アイリンが俺の妹を保育所に連れて行き、一日の訓練が終わった時。
「アイリン」
「なあに、アレク?」
「いつもありがとう、感謝してる。これ、受け取ってくれ」
と、腕輪を渡してやった。
「え……」
どうだ?
「あ……」
「えっ」
な、泣いた……?!
あれぇー?俺、またなんかやっちゃいましたぁ〜?
泣きながら、右腕に腕輪をつけるアイリン。
「アレク……」
「どうした?」
「大好きっ!」
あっ、キスされた。
おー、柔らか。
でもまだ精通きてねえからあんまり嬉しくねーや。
精通きてればワンチャン俺から押し倒してるんだが。
アイリンは、俺にくっつきながら帰路についた。
それから二年後。
俺とアイリンは九歳になった。
×××××××××××××××
アレックス
JOB:なし
Lv:15
HP:30/30
MP:∞/50
STR:14
VIT:13
AGI:13
DEX:28
INT:34
MND:79
SKILL
虚空錬金 Lv10
魔力無限 Lv10
学習能力超強化 Lv10
状態異常完全無効 Lv10
即死無効 Lv10
隠蔽 Lv10
格闘 Lv7
武器術 Lv5
投擲 Lv5
料理 Lv5
絵画 Lv6
プログラミング Lv5
歴史 Lv2
文学 Lv2
農業 Lv5
異界知識 Lv5
八卦掌 Lv7
錬金術 Lv5
高速錬金 Lv5
遠隔錬金 Lv5
錬金無効 Lv10
生活魔法 Lv4
火魔法 Lv2
水魔法 Lv2
光魔法 Lv3
氷魔法 Lv3
雷魔法 Lv4
空間魔法 Lv3
鑑定 Lv10
一般教養 Lv3
×××××××××××××××
×××××××××××××××
アイリン
JOB:なし
Lv:13
HP:78/78
MP:280/280
STR:34
VIT:28
AGI:35
DEX:19
INT:18
MND:20
SKILL
格闘 Lv6
剣術 Lv7
短剣術 Lv5
槍術 Lv6
投擲 Lv4
料理 Lv1
歴史 Lv1
文学 Lv1
生活魔法 Lv5
火魔法 Lv6
水魔法 Lv3
光魔法 Lv7
一般教養 Lv1
×××××××××××××××
こぉんのメスゴリラ!
まーたステータスを上げよってからに!
俺よりゴリッゴリに物理的に強いのマジ勘弁!
その俺より細い腕のどこにそんなパワーがあるんですかねぇ?!
あ、俺は水と氷の魔法を新たに覚えた。
水魔法の本を長老が新たに取り寄せてくれて、水魔法で遊んでたら氷ができた。
俺とアイリンは九歳になり、保育所を卒業した。
これからは、各専門家に引き渡されて、職業訓練に移る。
例えば、戦いたいなら狩人兼自警団、魔法が使いたいなら長老んところ、みたいな。
あとは……、鍛冶屋、薬師、酪農家、農家くらいかな。
俺達は当然、狩人兼自警団のグループへ入った。
俺とアイリンの同世代か、それより少し上くらいの村人は、俺達の異様な強さにドン引きしている。
なので、俺達はボッチだ。
かなしいなあ。
でも、俺と違って人当たりの良いアイリンは、村人達の尊敬を集めているらしい。
二倍にかなしいなあ。
嘘だ。
他人の評価とかどうでもいい。
最低限の評価さえあれば。
さあ、そんな感じで今日は草原に来ています。
狩人として狩りの練習ですね!
その辺にウサギがいるから仕留めてこいってさ。
心優しいアイリンちゃんにそんなことできるんですかねぇ〜????
「えいっ」
おおーっとお?
アイリンさん、普通にウサギの首を刎ねるゥ……。
「平気なのか?」
「え?何が?」
あー?
これはアレか?
MND値の影響か?
メンタルつよつよウーマンめ。
まあ、俺もできるんですけど。
ウサギの首を刎ねる。
そして、村に持ち帰り、解体。
ウサギの肉は焼いて食べました、と。
九歳の夏頃には、森への立ち入りも許された。
これは異例の事態なんだが、俺とアイリンがあまりにも強いから、特例として許可されたみたいだ。
俺とアイリンは、協力して、定期的に獲物を狩る。
「やああっ!」
おおーっとお?
アイリンさんここで鹿の首を刎ね飛ばしていくゥ。
ちょっと待って、ただの鉄の剣でなんで動物の首を刈れるんですか?!
とお思いかもしれないが、これはこの世界ではあるあるな出来事である。
この世界の人間は、魔力で強化されている。
ただの鉄の剣を持っていても、魔力が鉄の剣に浸透、コーティングされ、圧倒的な切れ味と丈夫さを実現するのだ。
木材でできた盾で、二メートルはあろうかという大きなオークが振り回す棍棒を受け止めたり、パンチで岩を砕いたりもあり得る事象だ。
とは言え、武器の力も手を抜いていい訳ではなく、鋼の剣ならもっと斬れるし、ミスリルの剣ならもうとんでもなく斬れる。
武器の質も、使い手のステータスと腕前もどっちも大切ってことだな。
そんな俺達の装備は、丈夫な革の服に鉄の剣。俺は弓も持っている。
「やったよ!」
「よし、待ってろ……、『フリーズ』」
氷魔法で肉を冷やして血抜きする。
ぶっちゃけ、この手のジビエが臭くなるのは、血抜きじゃなくって肉を冷やさないのが原因だ。
田舎町で過ごすエロゲを作る取材のため、北海道まで行ってマタギの狩りに参加させてもらったんだが、その際にマタギ達がそう言っていた。
狩ったあとの鹿をその場で内臓を抜いたら、雪とかで冷やしてた。
つまり、こうやって氷魔法で冷やしてやると、肉が美味しいまま保存されるって訳だな。
「アレクは凄いね」
「は?何の話?」
「私、今まで、血が腐るから動物の肉が臭くなるなんて、知らなかったもん。アレクはなんでも知ってるんだね」
「それほどでもない」
「それに、いつのまにか氷魔法も覚えてた。長老が凄いことだって褒めてたよ」
「はあ、そうですか」
「美味しいお肉が食べられて嬉しいな!ありがとう、アレク!」
「あっそ」
こうして、俺達は、自分の親すら抜き去って、村一番の狩人になった。
なんかおすすめの漫画とかあります?
今はマガポケで生徒会役員共読んでる。
あ、シャンフロ漫画化したからみんな読んでね!