しばらくスレの住民と触れ合って遊んだ後、スレを離れた。
スレでは、他の板からも人が集まり、大議論が始まっているようだ。
面白いのでツブヤイターのアカウントも作って、異世界の動画を上げる。
そして、ツブヤイターのURLもスレに貼り付けて、ついでに動画をユウチューブに載せて、全力で遊び始める。
そんなこんなで一ヶ月。
ツブヤイターは瞬く間にアルファツブヤイタラーになり、ユウチューブでもトレンド入りし、スレは100スレ目までに伸びた。
ついたあだ名が『異世界セレブニキ』であった。
最近は暇なので、料理動画と狩猟動画を主にアップしている。
日記がわりに毎日無編集動画をアップして、スレも覗いて、ツブヤイターも覗く。
そして今日……。
『ガアアアアアアアッ!!!!!!!』
「ひょえー」
三十メートルほどの黒いドラゴンが現れた。
灼熱のブレスが敷地のバリアに激突する。
バリアは小揺るぎもしない。
それに怒ったドラゴンは、バリアに格闘攻撃を仕掛けてくる。
「喰らえ」
『ガアアアアアアアッ!!!!!!』
あちゃー、普通のライフル弾じゃダメだなこりゃ。
殆ど効いてない。
しゃーない、これを使うか。
「対物ライフル〜」
.50BMGのお味はいかがでしょう?ってな。
『ギィイッ?!!!!!』
お、かなり効いたみたいだな。
鱗が砕けて、真っ赤な血がどろりと流れてきた。
俺も肩が痛くなるからあんまり撃ちたくないんだが、それでも攻めてくるなら殺すっきゃないよね。
『ギィイッ、ガァッ!!!!!』
効いてる効いてる。
段々弱ってきたな。
『グガアアッ……!!!!』
逃げようとしたので翼を撃ち抜く。
『ギャガアッ?!!!!!』
墜落した。
最後に脳天を……。
『ま……、待て、人間!!!』
「アァ?喋れんのかテメー」
ドラゴンが喋った。
『や、やめろ!殺すな!』
「いやそんなん言われても攻めてきたなら殺すっきゃないじゃん」
『何を言うか?!先に我の縄張りに家を建てたのは貴様ではないか?!!』
あ、ふーん。
そうなの。
そりゃ、俺にも非があるかもな。
「でも俺、ここから出たらモンスターに殺されちゃうし……。お前を殺して縄張りを奪い取ることにするわ!じゃあな!」
『ま、ま、待ってくれ!』
んー?
「まだ何か?」
『け、契約だ、契約をしよう!人の身で龍と契約を結べば、魔族のように長き時が生きられるのだぞ!』
「うーん、なんかめんどくさそうだし、死んでもらった方が早いかなあ」
『わ、分かった!真名だ!真名も許す!』
「真名?」
『し、知らぬのか?真名を知れば、その存在を縛れるのだ。真名を許すとはすなわち……』
「すなわち?」
『……全面降伏ということだ』
ふーん。
そうだな……、まあ、それなら良いだろう。
「分かった、降伏を受け入れる」
『うむ……、我が名はギラ、真名はーーーーーだ。よろしく頼むぞ、レオ』
「あれ?俺名乗ってないよな?」
『……先程、《看破》の魔法を使ったが、貴様には名があっても真名はないようだ』
ふーん。
「真名がないとなんか不都合あんの?」
『いや……、存在の根底を表す真名がないと言うのは、心臓がないようなものだぞ……?』
「ふーむ?」
『真名がないと言うのなら、大抵の呪術は効かないし、誰かに存在を縛られることもないだろうな』
まあ、不都合ないなら良いや。
じゃあ、契約するか。
『《契約》……!!!』
「うお、おおお!」
手の甲が熱い!!!!
これは……?!!
吼える龍のような、古代文字のような紋章が黒く浮かび上がった。
それだけじゃなく、全身から力が溢れている!
「こ、これはあれか!竜魔人とかになれるやつか?!」
『いや……、まあ、姿は変わらんと思うぞ』
「夢がないな」
『それより……』
ん?
何だ?
『何か食うものをくれ……、血が足りん、このままでは死ぬ!』
新作の書き溜めか、今までの作品の続きを書くか、それが問題だ。