ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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今日はカレーを作りました。


16話 凱旋

『ガガギャ……、ヤッテクレタナ、ニンゲン!!!』

 

ああ、そうか。

 

こいつが大将のグレーターデーモンか。

 

三メートルほどの肉体、青黒い肌。

 

蝙蝠のような翼膜に、大きな角。

 

ギザギザした牙と鋭い爪。

 

長い尻尾が生え、爛々と輝く赤い瞳には、俺達二人が映っている。

 

『ニンゲン……、ココデオワリダ!!!『ライトニングボルト』!!!』

 

俺がシルヴィアを庇う。

 

「おい!大丈夫か?!」

 

シルヴィアが叫ぶ。

 

「おほー、効くねえ!肩こりが治りそうだ」

 

しかし、俺には効かない。

 

俺を殺すなら最低でも、大陸が吹っ飛ぶレベルの強化核ミサイルを用意しなきゃな。

 

『ヌウ?!ナラバ……、『アイスボルト』!!!』

 

氷の光線が俺の身を貫かんと迫る。

 

「ぬるいぬるい!」

 

俺はその辺にいるゴブリンを投げつけた。

 

『ヌオオオオオッ?!!!』

 

アイスボルトに直撃して風穴が空き、氷の塊になったゴブリンが、雹のようになってグレーターデーモンに叩きつけられる。

 

それを、腕を交差させて防ぐグレーターデーモン。

 

『ヌウ……、ヤルナ!ダガ……!』

 

鋭い爪で引っ掻いてくる。

 

俺は軽く躱して、スノードロップとキティを取り出す。

 

『グハハハハ……!ニンゲン、シッテイルゾ!オレサマニコウゲキハキカン!!!』

 

「へえ?何でだ?」

 

『コレダア!!!『パーフェクトフィジカルシールド』!!!』

 

なるほど。

 

「物理攻撃は効かないと?」

 

『グハハハハ!ソノトオリダ!ミテイタゾ!キサマラハマホウヲツカエナイノダロウ?!コレデナブリゴロシニシテヤル!!!』

 

なるほど、なるほど。

 

「ふっ」

 

『……アァ?』

 

「ふっ、ははは、あはははははは!!!ば、馬鹿だろお前!!!はーっはっはっは!!!」

 

『ナニガオカシイッ?!!!』

 

「いや、まあ、聞いてくれよ」

 

俺は、笑いながら言う。

 

「ニュークリアデターランスの世界には、様々な属性がある。拳銃、ライフル、格闘攻撃などの物理属性。レーザー、プラズマ、イオン、マイクロウェーブなどのエネルギー属性。その他にも、PSYや特殊武器による、火炎、電気、氷結、核などの属性がある」

 

『ナニガイイタイ?!!』

 

「Ω鯖はMODマシマシの修羅の国だぜ?物理無効、エネルギー無効なんてMODをつけた奴はゴロゴロいるんだよ。そして最後に一つ、これだけは覚えて死ね」

 

俺は、スノードロップとキティを構える。

 

「この銃は『完全に無属性』だ。『命中したエネミーに破壊したと言う結果だけを残す』んだよ」

 

『ナニヲ』

 

トリガーを引く。

 

『ガ』

 

グレーターデーモンの腕が弾け飛ぶ。

 

『ナ、ナゼダ』

 

足が弾け飛ぶ。

 

『ア、アア……』

 

羽が弾け飛ぶ。

 

『ウワアアアアアアアアアア!!!!ジャシンサマ、バンザアアアアアアアイ!!!!』

 

頭が弾けて、終わりだ。

 

 

 

『ア、アギ、アア……』

 

『アアアアアッ!!!』

 

『ギアッ、ギア!!!』

 

グレーターデーモンという頭と、最大戦力たるジャイアントを失ったモンスター軍は、完全に戦意を失った。

 

確かに、数の上ではまだまだモンスター軍の方が優位に立っているが、気持ちの部分で、根本的な部分で負けてしまったのだ。

 

情けない悲鳴を上げながら逃げていくモンスター軍。

 

それを背景にして、俺とシルヴィアは街へ戻った。

 

 

 

「おーい、門を開けろー」

 

「は、は、はひっ!はいぃっ!!!」

 

俺とシルヴィアは、兵士に門を開かせて街の中に戻る。

 

街の人々も、冒険者も、誰もが一言も喋らない。

 

ドン引きってやつだ。

 

やり過ぎたかな?

 

などと思って、少しばかり頭を抱える俺。

 

だが、その時だ。

 

「何をしているお前達?!英雄の凱旋だ!喝采せよ!!!」

 

ギルドマスターのおっさんが叫ぶ。

 

「お、おお」

 

「おおお……」

 

「おおおおおおおっ!!」

 

「「「「わああああああっ!!!!!」」」」

 

そうすると、皆が歓声を上げた。

 

若干、取ってつけたような、強制されてやっているみたいな感じがあるが、まあ、許容範囲内ということにしておこう。

 




料理やってると気づくんだけど、俺、そんなに料理上手くねーや。

おふくろって料理上手かったんだなあ。

カレー消費したら次何作ろうか……。

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