ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

646 / 1724
クソがーーーーーー!!!!!!


馬車馬のように働け!

異世界生活、三十五日目。

 

タイ人のお酒をやめようCMみたいなノリで、必死に働き、勉強する亜人達。

 

そのうち使い物になるだろう。

 

しかしだな、俺は、今使える労働力が欲しいんだよ。

 

「ソニア、エルフを集めろ」

 

「え?」

 

「エルフに旋盤回させて労働力にする」

 

「き、金属の加工ならドワーフの方が得意ではないか?」

 

「うるせえな〜、やるっつったらやるんだよ、集めろ」

 

「わ、分かった」

 

ソニアのデカ尻を叩いて、森の奥に行かせる。

 

 

 

異世界生活、三十六日目。

 

エルフが集まった。

 

大体千人未満ってところか?

 

結構いるな。

 

俺の中では百人も集まれば充分って感じだったんだけど……、まあ、多くて困ることはないな。

 

エルフに命じて、《基礎工作部品》を量産させる。

 

これもまた、基礎、良質、上質、伝説、奇跡、神話と、クラスごとに分かれた工作部品だ。

 

機械を作るときには必ず必要になるアイテムだな。

 

例えば、この《足踏み旋盤》は、《基礎工作部品》×5+《基礎ネジ》×5+《鉄板》×1+《鉄棒》×1で完成する。

 

この基礎工作部品と基礎ネジが、手作業で作るのは余りにもタイムロスなんだよ。

 

何とか足踏み旋盤を駆使して、足踏み旋盤を10台作ったんだが……。

 

うーん……。

 

エルフって多分知識層だよなあ、単純労働やらせんの勿体なくね?

 

あー……、そうだ!

 

「ソニア、エルフの識字率は?」

 

「ええと、ほぼ百パーセントだ」

 

「じゃあ、お前に人事権を丸投……、一任する。若いエルフには、この旋盤で仕事をさせろ。大人の物知りなエルフには、村人の教育を手伝わせろ」

 

「わ、私を信用して、私に人事権を一任っ?!!りょ、了解した!必ずや貴方の期待に応えてみせよう!!!」

 

ヨシ!

 

 

 

異世界生活、三十七日目。

 

《足踏み旋盤》は、半日フル稼働させて、《足踏み旋盤》一つ分の工作部品を、鉄を素材にして作れる。

 

つまり、鼠算方式で増えていく訳だ。

 

昨日は10台だった足踏み旋盤は、今日は20台。

 

そして明日は40、明後日は80……とな。

 

「これ、同じ道具を増やして何の意味が?」

 

「草木に触れたい……」

 

「鉄臭いよう」

 

なんかエルフ共がごちゃごちゃ言ってるが、黙って働けとしか言えねえわ。

 

 

 

異世界生活、四十日目。

 

《足踏み旋盤》100台達成。

 

中々の生産力だ。

 

これからは、旋盤を増やすことよりも、機械を作ることを優先する。

 

足踏み旋盤では、1800年代付近の機械を作れるぞ。産業革命付近だな。

 

その次の円筒研削盤で1900年付近、その次の自動旋盤で2000年付近。

 

さらにその次にレーザー旋盤、分子加工機、物質転換機と技術が進む。

 

物質転換機は最早、工作機械ではなく、宇宙船のパーツである。

 

そして、俺が何を作るのかというと……。

 

産業革命と言えば。

 

やはり列車だ。

 

エルフの移住、増えた愚民。街の大きさは既に国レベルだ。人口はおよそ三十万人ほど。

 

三十万もの人間がウロウロする街とか邪魔なんだよなあ。

 

それと分かったことは、亜人って割と体力ないかも?ってことか。

 

全身に毛が生えてて、身体に熱を持ちやすい?

 

ほら、チーターとかが長距離走れないやつ。

 

流石に軍属の亜人は鍛えてるからそこそこだけど、普通の亜人は暑さに弱くて体力もあまりない、と言うか回復力が低いように感じる。

 

乗り物、あった方が良いなあ。

 

さあ、トレイントレイン。

 

 

 

異世界生活、四十一日目。

 

線路を敷く。

 

異世界生活、四十二日目。

 

線路。

 

異世界生活、四十三日目。

 

線路。

 

 

 

異世界生活、四十四日目。

 

亜人街を周回する《ヤマト・エクスプレス》開通。

 

一番線から四番線まで、毎日フル稼働。

 

そして起きるのは、産業革命……。

 

亜人を工場にぶち込んで、労働させる。

 

列車ぶん回して輸送。

 

大量生産させ……。

 

「俺が大量に消費する」

 

集まった機械部品で機械を作る。

 

車、計算機、船、機織り機、印刷機、時計。

 

今日は時計塔を建てた。

 

 

 

異世界生活、五十日目。

 

街も段々と回ってきた。

 

円筒研削盤も俺用に一つできたから、これでT型フォードを俺用に作り、乗り回す。

 

身体能力向上の魔導書を使っているから、走った方が早いのだが、俺はブルジョワジーなので車に乗る。

 

街には道路と信号機を設置した。

 

車は俺しか乗ってないんで移動が楽になっていい。

 

基本は歩行者天国だが。

 

折角なのでバスも作る。

 

イギリスとかでよく見る赤くて丸いバスだ。

 

適当なエルフを捕まえてバスの教習を始める。

 

 

 

異世界生活、六十日目。

 

エルフは知能が高く、車の運転もすぐに覚えた。

 

と言う訳で、バスとトラックを量産する。

 

流通が進化すれば、あらゆること、あらゆるものが進化する。

 

最近始めたのは、印刷機で紙幣を刷ることだ。

 

紙幣をガンガン発行して、流通させる。

 

俺の指示ではなく、ケイトの指示だった。

 

紙は、木と水をクラフトすればできるし、製紙工場もできた。

 

元々、亜人国家には製紙のノウハウがあったそうだ。

 

亜人国家ってか、エルフにだな。

 

エルフは紙の本を作る技術があったらしい。

 

だから、エルフに指揮させて大規模な製紙工場を稼働させている。

 

今の亜人街は、赤いバスが居住区から労働者を工場に運び、列車が資材を運び、時計台の鐘に従って五時には帰る……。

 

そんな状態だった。

 

俺が社会人だった頃の会社は、国内トップシェアのとあるPCメーカーだったが、福利厚生はしっかりしていた。

 

フレックスタイムありで、年間休日も何日と明記はしないが、普通の会社よりかなり多かった。

 

俺もこう見えて相当良い大学で、謎かけみたいな入社面接を潜り抜けてきた身だ、普通の人間より良い労働環境で働く権利がある。

 

しかし、だ。

 

馬鹿だからと言って、労働環境を低くして良いのか?

 

そんな訳はない。

 

道徳的理由からではなく、モチベーションや体調管理などの面から見てのこと。

 

馬車馬のように働いて欲しいが、馬車馬はしっかり休む。

 

「では、改めて。馬車馬のように働け!」

 




もうフリーターやるか……?

あ、次はメガテンいきます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。