ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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聖おにいさんおもしれー。


そぉい!

異世界生活九日目。

 

朝食の後、開拓を始める。

 

とりあえず、何気なく拾っていたアダマンタイトで斧を作る。

 

「うおっ?!重っ!!」

 

めちゃくちゃ重い!

 

「基礎ステータスアップの基礎魔導書を作るか……」

 

そして、基礎ステータスを三倍くらいに上げた俺は……。

 

「よし、持てるな」

 

《アダマンタイトの斧》を持ち上げることができた。

 

しかし……、バニラのプレイヤーなら、アダマンタイトの斧も問題なく扱えたはずなんだが……。

 

いや、そうか、これは、俺の身体能力が基準になっているのか?

 

弓を扱えるのも、俺が大学時代にアーチェリー部だったからか?

 

うーん、謎だ。

 

まあ、とにかく、アダマンタイトの斧と、三倍の身体能力なら……。

 

「そぉい!」

 

スコンっ!

 

一回で木が切れるな。

 

スココココ、そんな勢いで木をなぎ倒して、空き地を作る俺。

 

日が落ちるまでまだまだ時間があるが、とりあえず休憩するか。

 

タバコをクラフトして、と……。

 

「ぁあ〜、効くぅわ〜」

 

何故か《薬草》を焼くとできるタバコ。

 

味は……、俺が愛飲している銘柄だ。平和な感じの名前の銘柄で、ほのかに香るバニラの匂いとキツ目のニコチンが身体に染み渡ってキモティー!!!

 

クソ異世界ではタバコと酒くらいしか楽しみがねえ!!

 

女は……、他人の嫁さんを寝取ろうとは思わんしな……。

 

あ、そうだ、ケイトを……。

 

……口説くのがめんどい。

 

レイプはやりたくねえしな……。

 

 

 

っし、休憩終了。

 

タバコの吸い殻をインベントリのゴミ箱に捨てて、インベントリから取り出した大きめのホットドックを五個食って、アイスコーヒーをがぶ飲みする。

 

入れてて良かった喫茶店MOD。嘘か真か、有名コーヒーショップの店員が作ったと言われる喫茶店MOD、軽食とコーヒーが美味い。

 

さて……、となるとどうするか。

 

まず第一に実験を兼ねた防衛だな。

 

この辺り一帯に城壁を築く。

 

そして、城壁の中でモンスターが発生するかを見る。

 

ケイトに聞いたところ、モンスターは生殖して増えることがメインだが、少なくなると、ここではないどこかから送り込まれてくるからいなくなることはない、とのこと。

 

謎だな、何だそりゃ。

 

亜人の神話によると、月のない夜に、闇からモンスターが降りてくる……、と言うことになっているそうだ。

 

亜人的には、太陽よりも月が重要視されるとか。

 

だから、月のない夜は不吉なんだそうだ。

 

まあ、その辺りの神話は中々面白いので、夜にケイトから聞いている。

 

流石は元王族といったところか、ケイトの知識量は、十六歳にしてはかなりのものだった。

 

まあ、そんなケイトの話によると、町や村の中に突然モンスターがポップすることはないそうだ。

 

湧き潰しはしなくて良いのかな?

 

そういや、たまにゴブリンあたりが数匹の群れで攻めてくることはあっても、大規模なモンスターが攻めてくるとかはないな。

 

村人を殺しまくると発生する『コープスパーティー』や、たまに現れる『謎の行商人』に、村人の間で邪教が流行る『カオスインシデント』とかもまだない。

 

うーん?何もかもがゲームと同じと思い込むといかんのだろうな。

 

とりあえず、お試しで城壁を一部だけ作ろうか。

 

こんな感じかな?

 

ポコポコと適当にブロックを積み上げて、門と城壁を作る。

 

……ん?

 

いや、待てよ?

 

いきなり城壁を作ってどうすんだよ。

 

「ケイト!」

 

「はい?」

 

ケイトを呼び出す。

 

「城壁ってどんな形だ?」

 

「城壁……?えっと、街を囲むように丸い壁がある感じ、ですかね?」

 

ああ、そんな感じか。

 

「あっ……、でも、武官の人達は、丸い城壁は、カストラ帝国の『大砲』には無力だって言ってました。丸い城壁だと駄目かもしれません」

 

ほーん?

 

本格的にコンキスタドールでは?

 

「火砲と騎兵か?」

 

「はい、カストラ帝国は、大砲と騎兵を使って攻めてくるんです。私達、エルダウン連合王国は、国によって戦い方が違って、統一されていないので……」

 

「なんで統一しないんだよ、アホかな?」

 

「亜人は、種族によって身体能力が違い過ぎるので、組織的な行動が苦手なんです。個人個人の強さは人間より二、三倍くらいは高いと思います」

 

あー、アレかな?

 

ケンタウロスやハーピィとかじゃ、確かに、他のと足並みを揃えたりはできねえよな。

 

聞けば、巨人族なんて、身長が5mくらいある奴もいるそうだ。

 

5mの人型とか、どう頑張っても軍隊に組み込めねえわな。

 

龍人なら空飛ぶわ火を噴くわで、むしろ単騎特攻させた方がマシな有様だ。

 

うーん、にしても、大砲か……。

 

そうだ!

 

「星型城塞だ!」

 

 

 

星型城塞って知ってるかい?

 

上から見ると星のような形になっている土塁のある要塞で、星の頂点の部分に、弓兵やら大砲やらを置いて、死角がないように攻撃できる要塞のことなんだ。

 

俺、道民なんで、五稜郭に行ったことがあってね。

 

それっぽい感じでやってみるか!

 

 

 

異世界生活十日目。

 

城壁を盛る。

 

異世界生活十一日目。

 

城壁を盛る。

 

異世界生活十二日目。

 

城壁を盛る。

 

異世界生活十三日目。

 

城壁を盛る。

 

異世界生活十四日目。

 

城壁を盛る。

 

異世界生活十五日目……。

 

「できた!」

 

星型城塞の完成だ。

 

よし!

 

ケイトに自慢してこよう!

 

「馬鹿な……!何もないところに要塞が……!!」

 

「素晴らしい……」

 

「やはり神……」

 

………………?

 

「誰だこいつら?!」

 




年末なので書き溜め量産中……。

旅人提督はすまないけど新年までお預けです。しばらく休ませてくれ。いやネタはあるんだけどね。

思いつき集はクラフターと魔物娘の書き溜めが増えてる。

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