異世界転生二日目。
「鉄だ」
俺は呟いた。
とにかく、鉄がなきゃ話は始まらない。
鉄鉱石、石炭、かまど、それと金床。
この四つがなきゃ、金属製品が作れない。
一応の目標が、時空超越による日本への帰還なのだから、金属を扱わずにはいられない。
科学でも魔法でも、金属を扱わずに時空超越をすることは不可能だからな。
さあ、掘るか。
料理をまとめて作ってインベントリに放り込み、四ブロック2m四方の大きさの穴を地面にあける。
最初はシャベル、次はツルハシ。
疲れとかはないらしいので、お腹が減ったら地上に戻って食事やトイレを済ませる。ぶち込んどいて良かった、トイレMOD……!
トイレMODは、石や金属でトイレを作るMODだな。下水道バージョンと排泄物が消滅するバージョンがある。このMODで肥料を集めないと、バイオマス系はやってられない。
さて、木の棒と火打ち石でクラフトすると松明ができるから、それで光源を確保しつつ、地面に穴をあける。
階段状の道がずっと続いて、やがて……。
「おっ」
《鉄鉱石》
《鉄。かまどで石炭とともに使うと鉄のインゴットになる》
鉄を得られた。
石炭も先程手に入れたので、鉄や鋼が作れるな!
もうちょっと掘ったら引き返そう!
「んおっ?おわっ!!」
掘った先が空洞だった……。
よくあるよくある。
ワールドクリエイターではよくある展開だ。
掘った先が洞窟やら水源やらと繋がっていて落っこちる、なんてのは。
まあ、マグマ溜まりじゃなかっただけマシかな。
『ガアアアッ!!!』
「うおっ、なんかいる!」
犬っぽいな。
穴を広げて見てみる。
あれは……!
「モンスターボックスじゃねえか!!」
モンスターボックス……、置いておくと特定のモンスターを召喚し続ける箱だ。
モンスター素材のためにモンスターボックスを集めて、モンスターが発生した瞬間に殺してアイテムを回収する『トラップルーム』という建築物は、ワールドクリエイターのプレイヤーなら誰もが通る道だ。
今回のこれは、バニラでも登場する『ガイアウルフ』のモンスターボックスのようだ。
ガイアウルフはオオカミのモンスターで、群れで行動して噛み付いてくる。遠吠えで仲間を呼んだりと、厄介なモンスターだ。
しかし、毛皮がとれて、牙は魔法的な素材になり、魔石もとれるので、旨味はそこそこある。肉もとれるが不味いそうだ。
「……よし」
俺は、インベントリから弓を取り出し、松明を投げつける。
モンスターボックスの小部屋には三体のガイアウルフがいる。
「喰らえ!」
石の矢を放つ。
『ギャワン?!!』
よし、仕留めた!
『ガゥ!ガアアッ!』
ガイアウルフが吠える。威嚇してきてるな。まあ、野犬は怖いが、ヒグマよりはまだ小さい。接近されなきゃなんとかなるはずだ。
だが、俺は冷静に、モンスタールームの上から攻撃をする。まあ、弓でちょっと攻撃するだけだし問題はないな。
そして、ガイアウルフが全滅したことを確認すると、部屋に下りて、モンスターボックスを手に入れた。
そして、モンスターボックスが置いてあるモンスタールームには、大抵……。
「あった!宝箱だ!それも銀箱!」
宝箱がある。
宝箱には、貴重な素材やアイテムがいくつか入っていて、その中でも、上から金、銀、銅、鉄、木のランクに分かれていて、上のランクの方が貴重なものが入っている。
序盤で銀箱はラッキーだ。
だがまあ、本格的に宇宙開拓とかやり始めると、宝箱のアイテムの価値なんて、相対的にゴミになるのだが。
それを防ぐために、MODの強化ダンジョンでは、更にランクの高い宝箱が、上から順に、オリハルコン、アダマンタイト、ミスリル、黒曜石、ダイヤモンドの宝箱がある。
強化ダンジョンも、自動採掘システムを使えば地形が変わって消滅するから意味はあんまりないんだけど……。
さて、宝箱の中身は、と。
「おお!《魔導筆》と《白紙の本:6》、それと《魔導墨:6》だ!」
ってことは、『ザ・ソーサラー』アドオンが追加されてるのか!
魔導書MODと称されるこのザ・ソーサラーは、魔導杖MODの『ザ・ウィッチクラフト』と魔導具MODの『ザ・ウィザード』、それと魔法法則強化MODである『アルスマグナ』と互換性を持つ、魔法ファンタジー系MOD郡の一つだ。
俺個人は『イビルマギカ』とか『ブラックマジック』、『ゾロアスター』とかの方が黒魔術っぽい邪悪な雰囲気があって好きなんだけどね。
魔導書MODでは、読むことで魔法やスキルを覚えられる魔導書をワールドのダンジョンに生成して、また、魔導書を作ることができるようになるMODだ。
とにかく『プレイヤーを強化する』点において有用なMODで、このMODを極めれば、丸腰でラスボスの『エルダードラゴン』を討伐できる超人になれるのだ。
まあ、そこまでプレイヤーを強化するのは死ぬ程めんどくさいしコストもかかるのだが……、アカシックレコードとの接続器である『銀河の本棚』を作るためには、それなりに極めないとならない分野であることは確かだな。
銀河の本棚なー!地獄のエーテル集めとアストラル採取のために宇宙行かなきゃならないのクソだるいんだよなあ!!!
ってか待てよ?
ひょっとしてこれ、寿命ありならタイムスケジュールヤバくないか?
いや、それなら賢者の石作ってエリクサーでも作れば良いか。あれ飲むと若返るし。
賢者の石はコストはアレだが複雑なもんじゃないし、割とすぐに作れるんだよな。
錬金術MODこと、『ザ・アルケミスト』が有効なら、賢者の石は簡単に作れる。資源さえあれば。
どうもこうも、工業系MODで自動掘削機を動かさなきゃお話にならんからなあ……。
半径百キロ、深さ五十キロみたいな単位で星を掘り返して資材集めしないと、効率が悪過ぎる。
星の一割二割くらいを掘り返せば、物質生成器が作れるから、結果的にはプラスな訳で。
でも、分からんけど、この世界の国の人々は反対するだろうし。ワールドクリエイターだって、バニラの状態で村人がランダム生成された村に住んでたんだ、この世界にも多分人がいるだろ。
反対されたらどうすっかなあ……。
書き溜め吐いてー、吐いてー。
旅人提督の書き溜めがない……。