ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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おちんちんびろーん。


3話 大気圏突入

俺は宇宙空間に躍り出た。

 

すでに俺の肉体は改造に改造を繰り返され、MODで塗り固められており、呼吸や気圧の変化によるダメージを受けない。

 

衛星基地のカタパルトから出て、異世界の星を見下ろす。

 

『アリス、コード《いかれ帽子屋》を起動しろ』

 

俺は、脳内の電脳通信により、電子妖精のアリスに指示を出す。

 

『了解しました。"The Mad Hatter" Wake up』

 

俺の背後から、大きさ300mにまで達する機械の巨人が現れる。

 

ボクシングで例えればミドル級、重厚な角張った四角いデザインだが、重くなりすぎない程度の、中重量。

 

シルクハットのように縦に伸びたヘッドパーツ、バイザーに隠されたデュアルアイから発せられる燐光が周囲を照らす。

 

光沢のないブラックカラーのボディーフレームにワインレッドの装甲を纏い、ビビッドピンクのエネルギーラインから核融合のエネルギーが迸る。

 

何よりも恐ろしいのはその背負いもので、正面から向かって左側に巨大なグレネードランチャー、右側にミサイルコンテナ、そして、両肩から巨大な腕が生えている。

 

これこそが、ニュークリアデターランス13のストーリーモードの最終局面にて使われる、第三次世界大戦の遺物、『アームドギア』である。

 

このアームドギア、『マッドハッター』は、バニラのものとは全く違い、俺特製のMODで超強化された最強のマシンだ。

 

具体的に言えば、通常のアームドギアが30mほどに対して、俺のマッドハッターはその十倍の大きさ、百倍の重さ、千倍ではきかない程の出力を持つ。

 

『アリス、搭乗』

 

『了解しました』

 

アリスの声が脳内に聞こえる。

 

すると、俺は、マッドハッターの大きな腕に乗せられて、コクピットに誘われた。

 

がしょん。

 

宇宙空間故に音は鳴らないが、恐らくはそんな音を立てたのだろうと予測する。そして、マッドハッターの首の付け根が開く。

 

そこに俺は搭乗して、コンソロールを弄ると、コクピットは閉じられた。

 

コクピットに空気が注入され終わる。

 

俺は口を開いた。

 

「行くぞ」

 

エンジンをかけて、バーニアを軽く噴かす。

 

ゆっくりと、衛星基地からマッドハッターが離れて行く。

 

そして、エンジンをフルスロットルにして、大気圏に突っ込む!

 

もちろん、マッドハッターのエネルギーはほぼ無限なので、燃料などを気にする必要はない。

 

今回の突入角度やスピードについては、アリスが全て計算したので何の問題もない。

 

っと、大気圏を抜けたか?

 

Gがかなりかかっているな。

 

それじゃあ……。

 

「逆噴射ァ!!!」

 

バーニアを噴かして、速度を落とす。

 

着地の瞬間には、ほぼダメージなしにゆっくりと地面に到達した。

 

「アリス、下ろせ」

 

『了解しました』

 

アリスはマッドハッターのコクピットを開き、俺を降ろした。

 

もちろん、飛び降りた。

 

二百メートル以上のフリーフォール。

 

しかし、その程度で死ぬ奴は九大天王どころかΩ鯖の一般市民にもなれない。

 

Ω鯖の略奪者たるモヒカン達は、超合金バイクで崖を垂直に走り、地の果てまで追いかけてきては火炎放射ランチャーで焼き討ちにしてくるからな。

 

そんなモヒカンもより強い修羅達の養分になる。

 

そして、やり過ぎた修羅は、我々九大天王に始末される……、つまりは生態系だな!

 

過去を懐かしみながら、俺はアリスに指示を出して、ホバー滞空するマッドハッターを異次元に転送する。

 

そう、ニュークリアデターランスの世界では、この22世紀においても実現していない、空間跳躍技術が実用レベルで存在する。

 

特に、物をしまう系統のMODは、Ω鯖の基本入門セットのうち一つだ。

 

異次元アイテムボックスMODは、ステータスカンストMODと初心者向け武器セットMODは三種の神器などと呼ばれて必需品扱いされている。

 

カンストステータスとバニラの最強武器を揃えてからがこのΩ鯖のスタート地点なのだ。

 

そんな訳で当然、俺が異次元収納を持っていない訳がなく、マッドハッターは待機状態で異次元に収納された。

 

さて……、どうするか?

 

目的もなく旅をすることは決まったが、まずどっちに行くか。

 

人のいないジャングルや寒い高山とかにはなるべく行きたくないな。

 

最初はそう、人里に。

 

小さ過ぎず大き過ぎずな街にでも行って、風土や人々の様子、物価や法律を見聞して、この世界について知ろうか。

 




あるあるななろう小説です。

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