早く使えばOKかな?
「あはははは!私はザンギャーク帝国の幹部、クリュナよ!これから地球を征服するわ!!!」
銀髪の女が九頭龍高校のど真ん中で叫んだ。
「ザンギャーク帝国……?古代系か?いや、そんな資料は見ていないな。となると、カルト系か」
目の前にいるルシファー、暁人が予想を立てた。
「あんたが、この世界を守る魔人とかいう奴のリーダーね!」
「ふむ……、まあ、リーダーかと言われれば否定はしないが」
「これを見なさい!」
クリュナは、懐から赤いボタンを取り出した。
「これは、東京のとあるビルに仕掛けられた爆弾のスイッチよ!これを押せば数千人の人が死ぬわ!ふふふ、どう?怖いでしょう?人質を殺されたくなければ降伏しなさい!」
「ほう、そうか」
暁人は、真っ直ぐにクリュナに近付いた。
「な、何を……?!ち、近くな!動くな!人質がどうなっても良いのっ?!!」
暁人は、無言で近付く。
「お、押すわよ!良いのっ?!!!」
暁人は、スイッチを取り上げた。
そして、躊躇いなくスイッチを押した。
「あ……、あああ、あああああっ?!!!あ、あんた、何てことを?!!!」
「サイファー」
暁人は、『コロンゾン』の名を冠する魔人にして、世界一のハッカー、サイファー・クリストフ・ワーズワースに声をかけた。
「えーと、テレビ局のUBSの本社ビルが吹っ飛んだってさ」
サイファーは、素早く電脳と直結したインターネットシステムにアクセスし、ニュースサイトやSNSに転載されているデータを手に入れた。
その結果、日本のテレビ局の一つが爆弾で吹き飛んだと知る。
「なんだ、UBSか。マスコミなんざあってもなくても変わらないから、どうでも良いだろ」
「完全同意。どうせやるなら、病院とか学校とかの方がパニック映画めいていてイエスだよね」
暁人は、サイファーと軽くジョークを飛ばし合う。
「あ、あんた、なん、何てことを!!!」
クリュナはあまりのことに唖然としている。
「サイファー、各方面に連絡をしろ。ザンギャーク帝国なる組織がUBS本社に爆弾を仕掛け、いきなり、予告もなしに爆破した、とな……」
「おk」
サイファーが、脳内でネットワークにアクセスし、一秒もしないうちに各方面に連絡を送った。
「は………………?」
クリュナは、呆然としている。
それを見て暁人は、若干に芝居がかった雰囲気で言った。
「おや、こんなところに、テロの主犯であるザンギャーク帝国の幹部がいるぞ?参ったな、死した無辜の民の仇を討たなきゃなあ」
「なっ……?!だって、押したのはあんたで」
「いやいや……、低能だな。『そういうことになった』んだよ」
「あ……、ひ、ひいっ!い、いや、や、やめて!」
クリュナは、たっぷり七十時間拷問され、性的な暴行を受けてから、自らの内臓を無理やり食わされて、その生首が湯後洲市の真ん中に晒された。
「あ、あの、暁人?なんだか知らないけど、街のど真ん中に生首が晒されてるんだけど、何か知ってる?」
「いや、知らんな」
「そう?物騒ね……」
暁人は、ザンギャーク帝国が壊滅したという報告を受けながら、学校へ行った。
「怖いから、私を守って?……あがっ」
暁人の裏拳がベアトリクスの顔面に突き刺さる。
数滴、ベアトリクスの鼻血が地面に落ちるが、暁人はスマートフォンを操作しつつ真っ直ぐに歩いている。
「な、なんでぇ〜?!!!」
「もしもし?俺だ。ザンギャーク帝国の件、よくやった。報酬についてだが〜」
そんな調子で、高校まで到着。
今日は金曜日だ。
魔人は全員揃っている。
メソメソと泣いているベアトリクスを余所に、暁人は周囲の魔人に軽く挨拶して、教壇の前に立った。
「まず、ザンギャーク帝国の件で動いた織矢とサイファーはご苦労だった。手に入った資材はそちらで好きにしてくれて構わん。梓豪も、青幇の抹殺、良くやった。今週の連絡事項は〜……」
暁人が業務連絡を行い、魔人達が自分のスケジュール帳に今後の予定を書き入れた頃……。
窓がぶち破られた。
「暁人ーーーッ!!!」
ドラゴンのアカムである。
「暁人ッ!貴様を私の旦那に」
アカムが何かを言おうとした瞬間……。
二十六の銃口がアカムに突きつけられた。
「………………え?」
そして……、発砲。
「うぎゃああああああっ?!!!!」
流石に、ドラゴンたるアカムは、銃弾くらいでは死なないのだが、痛いものは痛い。
「いだだだだだだだだだぁ!!!!」
魔人全員の銃から薄く煙が出る。
そして、魔人達は、自らの銃をリロードすると、懐に収めた。
因みに、余談であるが。
暁人はデザートイーグル。
千景は手製のレーザーピストル。
エゴールはイジェメック MP-443。
藤太郎はミネベアP9。
テスタトリポカのクィンシーはM4A1。
デミウルゴスの潤に至ってはバズーカで。
フンババの鉄朗は対戦車用のプラズマキャノンを使って、教室の窓側の向こうにあった電波塔をへし折った。
「な、ななな、なあっ?!何やってるのよ貴方達はーーーっ!!!!」
ベアトリクスが怒鳴る。
「「「「いや撃ちたかったから」」」」
魔人は基本、最弱のマスティマであっても銃弾くらいでは死なない。
なので、魔人達は、気に食わないことがあるととりあえず銃をぶっ放すクセがあるのだ。
こいつらにとっては、銃撃は会話の最中の『ツッコミ』のようなもので、笑顔で馬鹿な話をしている最中にもいきなりぶっ放すことが多々ある。
「しゃ、洒落になってないわよっ!」
「ウゼー、この程度で死ぬ方が悪いじゃん」「久々にワロタ」「撃ったくらいで騒ぐなよ」「湯後洲じゃ日常茶飯事だろ」
「何言ってるの?!普通の人なら死んでるのよ?!」
「うるせぇよカスが」
魔人の誰かがベアトリクスに発砲。
「いぎゃあ!!!」
ベアトリクスが、弾丸を肩に受けて倒れる。
貫通はしてないが、痣にはなっている。
「っつぅ……」
肩を押さえて立ち上がるベアトリクス。
「で?このアホは殺して良いのか?」
暁人は、アカムの髪を無造作に掴み、ベアトリクスに投げ渡した。
「ア、アカム……」
「う、うーん、いたたたた……」
「………………」
何となくムカついた暁人は、倒れているアカムに一発ぶっ放した。
「ぐぎゃっ?!!」
「な、何でぇ?!」
「なんかムカついた」
大賢者ポストアポカリプスと並行して、また別なのを書いてます。大賢者ポストアポカリプスが転けた時のためのものです。
そっちは、いつも通りのハイファンにしておきました。
内容?
『鑑定能力』と『地球で培った語学力』の二つで、才能も魔力も何もかもが人並みの凡人主人公が、外国語を話す亜人奴隷を集めて優しくする話になります。
貴族のボンボン、武門貴族の三男。剣技も魔法も人並みで、両親からは期待されてない。兄や姉は優秀な剣技やら魔法やらを使える。
『鑑定能力』と簡単な魔法を駆使して、マルセイユ石鹸や鏡なんかを作って、美味い料理を量産するテンプレ知識チートをします。
そして、生活環境を整えた後に、亜人の奴隷を買います。
この世界では、亜人は、バルバロイ(醜い言葉を話すもの)と呼ばれていて、奴隷扱いが基本。
で、主人公は、めっちゃ強いスキル持ちの亜人奴隷少女を買って、訓練させて、身を守らせる!って話。
龍人はドイツ語、獣人はスペイン語……、みたいな感じで、地球で語学教師をやっていた主人公は、十数カ国語が話せるので、バルバロイである亜人達とも喋れて、意思疎通ができるんですね。
人間に捕まって酷い扱いを受けてきた奴隷少女を、あの手この手で心身を癒します。
そして、亜人達は、主人公を神の如く崇めるようになるんですわ。