ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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眠ーい。


MPKかよぉぉぉ!!!!

「ふぅ……」

 

どうすんのこれ……。

 

なんで一メートル以下のちっこいかまどで、しかもただの石炭で鉄の精錬ができちゃってんの……?

 

鉄の精錬はかなり難しいし、普通の石炭じゃできないんだが……。

 

炉も、大きくて特殊な高炉を使って、強力な熱で溶かさないと、鋼はできない。

 

できないんだが……。

 

《鋼の剣》《鋼の部分鎧》《鋼のナイフ》

 

「できちゃったぞ……?」

 

できちゃった……。

 

 

 

まあ、できたんなら仕方ない。

 

そういうもんなんだと納得しておこう。

 

むしろ、いつかできなくなるかもしれない可能性だってある。

 

だったら今のうちに、作れるものは作っておかなきゃ駄目だろう。

 

昨日手に入れた魔導筆と魔導墨、白紙の本を使って、魔導書を作る。

 

「クラフト、《基礎魔導書》と」

 

基礎魔導書の完成。魔導書MODでは、この基礎魔導書に魔石を使って作る《エレメント》を加えることによって完成する。

 

基礎魔導書にもランクがあって、基礎魔導書が一番初歩的なもので、その上に、良質魔導書、上質魔導書と続き、伝説、奇跡、神話と六段階の格の違いがある。

 

神話魔導書を作るとなると、ドラゴンの魔石相当の価値がある魔力結晶を1ストレージ=64ボックス=4050504個くらいは平気で要求してきやがる。

 

バニラでのプレイヤーが持てるブロックの数は一種類につき99個、バニラでのアイテムを入れる箱であるボックスに入るアイテムの量は64種類。99個のアイテムを64詰めた箱を1ボックスとして、それを更に64個集めたら、1ストレージと呼ばれる。

 

馬鹿みたいな数だが、ぶっちゃけ、工業系MOD入れてると割とよく見る単位だ。金やプラチナくらいの低級なレアメタルだと、倉庫に100ストレージありました、なんてのもおかしな話じゃない。

 

因みに俺は所持数無限化MODの影響下にあるらしく、物は無限に持てる。

 

まあ、それは当分先の話だな。

 

よし、じゃあ魔導書を作るか!

 

まず、着火に使える『火属性魔法』と、水源になる『水属性魔法』、そして何かあった時のために『光属性魔法』、最後に護身のための『剣術』の魔導書を作ろうか。

 

二冊はとっておこう。

 

魔法はそれぞれの段階で三つから六つくらいを覚えて、剣術は六段階ごとに剣による攻撃力がアップして、必殺技を三つずつ覚える感じだな。

 

魔石を焚き火に使って火のエレメント、水に使って水のエレメント、光に当てて光のエレメントを作成、剣術のエレメントは鋼の剣を基礎魔導書とクラフトすれば良い。

 

そして完成した魔導書を使用。

 

「……うん!自分で書いといてなんだけど、一ミリも分からん!」

 

だが、全部目を通すと、謎のエネルギーが魔導書から放出され、それが心臓の辺りにスッと入ってくる。

 

そのエネルギーは体内を駆け巡り、脳まで届くと、俺に魔法と剣技を教えてくれた。

 

『着火』『火球』『火矢』『火炎放射』

 

『水生成』『水球』『水矢』『放水』

 

『光源』『洗浄』『回復』『毒除去』『光矢』『除霊』

 

『十文字斬り』『兜割り』『薙ぎ払い』

 

こんなところか。

 

この魔導書MODの作者が大のファンタジーMMO好きだったもんだから、魔法やスキルにはコンボがあって、弱い技、状態異常の付与、自己強化、そして強い攻撃ドン!みたいな順番に繰り出すと威力がアップするみたいなあれこれがある。

 

例えば、剣術だと、兜割りで相手の防御力を下げて、薙ぎ払いで範囲攻撃兼スタン、十文字斬りで大ダメージ!が定石だ。

 

この魔導書MODの開発者には、「お前はクラフトゲームであるワールドクリエイターをどうしたいんだこのMMO中毒者め!!!」と苦情が来たが、ノリノリで断行したという裏話がある。

 

「おっ?!おっおっ!これ凄えな!マジで剣術使えるのか!」

 

剣なんて、学校で竹刀を握ったくらいの経験しかないのに、剣での戦い方が分かる!

 

ワールドクリエイターのゲーム内では、剣術の魔導書を読んでも、数値上強くなるだけだった。恐らく、モーションデータまではいじれなかったんだろう。

 

だが、この世界ではどうやら、俺のモーションデータって言うか、戦闘理論と言うか……、その辺まで影響が出るらしい。

 

神話魔導書の剣術を覚えたりしたら、剣神になれたりするのかもな。

 

いや、もしかしたら、俺自身が剣の練習をすれば上達するかも?

 

特にやることもないし、毎朝のトレーニングに剣を振り回してみるのも良いかもしれない。

 

そして、汗をかいたら、和風MODこと『ヤマトノクニ』で作った風呂とトイレ、あとシャワーで身体を洗って……、なんてこともできる。

 

いやー、俺、有能!風呂トイレ系のMOD入れといて良かったー!

 

清潔にしないと不味いからなあ。

 

ワールドクリエイターにも病気や毒などというバッドステータスは存在した訳だし、この世界でも、汚くしてたら病気になるだろう。

 

怪我からの感染症で死亡とか笑えねえ。

 

今は光属性魔法の洗浄と回復があるから、消毒と治療はできるっぽいが……、わざと怪我して試そうとは思わんね。

 

誰かで試せると良いんだけどな……。

 

でも、人里を探して旅して回ろうとは思わねえな。

 

まずは足場を固めたい。

 

魔法とスキルの習得、薬品の製造、武器……、せめて銃器の製作、もし人がいるなら、取引に使えるようなレアメタルと宝石類の採掘、食料の備蓄。

 

この辺りは必須だろう。

 

そもそも、ワールドクリエイターって、旅をするゲームってか、一箇所に篭って開拓するゲームだぞ?わざわざ敵対者がいるかもしれないところを歩き回るとかアホかな?

 

この辺りの森は、木々を切って開墾して、水場も近くにあって、モンスターも弱いのしか出ないから楽。

 

イレギュラーがなければここを拠点として使っていきたいと思ってるんだけど。

 

「思ってるんだけどぉ……!」

 

「たす、けて……!」

 

『ガァァァ!!!!』

 

「MPKかよぉぉぉ!!!!」




怪我プラス、リアルの多忙さで死にかけ。

年末年始の休みにたくさん書き溜めするぞー。

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