受け取ることなどできる訳がないからな。

 

なので、政府筋と交渉して、防衛費に全額使うという契約の元、五千億円分の国債を購入してやった。

 

防衛費が五兆円くらいだから、およそ10%分になるな。

 

それと、宮内庁、ジプス、ヤタガラスにも、五千億円を寄付した。

 

めちゃくちゃ感謝された。ライドウに至っては泣いて喜んでいた。こいつらどんだけ金がないんだ……?

 

まあとにかく、税金はこれからも鐚一文たりとも払うつもりはないが、その代わりに、渡した金は防衛費にするという約束を守る限り、コンスタントに国債を買うという契約をしたって話だ。

 

で……、だ。

 

日本の金持ちレベルでは道返玉を買うのは難しいんだが、海外のセレブにとっては充分に買える額だ。

 

故に……、この場にいる海外セレブ共は、即座に購入を決意したようだ。

 

その他にも、若返りの秘薬たるソーマや、万病を治すアムリタなどは、どんな金持ちも欲しがった。

 

金持ちってのは、金は持っている訳で、金で手に入るものはそうそう欲しがらない。

 

金持ちが真に欲しがるのは、金では手に入らないもの……。

 

即ち、『若さ』『健康』もっと言えば『不老不死』ってところか。

 

その他にも、悪魔の毒についての話もした。

 

悪魔が使う毒は、表の世界の技術では解毒できないということ。

 

悪魔の毒とは、どちらかと言えば物質ではなく呪いに近いもの。

 

解毒薬なんてものはない。

 

解毒するには、ディスポイズンなどの魔界アイテムや、魔法が必要だ。

 

解毒できない猛毒……。暗殺に使われでもしたら、防ぎようがない。

 

いやあ、金持ちってのは、死を遠ざけるためならなんでもやるからな。

 

ガンガン買ってくれるそうだ。

 

 

 

そのようにして、金持ちに対するロビー活動を行った俺は、間髪入れずに次の事業を始める。

 

ブラック企業だなんだとは言うが、俺が今働かなきゃ面倒が増えるからな。

 

休日返上で仕事アンド仕事よ。

 

一息ついたら、手持ちの悪魔達と国内旅行とかするか……。

 

で、次なる事業とは、『悪魔の人間界への融和』だ。

 

いやもう、こうなったら秘匿は不可能なんだよね。

 

既に、ネット掲示板、SNS、動画共有サイト……、それどころか雑誌や新聞、テレビまで。あらゆる情報媒体で、悪魔の存在が暴露されてんだわ。

 

ほぼ全世界の人間が悪魔の存在を知った今、火消しをするよりも、正しく火を誘導した方がダメージは少ないとこっちは判断した。

 

即ち、魔界由来のアイテムや嗜好品などの一般販売。

 

悪魔と触れ合える場を作る。

 

悪魔の通貨たる魔貨(マッカ)の流通支援。

 

そう言ったことをやっていきたい。

 

もちろん、「悪魔は友達!怖くないよ!」となりすぎても困るが、「悪魔は敵だ!駆逐してやる!」と振り切れても困るんだよ。

 

もし、悪魔は国から追い出せ!みたいになったら、デビルサマナーの立場とかどうなるの?って話。

 

うちの社員が困るだろ?それは駄目だ。

 

と言うか、既に悪魔を隔離することは不可能なんだし、駆逐しろ!とかは頭の悪いセリフだよね。

 

まあ、人間は個人レベルなら良い奴も沢山いるんだが、集団レベルでは驚くほど低脳だからなあ……。

 

頭がホットな間抜け政治家が、「悪魔の駆逐を公約にして選挙します!」とか言って、まかり間違って議席とか得ちゃったらもう、大変にめんどくせぇことになるよね。

 

やりそうじゃない?民衆党とか、共産党とか。

 

それに、ガイアーズもメシアンも、今回の悪魔召喚プログラム無差別配布事件で動き始めている。

 

だが遅え……!

 

俺は既に、複数の会社の登記を済ませてある!人員も集めてある!

 

俺は速攻で、あふれる資本力を背景に、悪魔のいる店を開いた……。

 




感想ありがてぇ……。

この前、久々にランキングに乗って感想まで貰っちゃったんですが、やっぱりやる気出ますねえ!

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