ハードオンの楽しい思いつき集   作:ハードオン

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チャートを変更してチャーシューを作ります。

チャーシューを冷凍保存して、一部をテャーハンにします。


28話 聖天王と空中都市

「これは……、なんとも見事な……!」

 

西の八神将、聖天王ダルバは感嘆の声を上げた。

 

ダルバと言えども、百階層のボスたるドラゴンとの戦いは辛いものであった。

 

そんな激闘の戦場を潜り抜けた先に、このような大きい街が待っていたことは驚くべきことだ。

 

石畳の道は、焼かれた色とりどりの石が幾何学的な模様を描いている。

 

建物も石造りで、透明なガラスの窓が向こう側を覗かせる。

 

街の規模に反して、人の数が少ないように感じることが気がかりだが、それでも、このダルバをもってしても未知の街であった。

 

……そもそも、錬金王がこの空中都市を手に入れてからまだ六週間であるのに、どうやって住民を集めたのだろうか……?

 

そんな時、荷運びをする人夫がダルバ達の前を通る。

 

「あれは……」

 

肩に焼き付けられた奴隷紋。

 

それも、人夫六人全員に。

 

「そうですか……、つまり、住民は奴隷を集めたのですね」

 

奴隷を、ほぼ解放同然の住民にする辺り、錬金王なる人物は、まるで身分の差などと言うものは考えない人間であることが察せられた。

 

 

 

とにかく、今日はもう休みたかった。

 

温かいスープとワインを飲んで、暖かいベッドで寝たかった。

 

今は夕暮れの六時頃だが、昼も夜もないダンジョンの中では、ろくに寝られていない。

 

街であるならば、ダンジョンで拾ったモンスターの素材を売って、金を得て、その金で宿に泊まりたい。

 

しかし、この街にモンスターの素材を買い取る場所などあるのだろうか?

 

ダルバはそう思っていたが……。

 

「あれは、まさか!」

 

ふと、看板に目を向ければ、見覚えのある標識が。

 

交差する剣と杖の紋章、すなわち、冒険者ギルドだ。

 

「まさか、ここにも冒険者ギルドがあるとは……」

 

ありがたい、ダルバはそう思った。

 

冒険者ギルドは完全中立の、冒険者のための組織。

 

依頼の仲介、素材の買取は必ずやっている。

 

ダルバは、パーティメンバーを連れて冒険者ギルドに入った。

 

そこで、ダンジョンで手に入れたアイテムや素材の一部を売り捌き、金貨を百枚ほど得た。

 

貴族用の宿でさえ、宿泊費は銀貨五十枚ほどであるからして、三十二人のパーティメンバー全員の英気を養い、温かなベッドで寝せてやることはできるだろう。

 

街の地図板に従って、宿屋兼飲食店になっている中級の宿に入ったダルバ達。

 

ダルバは、王という身分ではあるが、あまり食事や娯楽、生活環境に気をつかうことはほとんどなかった。

 

こだわりがないので、どこでも寝泊まりでき、好き嫌いもない。それは、王よりも冒険者に向いている才能であるが、ダルバにとって王の座は、最も効率の良い席であるからして、王の座から降りるつもりは毛頭なかった。

 

 

 

『んぼぉうぉ〜……』

 

「モンスター?!」

 

宿屋の中に入ると、白い肉体、青い目玉、首なしの手長な化け物がそこにいた。

 

「待ってください!モンスターじゃありません!」

 

と、そこに、宿屋の下働きの少女が静止に割り込む。

 

「こ、これは……?」

 

「これは、錬金王アレックス様がお造りになった『バトルホムンクルス』という生き物で、この店の用心棒なんです!」

 

「「馬鹿な?!!」」

 

二人の宮廷魔導師、『ベシュタントの双璧』たる双子の魔導師、『アルガー』と『エルガー』のゲフィオン兄弟が声を上げた。

 

「「ホムンクルスだと?!」」

 

「ホムンクルス……、とは?」

 

ダルバの知識にない単語だった。

 

なので、二人の宮廷魔導師に尋ねる。

 

「ホムンクルスとは、人造の生命のことさ」「全ての錬金術師の悲願にして最終目標と言われている」

 

「それは……」

 

「我が国最高の錬金術師であるメリンダ・アリンダ老は、錬金術のレベルは7である」「それでも、ホムンクルスは作れなかった」「「すなわち、錬金王の錬金術レベルは8を超える」」

 

スキルレベル。

 

1で見習い、3でプロ、5で世界でも有数。7ともなると、世界一と言っても過言ではない。

 

では、8は?

 

「……神の領域に足を踏み入れたもの、か」

 

そう言っても過言ではないだろう。

 

「「僕も錬金術はかじっているけどね、これは凄いよ」」「見たまえ」「まず、人を襲わない」「しかし、剣を抜こうとしたダルバ様には駆け寄った」「だが、剣を納めれば退いた」「「確かな知能があるということさ」」

 

「では、かの錬金王なる者は、知性がある生命体を造ったと?」

 

「「そうだね」」「参考までに聞きたいのだが」「このホムンクルスはどうやって造ったのか、知っているかい?」

 

と、二人の宮廷魔導師は、下働きの少女に話しかけた。

 

「それは……、噂ですけど、人間の死体を使ったとか……」

 

「「なるほど」」「死体を忠実な『しもべ』にしたのか」「倫理的には非難されるべきだが、効率的だ」

 

「錬金王様は、バトルホムンクルスだけじゃなくて、家畜や作物、魚も作りました」

 

「「興味深い!」」「あとで見学させてもらおう」「我が王よ、錬金王によって作られた作物や家畜!見ておくべきでしょう」

 

「ええ、分かりました」

 




神奈川に住んでるのに半径2キロ圏内に家系ラーメン屋がないんですよ?考えられます????

いやまて、探せばあるかも。でもほら、俺はこうさ、チェーン店のよりも、隠れた名店みたいなのがさ。

一回「客を舐めてんのか?」ってレベルのクソまずい家系ラーメン屋に当たったトラウマもある。

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