ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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あああああー!


42話 生き血を啜れ

悪魔を使った店舗!

 

ローマ神話にて語られる酒造の神、魔神:バッカスの作った酒!

 

奄美大島にて語られる、片耳の豚の妖怪である、魔獣:カタキラウワなど、悪魔の血肉を材料とし!

 

日本書紀に記された料理の神、魔神:イワカムツカリノミコトに調理させ!

 

夜魔:サキュバスが接客する!

 

完璧だな!

 

しかも、格安料金なのに儲かる!

 

何せ、材料費も人件費もゼロだからな。

 

え?オーム真理教?いや、悪魔にはマグネタイトを給料として渡しているぞ?

 

そう、俺が作った店は全て『異界』になっているのだ。

 

いや、店舗ってか、最早、溢れるマネーパワーで商店街一つ分くらいの広さの土地を買い占めて、そこを丸ごと悪魔特区にしてやった。

 

あ、悪魔特区は、オプションとして、来店した人間からほんの少しだけマグネタイトを徴収するシステムになっている。

 

なあに、異界に入れば生気吸収!とはいえ、入っても、大体射精一回分くらいの生気を抜くだけだ。

 

マグネタイトってのは存在の力で、存在の力ってのはまあ、精神力や生命力。

 

例えどのような方向性であり、激情や精力、生命力なんてのは、良いMAGになる。

 

そんな訳で、悪魔とヤれる風俗店やら、自分の生体マグネタイトをマッカに変換できる為替店なんてのも設置。

 

サキュバス辺りは、若い男の精液に含まれるマグネタイトが大好物だからな。

 

そんじょそこらの風俗店では考えられないレベルのルックスとテクを兼ね備えるサキュバスを、端金で抱けるんだから、性欲を持て余した若い男共は喜んで来てくれるぞ。

 

もちろん、店にいるサキュバスは、俺が作った業務用COMPから召喚した。

 

即ち、この悪魔特区にいる悪魔は、全てが俺と契約している。

 

契約でガチガチに縛ってあるから、間違っても来店した人間を殺したりはしないぞ。

 

サキュバスとのセックスはそりゃあもうすげぇぞ。

 

枯れた爺さんでもビンビンになるからな。

 

血液や精液愛液、髪の毛のような生命力の篭った何か以外にも、感情でもOK!

 

殺意、怒り、嫉妬……。負の感情を根源とするMAGは、悪魔の大好物だからな。

 

イライラしてる人は是非ご来店ください!

 

イライラを回収します!ってことだ。

 

「で……、どの面下げて出てきやがった、ルシファー!」

 

 

 

「今の私は、ルイ・サイファーだよ」

 

なーにクワトロ大尉みたいなこと言ってんだこいつ。

 

人が折角、新しくできた悪魔特区のカフェで一休みしてるってのに。

 

「いや、本日はビジネスの話だよ。今回は、君の行動を邪魔しないと誓おう」

 

ふむ。

 

こいつ、ルシファーは悪魔の王たる『魔王』だ。

 

最も悪魔らしい悪魔だな。

 

故に、契約、約束については必ず守るのだ。

 

そいつが、誓って邪魔をしないというならば、それは真実だろう。

 

「……良いだろう。で?何用だ?」

 

俺が、カフェのアンティークな椅子に腰を下ろす。

 

「こちら、私の友人の『ルキフゲ・ロフォカレ』さんだ」

 

そう言って、ルシファーの後ろから出てきたのは、白髭を蓄えた、厳しい顔の中年だった。

 

……待て、ルキフゲ・ロフォカレと言ったか?

 

つまりそれは……!

 

「ルシファーの右腕、魔界の宰相、『魔王:ルキフグス』か……!」

 

「ほう、流石に知っておったか。とは言え、今の儂は、商人のルキフゲ・ロフォカレだ。それ以上でも以下でもない」

 

何?ゼータ流行ってんの?

 

ルキフグスが低い声で俺に語りかける。

 

「貴様も知っておるように、マッカは儂が管理しておる」

 

そうだな。

 

マッカの流通と発行は、このルキフグスがやっている。

 

「故に、貴様が独自に、マグネタイトとマッカの交換レートを制定することは許されん」

 

あー?

 

「まあ、こっちとしては、暴利を貪らない限りはそっちの裁量に従っても構わないんだが」

 

これはマジ。

 

俺はプログラマであって、経済畑の人間じゃない。

 

マッカとマグネタイトとの為替とかそういうのは、今は案としてあるだけ。

 

その辺の調整をやってくれるんなら願ってもないことだ。

 

いや、まあ、確かにルシファーは恨んでいるし嫌いだしぶち殺したいが、ビジネスの話をしない訳じゃない。

 

話は通じるんだから、双方が得するなら取引はするよそりゃ。

 

「じゃあ早速、レートの調整をするか。とりあえず、うちの会議室に来い」

 

 

 

審議の結果、血液は100mlにつき5マッカで取引することとなった。

 

献血は大体200mlくらい抜かれるな。

 

魔石一つが大体100マッカで、つまりは、1マッカにつき一万円くらいの価値がある。

 

つまりは、献血すれば十万円ゲットって訳よ。

 

血液銀行やら売血やらの制度は廃れて久しいが、DDSnetの血液採取の目的は、医療用ではないので現行法ではセーフのようだった。

 

とは言え、何度も何度も血を売って、黄色い血になる奴が出ても困る。

 

ん、ああ、黄色い血ってのは、赤血球が足りない血のことだ。

 

人間、短い期間に何度も血を抜くと、赤血球が回復せずに、血漿の黄色が強い色味の血になる。

 

黄色い血は、輸血には使えない。

 

それに、売血は貧困ビジネスになりそうだからな……。

 

故に、基準は『健康な血液』で満額を渡すということにしてある。

 

黄色い血なんて持ってくる奴は出禁だ。

 

ま、月に200mlまでなら抜いて良いってルールにしておこうか。

 

毎月十万円の臨時収入とか、みんな大助かりでしょ?

 

因みに、100mlで5マッカってのは「最低額」だ。

 

処女や童貞の血、神職の血縁者の血、異能者や高レベルの存在の血となると、かなり高価で売れる。

 

レベル20相当のデビルサマナーの血は、100mlにつき50マッカで買い取った。つまりは百万円だ。

 

そんなことをして金は大丈夫なのか?と思われるかもしれないが、異界のアイテムは最低額でも数百万円だぞ?DDSnetは、その、一つ数百万円の異界アイテムを、毎日何千何万と売っているんだ。

 

生体マグネタイト集めで出て行く金なんて、ほんの少しだ。

 

それにむしろ、生体エナジー協会や他のデビルサマナーからマグネタイトをわざわざ買わなくて良い分、実は経費削減にもなっている。

 

 

 

さて、そうなってくると当然……。

 

『旦那様、お客様がいらっしゃいました』

 

「コロンゾンか……。客ってのはやっぱりアレか?」

 

『はい……』

 

生体エナジー協会、か……。

 




書き溜めがないんですわ。

次はポストアポカリプスダンジョンの続き行きます。

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