とりあえず、全員服をひん剥いてクーラーをつけ、脇や頭に氷嚢を乗せる。
なお、下着はふんどしみたいなのとスポブラみたいなのだった。
俺は紳士なので下着は剥がない……、つもりだったが、臭いからして衛生面が……。
仕方ない、脱がせて全身拭いてやるか。
ギラに頼もうかとも思ったが、ギラは汚いから触りたくないと言ってきた。酷いなお前。
仕方がないので俺がやる。
まあ、童貞じゃないんだ、女の肌くらいでヒーヒー言わんよ。
そもそも、垢がそこらからごっそり出てるから、色気とかそういう話じゃない。介護で興奮する奴はいないだろ?
そして……、ううむ、点滴するにも悪魔に点滴をして良いのだろうか?
でも、本人達は気絶していて水分は補給できそうにないし、やってみるしかあるまい。
ええと……、緊急時のマニュアルによると、点滴は、ここの血管に針を……、うむ、こんな感じか。
点滴開始。
「うげ、何をしておる?」
「点滴だ、身体の中に直接、水と栄養を送り込んでいる」
「顔に水でもかければ起きるのではないか?」
「無理だって、水も飲めないくらいに衰弱してるからな。そのままびっくりして死ぬかも」
「ぬう……」
「まあ、びっくりして死ぬは嘘だが、びっくりして飛び起きるほどの元気がもうないんだよ。それに……」
グウェネスは両手が血塗れ。血豆が潰れても剣を振り回したんだろう。メナスとニコレットを守るために戦い続けたのだのろうな。足も走りっぱなしだったからか、血豆でぐちゃぐちゃ。
それだけじゃなく、モンスターに噛まれたり引っかかれたりした傷跡が全身にあり、膿んでいた。
汚いが、まあ、しょうがない。
あらかじめ言っとくけど、これが女で美人だから助けるのだ。そうでもなけりゃ、知らん人の膿を洗い流して消毒軟膏を塗ってやったりはしない。
その上で、脱水症状と熱中症、栄養失調で痩せていた。
抱き上げた時もびっくりするほど軽かった。
次にメナスが酷かった。
ニコレットが一番マシだが、それでも、入院沙汰レベルだ。
「それに、これだけ衰弱してると、このまま死ぬかもしれない。点滴しないと確実に死ぬんだ、悪魔の身体に点滴が受け入れられなくて死ぬかもしれないけど、やってみる価値はある、はずだ」
「うーむ、その点滴という薬は、人間にも効くのか?」
「もちろん、人間の薬だ」
「なら、悪魔にも効くだろうな。悪魔も人間も、作りは一緒だ」
「そうなのか?」
「ああ、遠い昔の話だが、血を流した悪魔が、人間の血を集めて《浄化》し、己の身体に注いだら、一命をとりとめた……、そんなところを見たことがある。悪魔も人間も、流れる血は同じなのだ」
「輸血か。血液型はどうなんだ?」
「うむ、それなのだが、悪魔族は、悪魔族同士の血を入れ替えたり、人間の血を入れたりと試したが、成功する場合と失敗する場合があったらしい。だから、危険なこととして禁じられたそうだ」
ふーん?
外見的特徴と、あとは寿命なんかが違うだけで、悪魔の肉体は人間と互換性があるのかな?
可能性はゼロじゃない、か。
その夜。
「あちゃー……」
三人の悪魔は、全員おもらしをしていた。
仕方ない、意識がないんだから。
人間、出るもんは出るよな。
ベッドを替えて、シーツは洗濯。
股を拭いて、オムツを当ててやる。
一瞬、ここまでしてやる意味はあるのだろうかと思ったが……、俺にもメリットはあるはずだ。
世界がどうなっているのか、とか気になるし、あわよくばここにいて欲しくもある。
流石に、ギラと永遠に二人きりというのも寂しいものだからな。
そして何より……、美女の追加はスレ民が喜ぶ!
実際、今のスレは伸びている。
面白くなってきやがったぜェ……!!
次の日の朝、ニコレットが目を覚ました。
「こ……、ここ、は……?」
「お、起きたな、記念撮影パシャり」
「きゃっ?!」
「起きたか、お嬢さん。ここは……、最果ての荒野だ」
ギラが言うには。
「最果て……?」
まだ少しぼんやりしているようだ。
「グウェネスは?メナスは?」
「ん?ほら……」
身体を横に倒してやる。
「隣にいるぞ。安心しな、今は寝てろ」
「よか、った……」
再び眠りについたニコレット。
うーん、服を剥いで顔を見てみると、すっげえ可愛いわ。
美少女だね。
人種はよくわからない顔つきだけど、お目目がぱっちりで鼻もすうっと通り、お人形さんみたいに整ってる。
口の中とか、乳首とか、性器は濃いめの紫色だった。眼球は黒く、瞳は金色。
背丈は145cmってところか?
更に次の日、メナスが目を覚ました。
「ニコレット様っ?!!!」
叫びながら起きた。
バタバタと暴れるので取り押さえる。
「落ち着け!ほら、隣を見ろ!」
「ああ……、ニコレット様……!」
「今は寝ているだけだ、昨日、少しの間だけ目を覚ました。回復している」
「ありがとう、ござい……、ま……」
寝た。
メナスはおっぱいがでかい。そして、目尻が下がっている垂れ目。母性的な女だ。だが、年齢は二十行ってないと思う。
更にその次の日、グウェネスが目を覚ました。
「ニコレット様!!!!」
俺が見にきた時には、一頻り暴れたあとらしく、点滴は抜かれて、床を這っていた。
「何やってんだ、全く……」
「だ、誰だ?!」
「ほらよ」
俺は、グウェネスを抱き上げて、ニコレットの顔を見せる。
「寝てるだけだ、じきに良くなる。お前も暴れずに大人しくしておけ」
「ああ、ニコレット様……!よか、った……」
気を失ったらしい。
点滴を挿し直して、ベッドに寝てやる。
全く、介護は大変だな。
今は世界線を間違った男がかなり書けてる。
ヒロインにバイオニックアームつけて欠損奴隷をサイボーグに改造し、ヒロインの祖国を滅ぼした国に復讐する!のを隣で見ているDARK-LAW系主人公です。