さてさて、冒険者女を五人も食えたのは正しく僥倖だったな。
冒険者女ってのは、身体が締まってていい。
女らしい柔らかさはそこそこなんだが、スポーツ感覚で激しくヤりたいときには最適だな。
冒険者にしては顔も相当に良かったし。
「ふあーあ」
俺は、俺にひっついてるナーゴを押し除けて、宿の裏に出た。
早朝故に人通りは殆どない。
今は六月の半ば頃ってところか。
今年の気温は高いらしい。
現に、今も結構な暑さだ。
具体的には二十七度ってところか。
俺は、徐に全裸になって、水魔法で生み出した水をかぶる。
「『ドライ』」
そして、生活魔法で乾燥させてから、服を着て、部屋に戻る。
「にゃあーん、君ぃ〜?どこ行ってたにゃあ?」
「水浴びですよ。皆さんも水浴びした方がいいと思います。その、臭いが、凄いですから」
「くんくん……、本当にゃあ。君の匂いでいっぱいだにゃあ」
クソ、エロいな。
昨日あんだけヤったのに、ちょっとばかし反応しちまったじゃねえか。
「す、すみません……」
「にゃは、良いにゃ!むしろ、五人も満足させちゃうなんて絶倫さんにゃあ!よかったらまたお相手してほしいにゃあ……?」
「え、ええっ?!で、でも、あ、あんなこと……」
「んもー、君は優しく抱いてくれたでしょ?みゃあはすっごい気持ち良かったし、嬉しかったにゃん?」
「わ、分かりました、その、頑張りますっ!」
「んふふふふ〜、またよろしくにゃん?」
そう言ってナーゴは、俺の頬にキスをすると、外に出た。
そんな感じで、起きた女達は、皆、水浴びをした後に朝食をとって、全員バラバラに遊びに行った……。
そして、俺は、カマキリ剣士のガギリに捕まって、冒険者ギルドの裏の訓練場に連れてこられた。
「えっと、ガギリさん……?」
「ガギリ」
「はい?」
「ガギリでいい」
「で、でも」
「ガギリ」
「……ガギリ、どうしたんですか?」
ガギリは、ギルドで貸し出している木剣を俺に投げ渡した。
「え?えーっと、これは……?」
分からないフリをしているが、真意は分かっている。
組み手がやりたいってことだろうな。
察するところ、ガギリは求道者タイプの人間だ。
俺の八卦掌を見て、自分の技を試したくなったってところか。
分からないフリをして惚けて見せると、ガギリは、素早く手元の木剣で殴りかかってきた。
「うわ!」
わざと間抜け面をして躱す。
「よく避けた」
「な、何ですか?!」
「掛かってきて」
「え、ええと、は、はい」
困惑した様子を装って、構える。
まあ、軽く揉んでやるか。
「……行きます」
……さて、走圏って知ってるか?
簡単に言えば、相手を中心に円を描くように周る歩法だ。
これが、八卦掌では最重要だ。
百練は一走にしかず、走を百練の祖となす……、ってな。
まあ、手は抜いてやろうか。
「やあっ!」
「!」
一合、二合、三合とした辺りで、明らかに不機嫌になったガギリが言った。
「……本気でやって」
「でも……、危ないですし……」
「本気でやれ」
ふーん、本気出して良いのか。
「分かりました……、怪我をしても恨まないでくださいね」
「心配無用」
俺は、ガギリの斬撃に対して、回り込み、そして同時に間合いの内側、超近距離に潜り込んだ。
「くっ!」
距離を離すために、膝蹴りを叩き込もうとするガギリだが、その軸足には俺があらかじめ足を引っ掛けてある。
「……っあ!」
足を引っ掛けながら、腰の力で押し出すようにして倒して、それと同時に木剣を首に突きつけてやる。
「まだやりますか?」
「……上等!」
二回目、様子見ムードで、二刀流のうち片方の剣で突いてくるが、俺はそれを躱して、腕を掴み、突くような強力な蹴りを急所の脇の下に叩き込む。
「ぐ、っがあっ……?!」
そして崩れた一瞬に、掴んでいる方の腕を極めると同時に回転して倒す。
倒れたところで、首筋に木剣を当てる。
「まだやりますか?」
「……もう、一度」
三回目、果敢に攻め、袈裟懸けに斬りかかるガギリ。
俺は、周るような動きで間合いを詰めて、ガギリの喉に手刀を叩きつける。
「か、はっ……!」
そして、鳩尾に蹴りをたたき込み、崩した後に投げ飛ばし、木剣を突きつける。
「まだ、やりますか?」
「……降参」
雑魚が、テメー如きが俺に勝てる訳ねーだろ。
味噌汁で顔洗って出直せ。
そして、夜、再び宿に戻ってきた。
「……おい、ガギリ」
「何?」
「そりゃ何のつもりだ?」
ダーナが訝しげな目線を向けてくるが、それも無理はない。
ガギリは、俺の腕を抱いて、俺に身体を預けながら、恋人のように寄り添っているからだ。
「ん、婿にする」
「はあ?」
「強い子種、婿決定」
「は、ははははは!そうかよ!」
「組手。三回やって、三回瞬殺された」
「ほー、そうか!そんなに強えのか!よぉし!なら、明日は俺とやるぞ、坊主!」
「え、ええっ!で、でも、組手とか危ないですよ!」
「うるせえ!やるったらやるんだよ!」
夜のお相手ならいくらでもやるけどなぁ……。
大して強くもない相手とやり合っても意味ないし……。
俺のレベル、300を超えてるんだぜ?
まあ、適当にボコればいいか。
体重100kg超えの弟が最近彼女ができて痩せてきたらしい。
俺も痩せねば。