ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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女の子の命乞いが聞きたい。

悪の女幹部の「た、助けて!助けてくれたらイイコトしてあげるわ!ね、だから、助けて!」も良いんだけど、何の力もないけど、優しくて穏やかで愛らしい少女が、怯えながら「お願いします、何卒お慈悲を……!神様からいただいた大切なこの体で、天に召されるその時まで穏やかに生きたいのです……!」みたいな命乞いされたら俺は胸キュン、恋に落ちるね。


18話 奴隷購入

そんな訳で、俺とシルヴィアは二人で仲良く奴隷市場に来ている。

 

この辺境の開拓街では、労働力はいくらあっても足りない。

 

なので、人も多く、商人もまた多く、大工も、開拓民も、冒険者も……、奴隷もまた、多い。

 

ああ、そうそう。

 

この世界では奴隷は合法らしい。

 

それもそうだろう、全体的に豊かとは言い難い世界だ。

 

気候もヨーロッパに近く、農耕をするには適さないからな。そして、モンスターなる危険な生物も多い。

 

こんな世界じゃまともに生きられん。

 

この世界では、借金や犯罪などを犯した者は、自らの身体で支払うしかないのだ。

 

牢屋に置いておくにも、飯代が無駄にかかる。

 

犯罪を犯したら奴隷堕ちかギロチンかの二択だそうだ。

 

そうじゃなくっても、小さな村の孤児や借金を抱えた商人なんかは、直ぐに奴隷堕ち。

 

孤児院も、街にはあるのだが、成人すれば追い出されて、行き着く先は娼婦か物盗りか……、みたいな感じらしい。

 

ニュークリアデターランスの世界にも当然奴隷はいた。

 

とんでもないマゾヒストが自ら奴隷になって鞭で打たれて犯されにくるハードコア変態野郎もそこそこにいたと言うのだから、ニュークリアデターランスは本当に修羅の国だ。

 

日本でも、二十一世紀くらいまでは奴隷が合法だったらしいな。

 

ブラック企業って言うんですけどね。

 

さて、奴隷。

 

相場は大銀貨からだ。

 

これが、欠損のあるものなど、なんらかの理由があって使えないと判断された奴隷は銀貨まで下がる。

 

しかし、元商人で読み書き計算ができる、などの、なんらかの技能を持つ奴隷は金貨まで上がる。

 

過去最高に高価な奴隷は、大金貨で取引されたそうだ。

 

そんな俺が今回狙うのは……。

 

「もちろん、欠損奴隷だ」

 

そう、もちろん、サイボーグに改造するのだ。

 

俺もサイボーグだから言わせてもらうが、生身は駄目だ。

 

なんのアドもない。

 

俺は、カッコよさ重視で人間のフォルムにして、その上で人工皮膚で肉体を覆っているが、その実、脳幹まで電脳化したサイボーグなのだ。

 

もちろん、食事や生殖行為は可能だし、快楽も感じるようにしてあるが、一皮剥けばバイオニック。

 

金属製の骨格に人工筋肉と人工臓器だが、その技術的な比率は、有機パーツと無機パーツで半々。

 

その気になれば二、三百メートルジャンプして、素手で戦車をひっくり返し、新幹線より速く走れる。

 

俺は、その基本的な身体能力を極めて大きく向上させる代わりに、武器を仕込んだりなど、特殊な能力は持たない。

 

いや、特殊な能力を仕込まなかった分、リソースの全てを身体能力の向上に注げた、と言うべきか?

 

まあ、それは良いだろう。

 

これから、欠損奴隷を買ってサイボーグにし、パーティメンバーにする。

 

外道との謂れを受けてもどうとも思わないな。

 

だって、ここにいる欠損奴隷は、買われなきゃ『処分』だぞ?

 

犬猫と一緒だ。

 

殺処分だ。

 

なら、例え異形の身となれど、拾ってもらえるのが幸せってもんじゃないのかね?

 

その辺は分からんが、少なくとも俺は、ゴミのように処分されるよりかはマシだと思うね。

 

つまりこれは救済だ。

 

 

 

「おお、酷いな」

 

「全くだ」

 

欠損奴隷の売り場に来た俺達は、顔色を変えずに言った。

 

「シルヴィア、それにしては平気そうだが」

 

「貴様もな。……まあ、このくらいの半死人は、戦場に行けば毎日見れるぞ。この程度で泣き喚いていては傭兵などやってられんさ」

 

「なるほど。俺の世界も、略奪者共が手足を落とした女を使った後に、百舌の速贄のようにしたものが街中に転がっていたからな」

 

「くはは、そりゃあ悪夢だ」

 

さて。

 

「おい、奴隷商人」

 

「あいよ、何でしょう?」

 

「欠損奴隷は何人いる?」

 

「まあ……、辛うじて使い物になるのが三、ここで売れなきゃ処分する予定なのが三ってとこでさあ」

 

「よし、全員集めろ」

 

「はあ……、買ってくださるんで?言っておきますが、返品は受け付けていやせんぜ?」

 

「奴隷に聞いてからだ」

 

インフォームドコンセントは大事だよな。

 

「はあ?まあ、分かりやした」

 

 

 

おーおー、全員が全員、死んだ目をしていやがる。

 

「やあ、欠損奴隷諸君」

 

「「「「………………」」」」

 

「この女を見ろ」

 

俺をシルヴィアを指差す。

 

「この腕と瞳だ、醜いか?醜いと思うか?だが、俺ならば、こんな手足で良ければつけてやるぞ」

 

「腕が……、もらえるのか?」

 

「足をつけてもらえるの?」

 

「また、物を見れるようになる?」

 

「おうとも!その代わり、冒険者として戦ってもらおう。安心しろ、決して、肉盾として使い捨てるような真似はしない」

 

「本当、だろうか?」

 

「私は……」

 

「それなら……」

 

 

 

「さあ、選べ。醜い鋼鉄の身体で生きて、俺達に仕えるか。このままここで死ぬかをな」

 




と言う訳で、美少女の命乞いから始まるss、なんか書いてみるッかァ〜?

うーん、そうだな、今流行りの村づくり系なんてどうよ?

アイテムボックス持ち主人公が、物質や住民満足度をポイントに変えて、そのポイントで建物や道具などを購入できる系。

転生主人公さん、大貴族スタート。自分の能力のヤバさに幼い頃から気付いて、能力を隠して無能なフリをして力を蓄えて、仲間を増やして、んで十五歳くらいになったら追放されんのよ。なんかこう、そこそこ有能な弟君辺りに、お前は無能で当主跡取りに相応しくないからー、みたいな?

そして、自分に忠実な部下達を連れて、僻地の村に飛ばされんのよ。

んで、その村はちょうど、盗賊団に襲われてて、盗賊団を殺して適当な家に踏み込むと、優しくて穏やかで愛らしい少女が可愛く命乞いしてくんのよ。可愛いので主人公さんはその命乞い少女をペットにすんのよ。

ペット少女や、自分についてきた女の部下達を侍らせながら、テキトーに村を要塞化してくのよ。んで、難民とか集まってくんのよ。そして、住人を増やしてやがて大国と化していくのよ。主人公さんを追放した弟君とか、ざまぁされちゃうのよ。

うーん、このわざとらしいなろう味!

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