もう十歳だ。
去年は、村にオークの群れが攻めてきたが、アイリンが無双して潰した。
アイリンは一躍村のヒーローとなり、持て囃された。
そして、十歳になった春。
教会で『洗礼の儀』を行う。
洗礼の儀とは?
JOBが決まります。
それと、ステータスが開示されます。
開示だ開示。
JOBは、これまでの人生から決定されるもので、可変である。
例えば、『農民』でも物盗りを続ければ『盗賊』になるみたいな。
もちろん、俺のステータスは他人に見せられるものじゃないので、偽装スキルで偽装するんだが。
その結果がこちら!
×××××××××××××××
アレックス
RACE:人間
JOB:錬金術師(錬金王)
Lv:8(20)
HP:15/15(50/50)
MP:30/30(∞/60)
STR:8(28)
VIT:7(28)
AGI:6(24)
DEX:7(34)
INT:8(45)
MND:10(88)
SKILL
(虚空錬金 Lv10)
(魔力無限 Lv10)
(学習能力超強化 Lv10)
(状態異常完全無効 Lv10)
(即死無効 Lv10)
(隠蔽 Lv10)
格闘 Lv5(Lv7)
武器術 Lv5
投擲 Lv5
料理 Lv5
(絵画 Lv6)
(プログラミング Lv5)
歴史 Lv2
文学 Lv2
(農業 Lv5)
(異界知識 Lv6)
(八卦掌 Lv7)
錬金術 Lv5
(高速錬金 Lv5)
(遠隔錬金 Lv5)
(錬金無効 Lv10)
生活魔法 Lv4
火魔法 Lv2
水魔法 Lv2
光魔法 Lv3
氷魔法 Lv3
雷魔法 Lv4
(空間魔法 Lv5)
鑑定 Lv5(Lv10)
基礎教養 Lv5
×××××××××××××××
×××××××××××××××
アイリン
RACE:人間
JOB:勇者
Lv:18
HP:100/100
MP:340/340
STR:40
VIT:37
AGI:39
DEX:23
INT:24
MND:23
SKILL
格闘 Lv5
剣術 Lv7
短剣術 Lv5
槍術 Lv6
投擲 Lv4
料理 Lv1
歴史 Lv1
文学 Lv1
生活魔法 Lv5
火魔法 Lv7
水魔法 Lv4
光魔法 Lv7
基礎教養 Lv3
×××××××××××××××
「ゆ、勇者だ!!!」
「アイリンは勇者だ!!!」
「この村から勇者が産まれるとは!」
案の定、大騒ぎになる。
ほーれ見ろ!やっぱり勇者じゃねーか!
転生者である俺を差し置いて、選ばれしものじゃねーか!
そして、その一月後には、西の八神将、『聖天王ダルバ』の配下が来た。
八神将……、中央のバベルを中心に、バベルから東西南北と、北東、南東、北西、南西をそれぞれ支配する存在のことである。
西の、聖天王ダルバ。
北の、氷雪姫デーヴァ。
東の、無双剣シューラ。
南の、炎帝ガルル。
北東の、旋風皇アカシャ。
南東の、龍王ナーガ。
北西の、獣王ミナ。
南西の、岩魔帝マホラ。
全員がレベル100到達者であり、寿命すら超越し、数百年に渡って世界を支配している。
八神将同士で方針は全く違うのでなんとも言えないが、概ねは、勢力拡大を目論んで、他の八神将と鎬を削り合っていると見て問題ないらしい。
そんな八神将の一人、ダルバの部下が現れた。
ダルバは、女神ヒューラを信仰する国家、『アルカディア』の聖王を名乗り、女神に仕える聖騎士の王であると自称している。
平均レベル30と言われる、『聖王騎士団』を率いており、女神ヒューラを信奉するヒューラ教以外を弾圧し滅殺するそうだ。
西は宗教にガチで厳しい。ヒューラ教徒以外は弾圧される。
ヒューラ教自体は、世界で最もポピュラーな宗教である。前世で言えばキリスト教かね?
俺はこの瞬間に、アイリンとの縁を切ることを決意した。
逃げよう。
そう決意して、親、長老、アイリンへ、置き手紙を残す。それを机の上に置いて、家のドアを開けた。
「貴様がアレックスだな?アイリン殿と共に、アルカディアに来てもらおう」
「人違いです」
俺は裏口からダッシュで逃げた。
Q:八神将の名前の由来は?
A:八部衆。