さて、今は俺十四歳。
九月末頃。
待ちに待った性奴隷を購入しまーーーす!!!
奴隷市。
俺、錬金王アレックスが買うからってことで、奴隷は山ほど集められた。
その数、例年の奴隷市のおよそ3倍!
盛り上がってるぅ!
「すみません」
「ん……?おお!錬金王様のお弟子さん達じゃあねえですか!」
奴隷商人に話しかける。
奴隷商人も、あの、世界の人々全員に放送した俺の大冒険を見てたらしい。
ファンであると伝えられた。
「性奴隷が欲しいのですが」
「おおっ、隅に置けねーな!お弟子さんよぉ!」
「いえその……、錬金王が、手勢を増やすために、僕達に子供を作れとの命令で……」
「あ?あー……、なるほどな」
奴隷商人は納得した。
この世界は……、いや、前の世界でもだが、血の繋がりってものは重視される。
血の繋がった部下は裏切りにくいってのは、誰もが知っているだろう。古来からずっとやってきたことだ。
その為、錬金王が、弟子や自分の血族を増やして、勢力を拡大しようとしている!というのも、不思議な話ではないと受け取られたようだ。
今回は、俺の分の性奴隷と、テンパランス、ジャスティス、プルーデンスの分の性奴隷を買うために、男四人で来たのだ。
七元徳男性陣の本人達からは了承済みである。
因みに、テンパランスはフォーティチュードとホープと付き合っているし、ジャスティスはラブと付き合っていて、プルーデンスはフェースと付き合っている。
俺は良い上司なので、ちゃんと、あらかじめ本当にいいのかと聞いたのだが、夫婦の時間はちゃんと作ってるし、側室を増やすことに忌避感はないそうだ。
ただ、七元徳同士が正妻だということは絶対で、子供が生まれたら何卒宜しくお願いしますと懇願された。
もちろん、それについては、最大限に配慮すると伝えておいた。
大切な、信頼できる部下の子供とあれば、俺も可能な限り配慮するだろそりゃ。
さて、そんなこんなで女を選ぶ。
奴隷商人が選んだ、世界最高の冒険者組織である錬金王とその部下の七元徳に相応しい女を持ってきてもらう。
数十人の女が連れて来られて、奴隷商人が言った。
「お前ら!お前らの仕事はここにいる旦那様方に買っていただいて、ガキを孕むことだ!死ぬまで鉱山で石掘りするよかよっぽど楽な仕事だぞ、喜べ!」
女奴隷達は、目を輝かせた。
当たり前だ、世界最強の組織の身内にしてもらえて、子供を産むだけの楽な仕事だからな。
別に、子供を産むのが楽だ!女に生まれりゃ得!みたいな話をする訳ではない。
だが、売れ残って鉱山奴隷になんざなれば、死ぬまで穴掘りして、粉塵や鉱毒で苦しんで死ぬ。
そうでなくても、冒険者や軍隊の肉盾か、変態貴族のおもちゃか……。
はたまた、気狂い錬金術師の実験台か、よりストレートにモンスターの餌なんてこともある。
人権なんてあると思うな、奴隷は道具だ。
物理的に力がある男の奴隷ならまだ成り上がる道はあるかもしれないが、女の奴隷は、何かしらの技能でもない限り悲惨な運命を辿る。
技能があれば、大店の丁稚やら、それなりにマシな待遇の戦奴やら、魔法使いや錬金術師の助手にもなれよう。
だが、大抵は酷い待遇で死ぬまでこき使われる。
そうでなくとも、奴隷として売られるくらいだ、ろくな人生じゃなかっただろうな。
「旦那様方はお優しいぞぉ、食い物も家も、キレーなおべべも用意してくださるとよ!お前らのやることは一つ!旦那様方の妾として、旦那様方の優秀な血を残すことだ!」
奴隷から貴族や大商人、大冒険者の妾なんて、奴隷の女ならば誰もが夢見る最高のサクセスストーリーだ。それこそ、彼女達にとってはシンデレラ並みの。
妾になれる、この言葉を聞いた女達は色めき立った。
「買ってください、旦那様!」「私を買って!買ってください!」「何でもします!」「一生をかけてお仕えします!」
粗末な貫頭衣を着た女達が、檻の中から懇願してくる。
うーん、圧倒的下の立場の人間に拾ってくれと懇願されると、自尊心がくすぐられるかと思ったのだが、ものすごい必死だからちょっと引くな……。
ん?
「エイハブ様!わ、私は、エイハブ様に買っていただきたいです!」
おや……。
他の女と違い、ちょっとばかし身なりが良いな。
これは予約、と。
「くぉらぁ!!!馬鹿女共!並んで自己紹介しやがれ!浅ましくも旦那様方に媚び売ってるんじゃあねえぞお!!!」
奴隷商人の好感度が高い理由?
上客だからだぞ。
さて、ここにいるのは奴隷商人が選んだ高級奴隷。
着ているものは貫頭衣だが、身なりはよく、肌艶も良い。
他の奴隷は全裸のまま晒し者にされるのが普通だし、身嗜みを整えたりもしてもらえないし、食事もろくにもらえない。使い捨てが基本だからだ。
だが、ここの奴隷は高級だ。
最低金額が銀貨五十枚からってところだろう。
奴隷女達の自己紹介を聞く。
「ナナです!ドワーフの十六歳で、レベル四の鍛治スキルを持ってます!お役に立てます!」
「ピョンコですっ!兎獣人の十五歳です!跳躍、聴覚、危機察知を持っています!いざという時は命にかえてもお守りします!」
「エミーリアです!エルフの百四十五歳です!基礎教養、光魔法、製薬、弓術がレベル四まで使えます!」
「カウーです〜!牛獣人の十七歳です〜!農業と酪農を持ってます〜!」
「レジーナです、魔人の八十八歳です。闇魔法と呪術をレベル四まで持っています」
「んん……、フーリーン。ナイトオウル、十九歳。飛行、風魔法、暗視が使用可能」
そんな奴隷の自己紹介を聞きながら、俺達は念話で色々と話す。
『アレは欲しいですね』
『じゃああの女はやるよ』
『私は右から三人目と、左端のと……』
『やる』
『あそこの豊満な牛獣人をくれないだろうか?』
『やる』
『アレックス様はどうなさいますか?』
「私の名前は、テレサ・エル・ガードナー……、いえ、ただのテレサです。種族は人間で、歳は十四歳です。目は見えませんが、芸術、歌唱、デザインのスキルがあります。無才の身ですが、よろしくお願いします!」
「私は、サテュロスのイゾルデです。歳は十七歳で、掃除、洗濯、料理、酒造のスキルがあります」
『俺は真ん中の盲目の女と、その隣の女と……』
「アタイは東の婆娑羅に住んでた、雷獣人の雷呼よ。歳は十五で、雷魔法を使えるのさ」
「僕はイエティのミィティだよ!歳は十三歳で、氷魔法が使えるんだ!」
『あとあの雷獣人とイエティの女をもらおうか』
ということになった。
あと完全に余談なのだが、俺は雑食で顔が良ければ誰でも良し。
テンパランスは小柄な女が好き。
ジャスティスは豊満な女が好きで、プルーデンスは程々の女が好きだそうだ。
明日の飯どうしよ。
メニューが思い浮かばないんだよなあ。