ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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俺が何故このペースで連載できているかというと、書いたらすぐに推敲せずに更新しているからです。


7話 傭兵貴族

アーバンの傭兵貴族は雑賀衆だった……?

 

食後、レーション付属のキャラメルを噛むシルヴィア。

 

「これは美味いな!私は甘いものには目がないんだ!」

 

「それは良かった」

 

「とは言え、戦場でコックにケーキを焼かせる訳にはいかんからな、休暇で王都にいる時のみに食べられる贅沢品さ」

 

なるほど。

 

「砂糖は高価なのか?」

 

「当たり前だろう、舶来品だぞ」

 

舶来品……、となると、こことは別の大陸から届けられる。

 

つまり、別の、気候が違う大陸が存在しているのか。それはまあ、衛星基地からの衛星写真で知っていたが、違う大陸にも『砂糖を輸出するくらいの文化レベルを持つ人々』がいることが分かったな。

 

「ここで作ろうとは思わなかったのか?」

 

「なんでも、砂糖がとれる植物は、この辺りの土では育たないらしい」

 

「甜菜は?」

 

「てんさい?」

 

ああ、ないのか。

 

「メープルは?」

 

「めーぷる?」

 

こっちもない。

 

つまり、新大陸発見以前のヨーロッパ、ってところか。

 

 

 

話をまとめると、アーバンの傭兵貴族は、日本の雑賀衆のように、鉄砲技術に優れた傭兵集団だったらしい。

 

しかし、北のミリシア教国は、『野蛮な傭兵国家を征伐する』という名目で、本音は領地拡大のため、アーバンを攻め滅ぼした。

 

ミリシア教国では、ミリシア教を信じない異民族は人間ではないので、どんなことをしても良いとなっているらしい。

 

その為、アーバンの民は、ことごとくが根伐りにされたそうだ。

 

残った貴族達は、方々に散って、家臣とともに傭兵団として活動している模様、と。

 

これからは、南のバランシア帝国で、冒険者を足がかりにのし上がり、貴族の地位を得て、徐々に各地に散ったアーバン貴族を集めて、アーバン王朝を復興させよう、という話に。

 

となれば、南下してバランシア帝国を目指すのが第一目標だな。

 

「その前にやることがある」

 

「なんだ?」

 

「シルヴィア、君の訓練だ」

 

「ああ……、確かに、使い慣れないこの右腕で訓練をせねばならんだろうが……」

 

シルヴィアは、ここに留まるには食料や資材が足りないと言った。

 

俺は、ハートの女王を起動して、トイレとシャワールームを作り、着替えを渡して、レーションときれいな水を積み上げた。

 

「……はっはっは!お前は本物の神だったのか!疑って悪かったな、許せ!」

 

シルヴィアのクールな顔が大きく変化する。大笑いだ。

 

「そんなに面白いか?」

 

「虚空から糧食を出して、資材なしで橋頭堡を築く。我々傭兵からすればそれこそ、神のように有難い存在だ!どうだ?私が復讐を終えるまでとは言わず、生涯私の側にいないか?」

 

「それはプロポーズ?情熱的だ」

 

「くはは……!なんだ、私の身体が欲しいのか?こんな傷だらけの身体で良ければ構わんぞ、復讐を終えさえすれば貴様の子を孕んでも良い」

 

「そりゃいいな、最高だ」

 

俺は軽く笑ってやる。

 

事実、こんないい女を抱けるなら、国一つ滅ぼすのも悪くないと思っている。

 

それは、俺がΩ鯖で人を殺しまくったからなのか、それとも、国を滅ぼしても手に入れたいほどにシルヴィアという女に価値があるのか、それは分からないのだが。

 

そこが分からない自分の人間性に悲しくなる。

 

でも擁護させて欲しい、Ω鯖はグロフィルターを完全オフにされているから、人間をぶった切れば臓物がこぼれ落ち、人間を焼き払えば人肉の焼けた匂いがする。

 

言っちゃ悪いが、Ω鯖にまともな奴は一人としていない、全員サイコパスだ。

 

もちろん俺も、ゴア表現に慣れ過ぎて、目の前で女子供が爆弾でバラバラに吹っ飛んでも眉一つ動かさないと思う。慣れって怖いよな。

 

だが、いい女であるシルヴィアには、そこそこに手を貸してやりたい。

 

百パーセントの介護プレイでは、シルヴィアの伝説がつまらなくなるから、そこそこに手を貸して、ピンチの時に随時手を出す感じで行こうか。

 

まずは……、戦闘スタイルから聞こうか。

 

「戦闘スタイル?……そうだな、左手に片手剣、右手に銃、そして予備のナイフ。鎧は、サベージビーストの革の鎧に、ミスリルの胸当てと手甲……。こんなところか」

 

「なるほど、よく分かった。まずは鎧からいこうか」

 

服は『新品のアメリカ軍の服』で良いだろう。

 

見た目は、灰色のTシャツにモスグリーンのミリタリージャケットとカーゴパンツだ。

 

ジャケットの下に『サバイバルアーマー』を着せる。

 

サバイバルアーマーは、装甲の厚さが一ミリほどの、角張ったデザインのアーマーだ。

 

防御力的には、ハンティングライフルの弾丸をなんとか防げる程度だ。

 

だが、VRゲームとなったニュークリアデターランス10以降のシリーズでは、大人気の鉄板装備とされている。

 

それは何故か?

 

VR故の動きやすさと防御力のバランス関係だ。

 

本当は、厚さ一センチにもなる重厚なアーマー、『ガーディアンアーマー』や、厚さ五ミリほどのエネルギー武器耐性がバッチリな『アンチレーザーアーマー』など、数値の上ではもっと丈夫なものがたくさんある。

 

しかし、サバイバルアーマーは、厚さ一ミリほどにして、そこそこの防御力がある上に、STR値が低くても装備可能で、蛇腹構造で伸縮自在で、着心地がいいという利点がある。

 

着心地は、VRゲームで割と馬鹿にできない要素だ。

 

防御箇所は胸から股間、肩、前腕で、服を着る感覚でお手軽に防御力が上げられる。

 

さあ、どうだ?

 




書いたものをほったらかしにしておいて、後で推敲すると、自信がなくなって投稿できなくなります。

実際、俺にもお蔵入りさせたssはいくつかあるんでさ。


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