ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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なろう系だからどうしても他の小説と展開被りが出てしまう。


10話 ギラとの休日

ギラと懇ろな関係になってからひと月が過ぎた。

 

スレでも結婚報告をして、スレ民達の嫉妬と祝福の声を受けた。

 

俺の生活に変化はあまりない。

 

毎日運動して、勉強して、遊んで、寝るだけだ。そして、週に二日の完全フリーの日に遊びまくる。

 

だがまあ、その生活サイクルに、ギラとの睦み合いが挿入されただけの話だ。

 

それと、最近は領域を北に伸ばし、海まで届かせた。

 

暇だったんでギラと海水浴したぞ。

 

そんな感じで、ギラと楽しく過ごしている。

 

ギラは、ああ見えて内面は理知的で達観しているところがある。下手すりゃ俺よりも。

 

だから、特に衝突することもなく、楽しく暮らしている。

 

上手く行っているのはギラの配慮もあるだろう。

 

俺はかつて、世界一のセレブとして女にはモテた。いや、誰もが俺を持て囃した。

 

だが、そいつらが本当に好きなのは俺だったのかと、いつも疑問に思っていたのだ。そいつらが好きなのは、俺の金、家柄……、俺本人の魅力以外のところが全てなんじゃないのか、と。

 

別にいいんだ、ありのままの俺を受け入れてほしい!と言ったガキみたいなことを言う訳じゃない。そりゃ、好き好んで貧乏と仲良くなろうと思う奴は少ないだろうしな。

 

だからこそ、あからさまに金を使わせようとしてくる奴らの方が人間らしくて安心するくらいまである。

 

逆に、裏表なんてありませんよ、みたいなツラをしたやつが一番怖い。

 

そんな中、ギラは、野生の生き物だった。

 

人間の金や家柄、地位なんてものは見ていない。

 

ただ、俺のことを、美味い飯をくれて、自分を叩きのめすくらいに強くて、可愛がってくれる『ご主人様』として見ている。

 

そして、俺を裏切らない《契約》を結び、真名まで預けてくれている。

 

信用できるのだ。

 

この世界で誰よりも、信用できる。

 

あっちの世界で俺は、終ぞ、友も恋人も作れなかった。誰も信用できないから。

 

信頼できたのは、長年にわたり執事として仕えてくれたセバスチャンと、両親だけだった。

 

だが、ギラは違う。

 

ギラは俺を裏切らないし、裏切れない。

 

願わくば……。

 

ギラを信頼できるようになりたいものだ。

 

 

 

朝6時、起床。

 

「ギラ、起きて」

 

「んむ、むう」

 

「起きろー、キスするぞー」

 

「してよいぞー」

 

「じゃあする」

 

「んっ……」

 

ギラを起こして、朝食。

 

「ラジオ、お前をまだ愛しているよ〜」

 

歌いながらオムレツをひっくり返す。

 

そして、茹でたブロッコリーにマヨネーズをかけて、分厚いベーコンを焼く。

 

これまたアメリカの分厚いトーストにバターをちょいっと。

 

うーん、ちょっと脂質が多いかな?なんて思いながら、料理を配膳する。

 

「貴様、中々にご機嫌だな?」

 

「あら、歌、聞こえてた?」

 

「ふふふ、ドラゴンの聴覚を舐めるでないぞ?にしても、不思議な歌だな?らじお、に話しかけるのか?あの、音楽が出る箱に?」

 

「ああ、あの曲は〜……」

 

なんて、なんでもない会話をしながら、二人で朝食をとる。

 

そして7時ごろ。

 

「今日は休日だから、遊ぶぞー!」

 

「おー!」

 

「何がしたい?」

 

「本をたくさん読みたいのだ!」

 

「本を?」

 

「うむ、それがのう、貴様の世界の物語が面白くてな」

 

ふむ?

 

「神話は大体体験してきたが、我は、なんだかよく分からないうちに最果ての荒野に住む悪いドラゴン、とされてしまっている。なので、どこに行っても恐れられるのだ」

 

「ああ、なるほど。たまには、別の視点で物語を見て見たいのか」

 

いつも裏ボス扱いされてきたギラは、たまには英雄の視点で神話を見たいのだろうな。

 

「うむ!最近はこの、腕輪物語というおとぎ話を読んだぞ!面白かった!」

 

「ああ、それ、映画化してるぞ?後で見てみろ」

 

「なんと!えいが、にもなっておるのか!あとで見なければならぬな!」

 

 

 

今日は休日、本を読む。

 

俺も、ママゾンから配達された漫画を読む。

 

「ああ〜、やはり華の慶次は最高におもしれーわ」

 

漢とはかくあるべしと教えてくれるな。

 

近頃のオレツエーしているネット小説の主人公が「俺またなんかやっちゃいました〜????」とか言うと「は?」ってなるけど、慶次が無双すると何故かスカッとするわ。

 

何が違うんだろうか?

 

やっぱりこう、男としての格とかかな。

 

いずれにせよ、俺はこんな風に気持ちのいい男にはなれないな。

 

紅天の拳の満州王みたいな感じだ。

 

ち、朕もそんな友が欲しかった……!って感じ。

 

図書館でダラダラ漫画を読んで、自家製のビーフジャーキーを齧る。

 

ついでにビール。

 

ああ、やっぱり日本の漫画は面白いな。

 

アメコミは古いのは面白いんだが最近のはポリコレ棒で叩かれて改悪されててなあ。

 

映画とかも大体そう、黒人の悪役はまず存在しないし、いつも気のいい上司の役。日本人と中国人は同じアジア枠で一緒くたにされて、CIAはいつも悪者。

 

本当に多様性を語るなら、黒人のテロリストを有能な日本人とCIAで退治する話でも書いてみたらどうなんだ?って感じ。

 

俺もハーフってことで散々後ろ指指されてきたからな。

 

白人共は、言葉には出さないが、アジア人との混血と馬鹿にして見下してくるやつが割と多かった。

 

あいつら、「人種差別と黒人が嫌い」みたいなダブスタを平気でやるからな?

 

俺が学生時代、ボクシングのアマチュア学生の世界大会で優勝した時も、陰で相当、「アジア人の混血が優勝とか、アメリカ人として恥ずかしくないのか云々〜」みたいな言説がばら撒かれたからな。

 

あームカつく、昼寝しよ。

 

 

 

昼飯の時間だ。

 

今日は日本風のカレーライスにする。

 

ご飯も炊いた。

 

それにグリーンサラダをちょいと添える。

 

カレーは、人参、じゃがいも、玉ねぎに、大きめに切った豚肉だ。

 

ルーは市販のものを使用、二種類別の種類のものを混ぜる。

 

俺は大人なので中辛と辛口を混ぜた。

 

「むおお!かれー、か!これは美味だのう!ちと辛いが、肉と野菜の旨味と、風味づけの野草の味が複雑に絡み合って、えも言われぬ奥深い味を作っておる!」

 

ギラは大喜びだ。

 

「お前、好き嫌いとかないのか?」

 

「ないぞ?ドラゴンには毒も効かんのでな。五十万年生きて一度も腹を壊したことはない」

 

結局、俺とギラは三杯お代わりした。

 

よし、じゃあデザートだ。

 

紙パックコーヒーにゼラチン混ぜて作ったコーヒーゼリーと作り置きの生クリーム!

 

「おおう!ぜりー、か!これはいつぞやの、こーひーのぜりーなのだな!ほろ苦くてプルプルで舌触りが良いのう!このくりーむも甘くて美味だ!」

 

デザートを食べた後は、たまにスレを覗き、ツイートをしつつ、また遊ぶ。

 

オンラインゲームもどうやらできるようだ。

 

今日は映画を見る。

 

キャラメル味のポップコーンとコーラを楽しみながら、映画館で腕輪物語を見ていた。

 

そして、夜はラーメンを作る。

 

実はスープストックを昨日から水出ししておいたのだ。

 

これをゆっくり加熱して、厳選醤油ダレで……。

 

麺も自家製のものを細麺にする。

 

寸胴鍋や麺作りマシーンなど、変なものがいっぱいうちにあるのは母の仕業だ。

 

あの人は本当に料理が好きだったからな。

 

化学調味料まみれのラーメンを外に食べに行くくらいならお母さんが作ります!っつってな。

 

だが母よ、化学調味料まみれのラーメンもそれはそれで美味いのだ。

 

まあ、今回は化学調味料を控えるが。

 

よし、完成だ。

 

メガ盛り醤油ラーメン三種チャーシュー盛り!

 

「ちゅるちゅる……、うむ!このらぁめんは実に美味である!麺の柔らかくも弾力のある食感もさることながら、この汁の奥深さよ!肉と魚の旨味が凝縮された汁にしょうゆの旨味が混ざり合い、絶妙な加減だのう!付け合わせの肉と卵も実に美味い!」

 

 

 

夜中。

 

「ひゃん!こ、これ、乳など吸っても何も出ぬわ!」

 

「なあ、一応避妊してるけどさ、子供ってできるのか?」

 

「できるに決まっておろうに!我の契約者になった時点で、貴様は龍なのだからな!」

 

ほーん。

 

「子供、ほしいか?」

 

「うむ、まあ、その内に、な?」

 

となると、家族計画も考えておかなきゃな。




パクリとか言われたらやだな。

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