ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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今日はトマトスープを作りました。


9話 蛇口の大きさ

妹、妹か。

 

前世は兄弟がいなかったから新鮮な気持ちだ。

 

だが、俺は面倒を見るつもりは一切ない。

 

母親は、妹の面倒を見るのにかかりきりのようだ。

 

父親も、妹を可愛がっている。

 

妹は、普通の子供らしく夜泣きをして、昼も泣き、俺をイラつかせてくれた。

 

うんほら、虐待されて育った子供が親になったら、自分の子供に虐待するようになった、みたいな話よく聞くじゃん?

 

うぜーんだわ、子供。

 

俺も多分、自分にガキがいたら、俺の前世の親と同じようにネグレクトしてるわ。

 

今世で子供を作るかどうかは不明だが、できても一切面倒を見るつもりはない。

 

だってガキだよ?すぐ泣いてうるせーし、クソ小便漏らすんだぞ?何が可愛いのか理解できなくないか?

 

まあ、俺はメンタルが大人なので、わざわざ虐めたりとか、そういうことはしない。

 

ただ単に距離を置くだけだ。

 

 

 

さて、そんなこんなで五歳だ。

 

今日も走り込み、型稽古、素振り、柔軟!水分補給!

 

特に型稽古はこれからもっとしっかりやるぞ!

 

型をしっかりと身体に叩き込み、咄嗟の時にもスムーズに技を放てるようにしなくちゃな!

 

それと……、最近分かったことが一つ。

 

「ふむ……、アレックスよ、お主は魔法使いではなく、魔法剣士や錬金術師向きなのかもしれぬ」

 

長老に言われた。

 

「どういうことだ?」

 

「お主は、規模の大きな魔法がなぜか使えないと言ったな?アイリンは使えるのに、と」

 

「ああ」

 

「それは、最大MPの差であろう」

 

最大MP?

 

俺のMPは無限だが?

 

「お主は、なにやら、MPの回復は早い体質のようだが、MPの最大量はそこまで大きくはないじゃろうな」

 

確かに……、現時点でも、MPの最大量は100にも届いていない。

 

「それがどうかしたのか?」

 

「良いか?強大な魔法は、MPを一度に大量に消費するのじゃ。じゃから、最大MPが低ければ、そもそも発動せん」

 

「ああ、なるほど」

 

だから、最大MPが200を超えるアイリンは、どでかい魔法をぶちかまして、俺はそこそこの規模の魔法しか使えないのか。

 

「こればかりは体質じゃからな……。一方で、魔法剣士は、少ないMPでエンチャントを発動させる。錬金術師は、MPを流し込んだ分だけ物質を操作できるのじゃ」

 

要するに、最大MP量は蛇口のデカさみたいなもんか。いくら俺の魔力が無限であっても、それを外に出す蛇口が小さければ、大きな現象は起こせない。

 

「確かに、錬金術師は、物質の再構成中に手を離しても大丈夫だもんな」

 

まあ、手を離している間は、合成中のなんとも言えない物質が残るけど。

 

「と言うより、普通は手を離しながら合成するんじゃよ?」

 

「え?そうなの?」

 

「うむ、錬金術は、魔力が多く篭った物質を変異させるほど魔力を消費するからのう。例えば、ミスリルなどの加工は、半年くらいかけてゆっくりと変化させるものらしいぞい」

 

「なるほど……」

 

そう言うもんなのか。

 

 

 

と……、つまりは、俺は魔法使いに向いていないという事実を知った。

 

しかし俺にはこの錬金武術があるので、なんの問題もない。

 

さあ、転移魔法を使って森の中に入り、錬金武術を練り上げていくぞ!

 

森に入る。

 

『キー……』

 

鹿だ。

 

どうやら、この辺は鹿の縄張りらしい。

 

光魔法のレーザー光で鹿に錬金紋を描く。

 

遠隔錬金を使う。

 

『ギギィ?!!!』

 

「ひゃー、グロいな」

 

鹿は、内側から弾けた。

 

いやー、カルシウムを棘状にして外側に出すようなイメージで錬金したんだが、全身の骨が変形したせいで筋肉が弾けて内臓も漏れて、大変なことになってる。

 

『ア、アギ……』

 

「へえー!こんなになってもまだ生きてんのか!」

 

面白いな!生命の神秘ってやつか?

 

「まあ殺すけど」

 

地面にレーザー錬金紋を照らして、ぐちゃぐちゃ鹿を土と混ぜ合わせる。

 

これで死んだな。

 

「あ、でもどうせなら、鹿とか食ってみたかったわ。新鮮な方が……、アレ?熟成させた方が美味いんだっけ?」

 

まあ、新鮮な方が美味いだろう。

 

昔、ブロック肉を買ってきて熟成の研究をしていたことがあった。いや、エロゲでお料理上手な女の子キャラの描写のリアリティを増やすために色々やっててだな。

 

でも、熟成すると、水分が抜けて、表面が変色して食べれなくなる。食べれなくなった表面を削ぎ落とすと、食べられる部分は七割くらい。

 

コスパは悪いんだが味はやっぱりいい。

 

けど、一回だけ、加減を間違えて腹を壊したことがあるのがちょっとトラウマかな?

 

『キー!!』

 

「うるさい死ね」

 

『ギャギッ』

 

「全く……、人が考え事している時に突っ込んで来るなよ」

 

ああ……、俺は、一年間の訓練の結果、常に周囲に不可視の電磁波の波を送り、それでソナーのように周辺の地形や生物を三次元的に感知する『レーダー』の魔法を編み出した。

 

このレーダーを常に使用しているので、俺に死角はない。

 

俺を殺すなら、一キロ以上先から即死レベルの攻撃を放たなければならないが、俺には即死無効スキルがあるので、結果的に死なない。

 

怖いのはアイリンだ。あいつは正面からパワーで俺を殺せる。

 

だがまあ、殺し合いとなれば、光の速さで刻まれる錬金紋と高速の錬金で即殺できる。

 

錬金武術は、ゲーム的に言えば、『防御力無視の特大ダメージ』って感じ。大抵の相手は殺せるだろう。……ヨーイドンの形式ならば。

 

一番キツイのは、狙撃でも力押しでもなく、『物理的に俺と仲良くなろうと近づいてきて裏切る』ってのが一番対処が難しい。

 

狙撃は即死無効で防げるし、力押しされても錬金紋を刻みさえすればこちらの勝ち。

 

だが、普通に近づいてきて間合いまで入られてから、意識の外で攻撃されたら死ぬ。

 

俺だって、もちろん、誰かを信用している訳ではないが、間合いに入ってきた人間の全てを常に警戒し続けることは無理だ。

 

やっぱり、あとは実戦経験しかないな……。

 

 

 

こうして、一週間のうち、三日は体作り、三日は勉強、一日は森で実戦……、と言う日々が続いた。

 




なろうで最近、パーティから追放されるが実は強かった!!!みたいなの流行ってるじゃないですか。

思ったんですけど、例え実は強かったとしても、追放された時点に弱かったら追放される側が悪くないかな……?
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