ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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サーティスファクショーン!ゴリラ!!!スラングルー!!!!


九頭龍高校にて

トウテツこと、『白日昇天』の朱梓豪(シュウ・ズーハオ)という男がいる。

 

背は低く、髪は白。木枯らしのような、涼しげだが寂しげな男である。

 

名前の通りの中国人で、崑崙山脈から来た数千歳程になる天仙だ。

 

今、彼は……。

 

「す、すまん……、本当にすまん!」

 

「「「「………………」」」」

 

七魔帝にいびられていた。

 

何故か?

 

主に文句を言っているのは暁人である。

 

それは何故か?

 

「いや本当に……、まさか中国で青幇が復活して世界征服を企んでいるとは夢にも思わず……。儂の怠慢じゃったな、すまん……」

 

暁人は梓豪に告げる。

 

「これで何回目だ?」

 

梓豪は暁人に告げる。

 

「い、いや、そもそも、あんなに広くて人が多い中国を儂一人に丸投げするのがどうかと思うんじゃが」

 

「なら人を雇え」

 

「日本みたいな法治国家と同じだと思うな?中国では収賄やら何やらが飛び交う末法の世じゃぞ?せめても韓国の管理は他所に回さんか!」

 

「あの国は管理しないと面倒なことになるんだよ、お前が見ておけ。予算は一番多く回してるんだぞ」

 

「金で言うこと聞くような賢い人間はおらんのじゃよ!」

 

「じゃあ崑崙山脈の仙人を動員しろ!」

 

「あいつらは中華人民よりもっと言うこと聞かんわ!!!」

 

このように言い合いになり、魔人クラスの雰囲気は……、別に悪くならない。いつものことだ。

 

だが、この光景を喧嘩だと勘違いした魔物娘達が口を挟んでくる。

 

「あ、あの、もうその辺で……」

 

リリムのベアトリクスが言った。

 

「喧嘩するなよ……」

 

人虎のシャオが言った。

 

『友人間で争うのは不毛です』

 

オートマトンのゼロが言った。

 

他の魔物娘達も、この喧嘩を止めようとしてきた。

 

だが……。

 

「………………」

 

「痛いっ?!!」

 

暁人は、ベアトリクスを殴った。

 

「な、何でぇ……?」

 

「邪魔だ」

 

「な、何も殴らなくても……」

 

涙目のベアトリクスに対して、梓豪が言った。

 

「ああ、これくらいいつものことじゃし、気にせんでええよ?」

 

と。

 

「いつも喧嘩してるのぉ?」

 

「いや喧嘩じゃないしのう……。儂らが本気で喧嘩したら、大陸がまとめて消し飛ぶぞい」

 

「ヒェッ」

 

「嘘こけやァ、最悪星ごといくだろォ」

 

アドラメレク、陽介が茶々入れてくる。

 

「まあ、じゃから、魔人同士での内ゲバは厳禁なんじゃがな。今、儂がこうして怒られておるが、実際、中国が消し飛んでも半殺しで許されるぞい」

 

軽い様子で語る梓豪。

 

「実際どうなん?」

 

と陽介。

 

「……どうせ殺しても死なんだろうが。だが、中国が飛べば武器が売れなくなる。中華裏マーケットに流す武器弾薬はかなりデカい。そこを潰すようなら……」

 

暁人は暗に、死ぬよりも酷い目に遭わせると言った。

 

「えっ、待って、そもそも武器売ってるのかしら?」

 

「………………」

 

「だ、駄目よぉ!人殺しの武器なんて売らないでぇ!あ、痛い!痛い!」

 

ボコボコにされたベアトリクスは、四つん這いにさせられ、上に暁人が座っている。

 

「あっ、これはこれで……❤︎」

 

ベアトリクスはSもMもどっちもいける淫乱なので、ちょっと興奮した。

 

 

 

「あ、あの、隣に座っても良いかしら?」

 

「勝手にしろ」

 

「えへへ……、痛い!」

 

「引っ付くな」

 

相変わらず塩対応されているベアトリクス。

 

ベアトリクス的には、愛する暁人の隣にいるだけで胸いっぱいである。

 

でも、もっと可愛がってほしいものだが。

 

「何飲んでるの?」

 

「酒だ」

 

「私にも頂戴?」

 

「勝手に飲め」

 

塩対応である。

 

ここまで行くとホモの疑いすらある。

 

しかし、暁人本人は、普通に女を抱いた経験は多々ある。

 

では、何故、ベアトリクスにこの対応なのか?

 

……ツンデレ?

 

否、単にうざったいだけである。

 

暁人は基本的に、自分のペースを乱されることを酷く嫌う。自分をプレイヤー、他人を駒だと思っているこの男は、駒が思い通りに動かないのを嫌うのだ。

 

暁人にとってベアトリクスは、魔物娘という新たな財源を動かすための駒と考えている。

 

「これ美味しいわねぇ……。でも、魔界のお酒も美味しいのよ?今度持ってくるわね!」

 

「ほう……、何の酒だ?」

 

「えっと、サテュロスのワインかしら?あれは人間には作れない美味しさよ!」

 

「ふむ……、楽しみにしておこう」

 

「え……、あ、う、うん!楽しみにしててね!」

 

 

 

『マスター、どうぞ』

 

「ああ、ありがとう」

 

オートマトンのゼロとサイボーグのエゴール。

 

ゼロは、人間に奉仕するプログラムが組まれているオートマトンだ。

 

紅茶を淹れるくらい簡単なのだ。

 

エゴールは、ロシア人らしく、濃いめの紅茶にジャムを舐めるスタイル。

 

エゴールの産まれた地では、このスタイルが基本だった。

 

まあそもそも虐待されて育ったエゴールは紅茶とか今までろくに飲めなかったのだが。

 

せめても、ロシア人であることを忘れないように?望郷?

 

……単純にロシアンティーが好きなだけである。

 

因みに、伴と藤太郎は日本茶派、暁人と千景はコーヒー派、大門とグリムは紅茶派である。その辺の趣味は割とバラバラ。

 

 

 

その隣では、グレムリンのルインが、千景の配下のメイドロボに資料を渡され、この世界の技術の猛勉強をしている。

 

頑張ってこの世界の技術を吸収して、愛する千景の助けになりたい。

 

なるほど、涙ぐましい努力だ。

 

しかし、ルイン程度では、IQ5000を超えるとされる智慧の悪魔、人類のバグである千景を超えることはもちろん、足元に及ぶことすらない。

 

言うまでもないだろうが、千景はルインを実験動物としか考えていない。

 

と言うよりも、そもそも、千景は自分以外のあらゆる生命を見下している。

 

魔人は同格だと思っているが、それでも千景の知能に匹敵するほど賢い人間はほぼいないからだ。

 

そもそも、千景も科学的に肉体を調整してある、人間とはもう既に別種の生き物。千景と人間とでは、人間と虫けら以上の知能格差があるのだ。

 

つまり何が言いたいのか?

 

千景にとって魔人以外のほぼ全ての人間は「下等な猿」であると言うことだ。

 

 

 

大門と、バフォメットのアイボリーが魔法を教え合っている。

 

しかし、知識の差から、アイボリーが教わる側であることの方が多い。

 

大門……、ダイモンは、人類史初の魔導師だ。

 

始まりの魔法使いだ。

 

延命に延命を重ね、不老不死を実現した男だ。

 

人よりも概念的な、神に近い存在である。

 

確かに、バフォメットも、国一つをどうこうできるような強大な魔法使いだ。

 

しかし、大門では相手が悪過ぎる。

 

大門は、何千万年もの時を生きた超越者であるからして、たった千年生きただけのアイボリーは子供にしか見えないのだ。いや、見た目もロリだが。

 

大門が同格と認める魔人と違い、国一つをどうこうできる「程度」のバフォメットなど、なんと矮小な存在なのか。

 

スケールがあまりにも違い過ぎるのだ。

 

 

 

一方、人虎のシャオと伴は、ほうじ茶を飲みながらせんべいを齧っている。平和。

 

このように、魔物娘の第一陣がそれぞれ相手を見つけたので……、そろそろ次の段階に入る。

 




はあー、面白いss書きたいよお。

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