「ええと……、質問しても良いかな?テレサさん……、だよね?さっき、僕に買って欲しいって言ってたけど……?」
テレサ。
黒髪ロングの儚げな盲目少女とはポイントが高い。
「貴方だけが……、貴方だけが、真っ暗な私の世界に光をくれたんです!!」
は?
いきなり謎ポエムやめろよ。
ジャプンのサムライ漫画か?俺をマンデー派と知っての狼藉か?
なんの話?
……あー、そうか、脳内ネットワークか!
盲目で退屈してたところ、脳内ネットワークで色々と見れて楽しめたよー、ってことね!
はいはい、そういうことね、なるほどなるほど。
「だから、私は、そのお礼をしたいんです!なんだってします、だから……っ!!」
オッケーオッケー、身体は貧相だけど顔がめっちゃ良いんで買うわ。
やっぱり女は顔だよなっ!
そんなこと言ってるからメンヘラ女つかまされて警察沙汰になるんですけどね。
いやー、大変だったわ。
顔が良いけどメンヘラな彼女が突然刃物振り回し始めてさー。
鎮圧するためにボコボコにしたら、脊髄損傷で殺しちゃってね?
俺も三箇所刺されてたから正当防衛で無罪放免だったんだけどさー。
……うん、性格も大事だ。
まあ、メンヘラ化したらパージすれば良いしな。どうせ性奴隷だし。人権ないし。
パッと見ではまともそうだしいけるいける!
「お、お待ち下さいっ!」
お?
えーと、サテュロスのイゾルデだったか?
羊のような蹄のある足と、くるりと曲がった角を持つ、薄い桃色の髪を短く切り揃えた美女。
「テレサお嬢様をご購入いただけるのであれば、どうか、どうか私も……っ!盲目であられるテレサお嬢様には、お世話をする者が必要でっ……!」
あー?
そういやさっき、テレサは姓を名乗ってたな。
ってことは元貴族か。
察するところ、イゾルデはテレサの世話係だった……、とかかな?
うわあ、ありがちー。
でも嫌いじゃないわ!
「それもそうだね……、イゾルデさんは、テレサさんの知り合いなのかな?」
「はい、テレサ様は私の主人で……、ああ、いえその、でも、もしもご購入いただけるのであればその辺りは変わりますが……」
「うん、分かったよ。イゾルデさんさえ良ければ、テレサさんの面倒を見てあげてもらえないかな?一応、他にもメイドさんは集める予定だけど……」
「よ、よろしいのですか……?!」
テレサ&イゾルデのセット購入を伝えると、二人は泣きながら抱き合った。
仲もいいみたいだし、この二人を女同士で絡ませるのも良いかもしれない。
そいつは結構な眼福だろうな。
あ、ちょっと話を聞いたら、案の定、盲目の上に両親とは違う黒髪で、不義の子とかそんな扱いされてたらしいよ。
次、イエティのミィティ。
「はわー、本物のエイハブ様だぁ〜!」
うっわー……、「はわー!」とかリアルで言う人いるんだ……。
ちょっと、いや、かなり引いたわ。
まあ、でも……、顔が良いからなあ!!!!!
顔が良いと大抵のことは許せるんだよなあ!!!!!
身体は平均よりいくらか小さい感じで、白髪に青い瞳、そして褐色肌の美少女。
しかも僕っ子。
リアルで僕っ子とかキツいわー。
でも顔が良いからなあ!!!!!
「君も、あのテレビ番組を見てくれたのかな?」
「はい〜!僕の故郷でもみんな見てましたよ!」
「ははは、ちょっと恥ずかしいな。ええと、その、差し支えなければ、どうして奴隷になったのか教えてもらえるかな?」
「……その、モンスターの群れに襲われて、故郷が」
あっ。
「ご、ごめん、辛いことを思い出させちゃったね」
「良いんだよ!確かに、多くの人は亡くなったけど、殆ど生き残ったし……、僕は、なんていうか、口減らしみたいなものだから」
口減らしに立候補したらしい。
ほーん?
自己犠牲ってやつ?俺には理解できないやつだな。
ま、顔が良いので買う。
最後に雷呼。
雷獣人らしく、稲妻のような青い髪には白い毛が混じっている。女にしては身長も高く、乳もでかい。総じて、妖怪のような女だ。
だが顔は良い。
「アタイを買うかい?」
デカ乳を揺らしながら、誘惑するかのようなポーズをとる雷呼。
十五にして自分の身体の美しい魅せ方を本能的に知っているのか。女は魔物だ。
「その予定だけど、どうして奴隷になったのかを聞いても良いかな?」
「ハン、大した話じゃないよ。ウチの親父が酒の席で暴れて、上役を二、三人ぶっ殺しちまってねぇ……。お陰様で一家離散って訳さ」
ふーん。
この女も酒癖悪そうだな。
でも顔が良いので買う。
とりあえず四人で良いかな?
飽きれば新しいの買えば良いでしょ。
あと二話で練金王の一章は終わるから、まだ少し付き合ってね。