ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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感想が欲しくて書くんじゃなくって、自分が書きたいものを書く姿勢って大事よね。


人間蠱毒経験者

ベアトリクスは、暁人によるあまりにも酷い扱いで心が折れ、しばらくダウンしていたが、今朝復活して暁人に会いに行った。

 

尚、ダウン中も暁人の仲介の下でこの世界の常識を知るための本やネットワーク機器を手に入れ、この世界について他の魔物娘達と勉強していた模様。

 

「アキト、暁人ー!」

 

「騒ぐな」

 

「そりゃ騒ぐわよぉ!なんでこの屋敷トラップ塗れなのぉ?!!」

 

「お前のような不法侵入者を無力化するためだ」

 

「……ごめんなさぁい」

 

早速、暁人のトラップにより、忍び込もうとしたベアトリクスは捕まった。

 

「そ、そのっ、私、色々考えたんだけどね、あなたを癒したいの!あなたの助けになりたい!」

 

「そうか」

 

「あなたをきっと救ってみせるわぁ!」

 

「勝手にしろ」

 

そう言うことになった。

 

 

 

魔人クラスにて。

 

今日は出席率は半分程だろうか?

 

基本的には商談のため、毎週金曜日は全員集合する。週の初めの方は人が少ない。

 

さて、ベアトリクスは考えた。

 

自分は、愛する暁人のことを何も知らないのだと。

 

しかし、本人に聞いても教えてくれそうにない……。

 

ならば、他人から聞いてみよう、と。

 

マモンこと、『機人』のエゴール・"ザ・ファング"・クラースナヤが、今日は来ている。

 

彼に聞いてみようと思った……。

 

エゴール・クラースナヤ。

 

赤い瞳に白銀の髪を短く刈りそろえた、ガタイの良いスマートな色男。瞳の色は、魔物娘で言うとデーモンのように、黒い眼球に赤い瞳をしている。

 

そして、その無機質な瞳は、ベアトリクス的には、魔物娘のオートマトンを思い出させるような……?

 

「ねえ、貴方?」

 

「何だろうか?」

 

「エゴールさん、よね?ちょっとお話を聞かせて欲しいの。良いかしら?」

 

「肯定だ」

 

ああ、この人もちょっと変な人なんだ、と悟りつつも、エゴールに質問を投げかける。

 

「エゴールさんって、何者なの?」

 

「俺はスヴェルフチラヴェーク(超人)計画によるロシア最高のサイボーグだ」

 

「サイボーグって?」

 

「肉体の八割を機械で代替している」

 

「ゴーレム人間ってこと……?な、なんでそんなことを?」

 

「十年前に、復讐のために生身の肉体を捨てて、サイボーグになった」

 

「復讐って……?」

 

「父親を殺したかった」

 

そしていきなり出てくるヘビィな話。

 

「な、何でかしらぁ?家族よねえ?」

 

「俺の父親は、ロシア軍部のトップだった。だが、愛人との間にできた子供である俺が邪魔だったらしく、始末されそうになった。母親は、早々に俺を売ったが始末された」

 

「つ、辛くないの?」

 

「辛いとは?始末される理由には納得していた。だが、大人しく殺されるつもりはなかった。それだけだ」

 

「で、でも、お父さんよね?こ、殺したの?」

 

「殺した。邪魔だった」

 

さも当然と言った顔で言い放つエゴール。

 

魔人に人間性を期待してはいけない。

 

「……サイボーグって、どうして生身の肉体を捨てたの?」

 

「その方が都合が良かったからだ」

 

「……痛かったでしょう?」

 

「痛み……?そのようなものは、すぐにどうでもよくなった」

 

すまないねベアトリクス君。このクラス、気狂いしかいないんだ。

 

「えっ、えっと、そうだ!暁人の過去について何か知らないかしらぁ?あの人、何も喋ってくれないから!」

 

そして、エゴールが語り出す。

 

「データロード、空薙暁人。アメリカ、マサチューセッツ州生まれ、十七歳」

 

「アメリカ生まれなのねえ」

 

「秘密結社、『第八機関』の首領であるアスリット・スミスの息子。出生時の名前はアダム・スミス。空薙暁人の名は日本に帰化して自分で名付けた偽名の一つに過ぎず、決まった名前は持たない」

 

「………………うん?」

 

ちょっと今変なこと言わなかった?と、一旦話を止めるベアトリクス。

 

「第八機関とは、主に兵器の流通を司る死の商人にして、戦争による経済の支配を通して、最終的に人類を滅亡させて、新たな世界をやり直すことを目標とした機関だ。第八、というのも、ノアの箱舟に乗った人間の数を表すもので、八人の幹部により運営されていた」

 

「……ちょっと待って、つまり、暁人のお父さんって、人類を滅ぼそうとしてたの?」

 

「肯定だ。核ミサイル基地の四割を支配しており、いつでも世界を破壊できたと記録にある。それをノア計画と呼び、暁人はノア計画後の新人類として調整された『パーフェクトデザインド』だ」

 

「パーフェクトデザインド……?」

 

「遺伝子による調整、投薬、脳開発、外科手術などにより改造された、究極の人間のことだ」

 

「な、んで?自分の子供を改造したの……?なによ、なによそれえっ!!!」

 

「投薬後は、言葉を覚えるよりも早く人の殺し方を学んだそうだ。パーフェクトデザインドは他にも数百体存在し、それを蠱毒のように殺し合わせて、最高の個体を作った。それが暁人だ」

 

「じゃあ、暁人は、兄弟を皆殺しにしたの……っ?!!」

 

「肯定だ」

 

ベアトリクスは愛されて育った魔物娘だ。

 

あまりにも酷い暁人の略歴を聞いて、吐き気を催した。

 

ベアトリクスの世界の主神よりももっと恐ろしい……、ヘドロのように粘つくドス黒い「悪意」を感じる。

 

人間を超えた「悪意」を……。

 

「暁人は、他のパーフェクトデザインドを殺害した後に、英才教育を施され、魔術的、機械的に肉体を改造され、強大な力を得た」

 

「酷い……、酷いわぁ!」

 

「だが、暁人は、ノア計画発動の前日に反旗を翻し、第八機関のメンバーを皆殺しにした。そして、第八機関の全権力を引き継いだまま、裏社会での調停役として存在している」

 

「調停役?」

 

「暁人は、魔術から科学まで、幅広い知識と力を持つ。故に、多方面の事件に対応できる」

 

「えっと……、何で調停役を?正義の心に目覚めたの?」

 

「それは……」

 

エゴールが何かを言いかけたその時。

 

後ろから暁人が来て言った。

 

「搾取するには、人類というクズ共が多い方が良い。全て殺してやり直しだと?何故俺がそんな面倒なことをしなければならない?」

 

「ひっ?!」

 

暁人のことを嗅ぎ回っていたと怒られる!ベアトリクスはそう思い込んで怯えた。

 

「お前も民の上に立つのならば、殺す手段より利益を吸い出す手段を覚えろ」

 

「……怒らないのぉ?」

 

「何故怒らなくてはならない?」

 

「だって、あなたのことを調べてたから……」

 

「調べられて困ることは誰にも教えん。喋るのが面倒なだけだ」

 

「ああ、そう言うこと……」

 

 

 

「あ、そうだ!エゴールさんの好みのタイプの女の子ってどんな感じ?」

 

「特にない」

 

「え?そうなの?」

 

「疑問なのだが、お前は犬の顔に拘るのか?」

 

「犬って……、女の子を犬扱いって……」

 




それはそうと常に感想は欲しいのだが。

帰還勇者、亜人との国交樹立による亜人観光客の大規模受け入れと、それに伴う亜人バブルの話。今、日本に魔法大学を設立する話を書いてるところです。

亜人の六王が、勇者を生んだ日本人に期待して、費用を亜人国家持ちで日本の土井中村に魔法大学を建ててくれるんです。そして、土井中村で魔法を学んできた子供達が魔法大学に入学して……、みたいな。

もちろん、アメリカもドイツも黙っておらず、ガンガン優秀な学生を送り込んできます。中国からはスパイが来ます。そして、過疎地域の土井中村は学生街に進化して華麗な復活!みたいな。

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