ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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僕は今、錬金術師モノを書いてます。


17話 住人ゲット

「それは良いが、俺で良いのか?」

 

「はあ?もう、貴方ねえ……、瀕死の時に救ってもらって、寝食全てを面倒見てもらって、甲斐甲斐しくお世話してくれた男性のことを好きにならない女なんていないわよ!」

 

ふーん。

 

そういうもんか?

 

「ああ、それともう一つ、手紙には、難民受け入れ、百万人までと書け」

 

この屋敷はパリ市の二、三倍は広い。

 

世界一の面積を持つ豪邸としてギネスに載った。

 

「えっ……?!!!い、良いの?!!!」

 

「ああ、俺のスキルは、俺の家の領域内に住民がいればいるほど強くなるんだ」

 

「そうなのね……、難民を引き取ってもらえるなら、それに越したことはないわ。お兄様達にお願いしてみるわね。……そもそも、アガスティアの人口全てが百万人くらいだった気がするけど」

 

手紙を書いたニコレット。

 

そして、それを瓶に入れて封をして、ギラに届けさせる。

 

その三時間後。

 

「あっ」

 

ニコレットが反応した。

 

「お兄様達から連絡があったわ」

 

《遠話》が届いたらしい。

 

要点をまとめるとこうだ。

 

・まずは、無事で良かった、身を案じていたということ

・俄かには信じられないが、あの最果ての黒龍を使い走りにしていることから、強大な力を持つ賢者が、最果ての荒野に楽園を築いていることを信ずるということ

・最果ての荒野の夏は、あまりにも暑さが厳し過ぎるので、再来月の秋頃に難民の初期ロットを送り届けること

・決して、使えない難民を送り届けるのではなく、働ける人材もしっかり送るということ

・最後に、《遠話》の使い手も何人か寄越すので、楽園が本当に良いところであると報告を受ければ、そちらさえ良ければ更に難民を送り届けること

 

以上のことを告げられたそうだ。

 

全くもって問題なし。

 

 

 

おっと、そろそろ昼飯時だな。

 

なんか作ろうか。

 

「飯にしよう」

 

「メナス、手伝ってあげたら?」

 

ニコレットが言った。

 

「メナスは私専属のメイドなの。あ、因みに、グウェネスは私専属の近衛騎士ね」

 

そんな気はしていた。

 

しかし、メナスは難色を示すかのような……、何とも言えない顔をしていた。

 

一体どうしたんだろうか?手伝ってくれるなら助かるのだが……?

 

「その、ですね……、私はコックではないので、そこまで料理は上手くできないのでございますよ……」

 

ふむ?

 

「それに、この一ヶ月、賢者様の手料理を頂いてきましたが……、あれだけのレベルの料理は宮廷のコックでもできません。レベルが違い過ぎるのでございます……」

 

なるほどな、自分の腕に自信がないのか。

 

「ちょっと手伝ってくれれば良いから、隣で見てなよ」

 

「えっ?!料理の秘儀を他人に見せてよろしいのでございますか?!」

 

「秘儀ってほどでもないから、普通に見てな」

 

いや、それだけじゃ駄目だな。

 

「メナスだけじゃなく、グウェネスとニコレットにも手伝ってもらうぞ」

 

「「ええ?!」」

 

「私、料理なんてできないわよ?!」

 

「私もだ、ごった煮くらいしか……」

 

「俺の屋敷に住む以上、働いてもらうぞ。もう怪我人じゃないんだ、介護生活は終わりだ。違うか?」

 

「……いえ、そうよ、その通りだわ!ちゃんとやるから教えて!」

 

「うむ、恩返しの時だな!」

 

そういうことになった。

 

 

 

料理前にしっかりと手を洗わせて、と。

 

「今日はホットドックと、コールスローサラダと、チキンスープにフライドポテトだ。デザートにイチゴヨーグルト」

 

さて、と俺は周囲を見回して声を出す。

 

「揚げ物、サラダ、スープ、この中で一番時間がかかる料理は何かな?」

 

メナスが答える。

 

「スープでございますね、煮込みますから」

 

「そう、その通りだ。だから、他の料理を作ってから煮込み始めたら、他の料理が冷めちまうんだよ。だから、スープを煮込みながら、他の料理を手早く済ませることだ」

 

そう言って俺は、鍋を出す。

 

「チキンスープは簡単なように見えて、奥の深い料理だ。俺が住んでいた国の家庭料理でな、家庭によって入れるものが違うんだ」

 

そう言いながら、手羽元をたくさん冷蔵庫から出す。

 

「まず、手羽元に塩胡椒と小麦粉をまぶす」

 

ニコレットにやらせる。

 

たどたどしい手つきだ。

 

それを見たメナスが、胡椒を使いすぎていると指摘してきたが、普通だろうと俺は思った。どうやら、この世界でもスパイスは高価らしい。

 

「そしたら、油を敷いた鍋で表面を焼く」

 

グウェネスもたどたどしい手つきだ。

 

「そしたら、肉を取る。そしてここで、メナスが切っておいた、玉ねぎ、にんにく、しょうが、セロリを炒めていく。今炒めている野菜は、香味野菜と言って、料理の味を引き立ててくれる脇役だ。だが、脇役がいない物語は深みが少ないだろう?」

 

そんなことを言いながら、炒めさせる。

 

「よし、しんなりしてきたら、手羽元を戻して、ローリエとオレガノというハーブを加える。合法だぞ?ハーブがあると、肉の臭みが消えるんだ。ローリエはあとで取り出すからな。さあ、水を入れて30分くらい煮込むぞ」

 

そして俺は、煮込んでいる間にコールスローを作る。

 

「まず、キャベツを茹でるぞ、少しだけな」

 

そしたら水分を絞って、と。

 

「これを千切りにする。ほら、ニコレット!やってみろ」

 

「う、うう……」

 

手つきが危ないな。

 

「ほら、猫の手だ、指をたため」

 

後ろからてを握ってやる。

 

「そうそう、上手い上手い」

 

「切れたわ!」

 

「良い子だ。次はグウェネスだ、ハムを切るぞ」

 

「うむ!」

 

同じように、後ろから手を握ってやり、ハムを小さく切った。

 

「それと、これ。これはコーンの水煮の缶詰だ。メナス、缶切りで開けてみろ」

 

「はい!ええと、こうして……」

 

「二箇所に穴を開けろ。そして、片方の穴から中の水を出しちゃえ」

 

「はい!」

 

「そしたら全部開けて……」

 

「できました!」

 

「偉いぞ。次はドレッシングだ。マヨネーズにハチミツとレモン汁を加えてよく混ぜる」

 

「うん!」

 

ニコレットが混ぜた。

 

「そしたら、キャベツとコーンとハムと和えると完成だ」

 

さて……、次はチキンスープを見るか。

 

「チキンスープは、手羽元を引き上げて、肉をこそげ落として肉だけ投入。さっき切っておいた人参、じゃがいも、カブ、インゲンを入れよう。そして、塩胡椒を軽く振って、また30分くらい煮込むぞ。この時、塩胡椒は少なめでな!塩胡椒は後で足せるからな、しょっぱくしすぎたら取り返しがつかないんだよ」

 

さて、その間に他を仕上げるか。

 

「鉄板でフランクフルトとパンを焼く。メナス、見てやっててくれ。俺はフライドポテトを揚げる」

 

そしてみんなでスープの味見をして……。

 

「完成だ」

 




どうなんだろこれ、ウケるかな。
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